2018/11/15 NFL Seattle Seahawks vs. Green Bay Packers @ CenturyLink Field, Seattle, WA ②

 この日は第11週のゲーム。シアトル・シーホークスはここまで4勝5敗。グリーンベイ・パッカーズは4勝4敗1分。NFCは混戦になりがちではあるが、パッカーズは昨シーズン、クォーターバック(QB)のアーロン・ロジャースが負傷してプレイオフ出場を逃し、今季はロジャースが復帰したものの、勝ち星が稼げず、何かが違うという印象。シアトルに関しては、昨年は2ケタ勝利もできず、今年もこのパターンなのかという感じ。昨シーズン、ブレイクしたロサンゼルス・ラムズミネソタ・バイキングスの新勢力に対し、両チームとも意地を見せられるかという正念場のシーズンであるのだが。
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 正直、シアトルは、QBロジャースに問題がなければパッカーズには勝てないだろうなと思っていた。試合は、シアトルの攻撃から始まったのだが、自陣25ヤードから最初の1プレイ目で、2年目のランニングバック(RB)クリス・カーソンがタックルを受けて、ファンブルしてしまう。転がったボールはパッカーズの手に渡り、攻撃権を失う大失態。タックルをしたのはラインバッカー(LB)のクレイ・マシューズ(しかし彼の見せ場はこの日これだけだったかもしれない)。絶好の位置からスタートすることになったパッカーズは、QBロジャースが、タイトエンド(TE)ジミー・グラハムに13ヤードパスを通した後、RBアーロン・ジョーンズがエンドゾーンに走り込みタッチダウン。開始1分ちょっとで、
0-7と先制されてしまうという厳しい展開。
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 シーホークスの攻撃は、QBラッセル・ウィルソンのパスが通らず、あっさりとパントで終了。続く敵陣23ヤードから始まったパッカーズの攻撃は、QBロジャースに最初のプレイで、ワイドレシーバー(WR)デバンテ・アダムスに41ヤードのパスを通され、アッという間に自陣36ヤードまで侵入されてしまう。ロングパスを投げると思わせないモーションで、そんなに飛ぶかというロジャースの力は素晴らしいの一言だ。1つランを挟んだ後、またアダムスにパスを通され、自陣29ヤード地点まで進まれる。しかし、ここでキッカー(K)名手・メイソン・クロスビーが47ヤードのフィールドゴールを失敗。0-7のままで命拾いした。
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 まだ開始5分も経っていない。この幸運を生かせるかという自陣32ヤードからのシアトルの攻撃は、ルーキーのRB、ラシャード・ペニーが、パッカーズのディフェンスを右へ左へするりと交わし、技ありの30ヤードのランで敵陣38ヤードまで進む。この人は、結構加速力を持っている。だがその後のQBウィルソンのパスは、WRタイラー・ロケットには通ったものの、決め切ることができない。Kのセバスチャン・ジャニコースキーの39ヤードフィールゴールで、3-7と3点を返しただけ。我がレイダースにいた名キッカーのジャニコースキーは、今はシーホークスで頑張っている。涙がちょちょぎれるね。

 するとパッカーズは、次の攻撃ですかさず反撃をしてくる。敵陣25ヤードから始まり、QBロジャースは、WRデバンテ・ジョーンズやTEランス・ケンドリックスにショートパスなどを通して、46ヤードまで進んだ。6プレイ目で、ロジャースはディフェンスを右へかわして、完全にフリーとなり、余裕でターゲットを探して走りながら、ルーキーのTE、ロバート・トンヤンに54ヤードのディープパスを投げてタッチダウン、これで3-14。何だろうね、もう次元が違うとしか言いようがないよ。
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 第1クォーター、残り3分。シアトルファンはあきらめムードだったかもしれない。次の攻撃もパントで終わるが、パッカーズの攻撃もパントで終わらせることができた。再びシアトルの攻撃となり、自陣23ヤードから、RBカーソンが、先ほどの汚名を返上するように15ヤードを走ってファーストダウン
ここで2クォーターへ。自陣33ヤードから、QBウィルソンは、ここで初めてエースWR、ダグ・ボールドウィンに14ヤードのパスを通し、敵陣内へ。ここからウィルソンは、RBカーソンとペニーのラン、WRボールドウィンとロケットへのショートパスで、時間をかけて攻めていく。RBペニーのランで敵陣8ヤードまで進むと、相手ペナルティーもあり、最後はWRボールドウィンに6ヤードのショートパスを通して、この日初めてのタッチダウン、10-14まで追いついた。
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 この時点で第2クォーターは残り8分。ここでシアトルのディフェンス陣も活躍し、QBロジャースをサック、攻撃をパントで終わらせた。すると、次のシアトルの攻撃で、ウィルソンからロケットへのパスの際、相手のパス妨害反則があり、なんなく敵陣へ侵入することに。さらにTE、ニック・バネットへの17ヤードパスで、なんと敵陣1ヤードまで進むと、RBカーソンが中央を走り込みタッチダウン、なんと17-14と逆転した。

 シアトルに流れが傾いたかと思いきや、第2クォーター、残り3分からのグリーンベイの攻撃、QBロジャースは、RBジョーンズパスを渡して、敵陣に侵入したかと思うと、WRアダムス、TEケンドリックスと次々にショートパスを通し、最後はRB、ジョーンズに24ヤードのパスを決めてタッチダウン。このジョーンズは、ショートパスで前にも出れるし、ロングパスも受けれる器用な選手。わずか2分半で、5連続パス成功、17-21と鮮やかな逆転である。決して流れは渡さない。残り1分もない中、シアトルはウィルソンがパスを繰り出すが、敵陣内にも入れず、前半終了。
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 後半は、グリーンベイ・パッカーズの攻撃から。QB、アーロン・ロジャースはさらにも増して、WRデバンテ・アダムスを使ってくる。ショートにロングに、またアダムスかというほど多用する。しかし敵陣には入るが、攻撃はパントで終了。すると、次のシアトルの攻撃から、グリーンベイの攻撃と、2回続けて敵陣に入れずパントで終わる膠着状態に。次のシアトルの攻撃、自陣3ヤードから始まるも、QBウィルソンは、WRのデビッド・ムーア、ボールドウィンとパスを通し、RBカーソンの6ヤードのランで敵陣に入ったところで、第3クォーター終了。得点は17-21のまま。最終、第4クォーターにどんなドラマが待っているのか。
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 第4クォーターに入り、シーホークスは、RBカーソンの連続ランで、敵陣19ヤードと、ついにフィールドゴール圏内に侵入。QBラッセル・ウィルソンがサックを受け、さらにペナルティで35ヤードまで戻されるが、RBマイク・デイビスのランで25ヤードまで進み、最後はKジャニコースキーフィールドゴールを決めて、20-21に、ついに1点差に。

 盛り上がるシアトルファン。しかしパッカーズも引き下がらない。敵陣25ヤードから始まったグリーンベイの攻撃で、またQBロジャースのビッグプレイが決まる。WRデバンテ・アダムスへ57ヤードのディープパスが決まり、一気に自陣17ヤードまで攻め込まれてしまった。ここではロジャースは思い切り振りかぶって投げていたが、しかし、こんなにあっさりと決まるかねという感じ。どんな練習をしたらこんなのが決まるのか。そして、RBジョーンズが12ヤードまで押し込むが、次のプレイでシアトルディフェンスがQBロジャースをサック。しかし、自陣内で攻められている現状は変わらず、結局フィールドゴールを決められて、20-24と、また離された。
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 残り8分半。フィールドゴールでは追いつけないので、タッチダウンがほしいシアトル。自陣25ヤードからスタートした攻撃、QBラッセル・ウィルソンはパスモードに入る。WRボールドウィンにショートパスを通した後、WRタイラー・ロケットに渡し、50ヤードまで進む。そして、再びロケットに34ヤードのパスを通し、敵陣16ヤードまで入った。ランでは進ましてくれないと見るや、ウィルソンは中央に走り込んだ、TEのエド・ディクソンに合わせて、15ヤードのタッチダウンパス。これが決勝点となり、27-24と再逆転だ。ここまで相手にさんざんビッグプレイを見せられながら、それでも返したシアトル。ピート・キャロルのしぶといシーホークスは健在だった。
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 残り5分。まだ時間がある中で、パッカーズはどうするのか?と思って見ていたら、わずか1分ちょっと、なんとファーストダウンも取れずにパントで終了。
QBロジャースのパスは全く決まらず。えーっ、こんなにあっさり終わったの?という感じ。しかも、ロジャースはルーキーWRのEquanimeous St. Brownとか、Marquez Valdes-Scantlingという選手に投げていたからよくわからない。ここでこそ、さんざん使ってきたRBのジョーンズやWRアダムスで、思いきった作戦仕掛けるんじゃないの? ルーキーに経験させるのは大事だが、クライマックスのここじゃない。 本当ならば、NFLゲームパスを買って、試合のこの部分をもう一度見てみたいくらいだ。ベンチとの連携の不具合があったのか、本当にロジャース自身がそこに投げたかったのか疑うようなプレイであった。思えば、大事なところで試合を失うパッカーズの原因は、こんなところにあるのかなと後で思った。
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 残り4分。自陣20ヤードから始まったシーホークスの攻撃は、RBデイビスと
QBウィルソンのランでファーストダウンを取ると、ほんとにランを続けるだけでファーストダウンが取れてしまうんだな、これが。2ミニッツウォーニングを超えると、あとはそのままニーダウンで時間をつぶして試合終了。最後はあっけなく終わってしまった。

 数字を見ると、シアトルは、QBラッセル・ウィルソンがパス225ヤード、タッチダウンパス2回、QBレイティング110.3。レシーブは、ボールドウィンが57ヤード、タッチダウン1。ロケットが71ヤード獲得。ランは、カーソンが83ヤード、タッチダウン1。ペニーが46ヤード。ディフェンスでは、LBのボビー・ワグナーが6タックル。ディフェンシブ・エンドのフランク・クラークが3タックル、2サックくらい。やはり、勝利チームの数字としてはいかにも物足りない。

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 グリーンベイは、QBアーロン・ロジャースがパス332ヤード、タッチダウンパス2回、QBレイティングはなんと128.8。レシーブは、WRアダムスが166ヤード獲得、RBジョーンズが63ヤード、1タッチダウン。TEトンヤンが54ヤード、1タッチダウン。ディフェンスでは、コーナーバックのジャイア・アレクサンダーが6タックル。LBのカイラー・ファックレルが5タックルに3サック。セイフティーのジョッシュ・ジョーンズとトレイモン・ウィリアムスがそれぞれ5タックルを記録している。数字だけ見ると完全にパッカーズの勝ちゲームである。本当に熱心なファンたちがいるのに勝てないという勝負弱さがもったいない。
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 結局、この試合後、シアトル・シーホークスは勝率を5割に戻し、ロサンゼルス・ラムズはおいておいて、プレイオフ進出の有力候補となり、グリーンベイ・パッカーズはまさかの黒星先行、アウェイでの弱さが浮き彫りとなった。そして、4勝7敗となったところで、近年のパッカーズ黄金時代を築いたマイク・マッカーシーヘッドコーチが解任されるという事態に。アーロン・ロジャース自身が衰えたわけではないことは誰が見ても明らかなだけに、数年前までに見られたようなディフェンス陣の怖さやオフェンスラインの堅古さが感じられなかったのも現実だったかも。
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 試合が終わって、ショップを色々見て回っていたら、もう部屋に帰ってきた時は21時を回っていた。スタジアムではピザを買って食べたのだが、マンションの下にあって、後でここで色々買えばいいやと思っていたドラッグストアがすでに閉まっているのに気づく。シアトルはこんな街の真ん中でも、店は早く閉まる。開いているのはバーとか飲み屋とかくらい。明日のご飯とか水を何にも買ってないよ、どうしようとネットを調べていたら、ちょっと歩きはするが、日系スーパーの宇和島屋が、夜10時まで開いていることを知り、走る。

 寿司などはもちろん、食材も豆腐や納豆など色々なブランドがあり、日本の食材なら、ないものはないという品揃え(ただアメリカの食材も普通に売っているスーパーではある)。こういう店があって、今、泊まっているような部屋があれば、完全に自炊ができるなと思う。ただし、おおむね値段は高い。かなり高かったが、誘惑に負けて、日本のクリームパンを買って帰る。確かにおいしかった。あと、もう日本では売ってないグリコのアーモンドピーク(パッケージも日本語のままで英語のシールが貼ってあるだけ)が安く売っていたので、買う。こういう古くなった品も流れてくるんだなと納得。翌日はシアトル市内にいるだけなので、ゆっくり休んで寝た。