2018/11/15 NFL Seattle Seahawks vs. Green Bay Packers @ CenturyLink Field, Seattle, WA ①

 明けて15日。この日はシアトルに向かう。国境通過は時間がかかるというので、早朝などなるべく朝早い方がいいというネットのレポートが多かったが、そんなに早くは起きられず、9時過ぎになった。この日行こうとしているシアトル・シーホークスのゲーム開始は17時30分、ホテルから会場のセンチュリー・リンクフィールドへは歩いてすぐのところなので、15時過ぎにホテルに着けば余裕なのだが、それでも待ち時間を含めれば、移動で3時間はかかるかもなと、時間が読めず不安だった。

 結果から言うと、アボッツフォードに移動していたのがよかった。アボッツフォードから南に下ると、スーマスという町があって、そこに国境がある。なかなかここからアメリカへ渡る外国人はそうそういないわけで。確かに車で検問を受ける時までは20分近く待ったが、それから別棟の建物で手続きをしてもらう時間にしても、20分もかからなかったと思う。そこでESTAの認証を見せて、I-94Wのビザを発行してもらう。6ドルの料金を取られたが、こんなに楽なものかと思ったほどだ。これが普通にバンクーバー市内から99号線を下って、ピースアーチのある国境を越えようと思うと、多分数倍の車が通過しようとしていたと思うし、時間は確実に倍以上はかかったと思う。車で国境を通過できる場所は何か所かあるので、どこを通るかというのが非常に大事なんだと痛感。外国人が通過させてもらえない場所はさすがにないはずだから重要である。
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 国境を通過してからはあまりにも順調だった。シアトルのダウンタウンに入るまでは、やはり退屈な山道で、途中で雨も降ってきたりした。どこのドライブインで休もうかと思案したが、大したおもしろい場所はない。シアトルに入ると、雨が降った様子は何もなかったので、山の独特な天候である。

 難儀なのは、シアトルで泊まる予定のホテルだった。住所を探してもよくわからず、周りを何回車で回ったことか。それもそのはず、エクスペディアに載っているホテルではあったが、普通のホテルではなく、マンションの部屋をそのまま借りる形式のもので、看板とかが出ているものではなかったのだ。駐車場をリクエストしていたので、押さえてくれているはずなのだが、それもどこかわからない。すでに14時を回る時間になったが、どうにもならない。ホテル付近は、この日はシーホークスのゲームがあるので、どんどん駐車場が埋まっていく。適当に路上駐車をして探すわけにもいかないので、もう腹を決めてイベントパーキングに車を止めることにした。ここで無駄な20ドルを取られる。聞けばオールナイトでも車を止めておくことができると安心して、歩いてホテルを探すことに。

 もう一度来たメールを見ると、自分はチェックインの到着時間を知らせはしたのだが、着いたら電話をしろと書いてあった。電話しろと言っても、こっちはアメリカの携帯を持っていないので、公衆電話を探す。キング・ストリート・ステーションという駅があり、そこに公衆電話があったので、かけようとするが、手持ちのクォーターを何枚入れても全くかからない。どうしようと思いながら、日本の携帯でもかかるかなとかけると、つながった。場所を聞くと、これまでグルグル回っていたビルの中の1つに部屋があるのだとわかった。そんなのわかるわけないって。そして、電話はつながったはいいが、この国際電話代でいくら取られるのだろうと不安にもなる。

 借りた部屋は7階で、こんなキレイなすごい部屋を1人で使っていいのと思うものだった。間取りとしては1LDKだが、リビングにしろ寝室にしろとにかく広い。シアトルのダウンタウンのど真ん中で、スタジアムまで歩いて行ける距離。この部屋が普通のホテルだったら、確実に2万5千円以上は取られるだろう。パーキングはそのマンションの敷地内にあるところを使えばいいと言われるが、すでにイベントパーキングに止めてしまったと言うと、高いのでもったいないと言われたが、こっちは場所がわからなかったし、どうしようもなかった。ホテル内の駐車場は、翌日から止めることにしてもらった。設備も、立派なキッチンに、オーブンや電子レンジも付いている。冷蔵庫も2ドアの立派なもので、いくらでも作りたい料理ができる。おまけに洗濯機や乾燥機もある。こんな場所だとわかっていれば、もっと違った使い方を考えていたのになと思う最高の場所だった。それにしても、なぜここはAirbnbには載っておらず、エクスペディアなのだろうかと思った。何か事情があるんだろうね。
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 センチュリー・リンクフィールドは、部屋の窓から見えるほど近かった。今回はチケットマスターの携帯電話出力のやり方で、チケットを買ったので、一応WiFiのつながる部屋でアクセスしてチケットのページを出しつつ、さらにスクリーンショットで保存もしておくという方法を取って出かける。プリントしなくていいという便利さはあるものの、どこにでもWiFiがあるわけではないというアメリカの携帯を持っていない人間にとっては、ヒヤヒヤものではある。
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 この日はNFLでも毎週1試合木曜日に行われるサーズディ・マッチの日で、相手はグリーンベイ・パッカーズ。それなりに注目が予想されるカードが組まれているわけだ。相手がパッカーズであることで、試合はおもしろくなるだろうが、チケットはとにかく高騰する。NFLのチームでも特にグリーンベイ・パッカーズのファンは熱狂的で、アウェイゲームでも地方に積極的に出かけて応援するパッカーズファンの需要が、それぞれの街にはできている。ホテルだってその期間は高くなるという感じ。特にチケットはすさまじく、今回自分が買ったのは、3階席のチケットだが、200ドル以下では買えなかったくらいだ。

 最初は目を疑った。シアトルの人間には冬はフットボールチームしかないから、熱狂的でチケットが高騰するのかと思った。でも調べてみると他のチームとのカードでは、それほど高いという値段ではない。やはり原因はパッカーズ戦だからということだ。同地区同士の対戦カードなら、相手チームのファンだって、ちょっと足を伸ばしたら来れないところでもない。しかし、違うカンファレンスだったり、遠方のチームだと、よっぽどの人気チームでないと、相手ファンはわざわざ見に来ない。でも、グリーンベイ・パッカーズのファンは違うのだ。必ず一定数のファンがどこにでも駆け付ける。試合だって、QBのアーロン・ロジャースなどスタープレイヤーが揃い、大崩れすることはないから、ゲームだって見ごたえのあるものになる。思えば、数年前にテネシー・タイタンズのホームゲームのチケットを購入しようとした時も、同じく3階席でも200ドル以上するようなものすごい値段になっていたのだが、その時も相手チームはパッカーズだった。

 自分が買ったのは、エンドゾーンよりのブロックの3階席の真ん中の列だったのだが、それでも200ドルをちょっと超える値段。一番安く売っていた穴場のチケットでそれである。センチュリー・リンクフィールドは初めて行く会場なので見てみたいという思いはあったが、最上の3階席ブロックの真ん中辺りで、それで楽しめるものなのかという思いと、しかもセンチュリー・リンクフィールドはドーム球場ではないので、結構寒いだろうなという不安があって、実は出発直前までチケットマスターのサイトを見ながら、もうちょっと安い席が出ないかなとチェックをしていたのであった。それ以前にチームが連敗とかすればチケットを売る人間も多くなるはずだが、なかなか負けないチームでもあって、値段は下がらない。

 シアトルにいるので、15日は八村塁のいるゴンザガ大学のホームゲームもあったので、そちらに行くことも考えたりしたが、ゴンザガ大のあるワシントン州スポーカンへは、車で4時間以上かかることが判明。飛行機で行く距離だなと思ってやめた。バンクーバーからシアトルに行くよりも遠いって、ほんとにものすごい田舎なんだろうね。スポーツや勉強に打ち込むにはいい所なんでしょうが。

 チケットマスターのサイトを見ていたら、出発2週間前に自分が買った値段よりちょっと高いくらいで、3階席の1列目が売っていることがわかったので、迷わず購入する。しかし、ここで大問題が発生した。その前に買っていた3階の真ん中の席のチケットを自分では売れないことが発覚した。GO MOBILEという携帯電話に出力するチケットの場合だと、これを売ろうとした場合、米国、もしくはカナダに住所があるクレジットカードだったり、銀行の口座を持っていないとチケットを売ることができないのだ。チケットマスター以外の他のチケットサイトの場合は、これまでの紙のチケットなら、バーコードの番号だったり、PDFをアップロードして売ることならできた。だが、このGO MOBILEで一度出力すると、紙出力に変更することは一切できないようなのだ。

 大失敗というか何というか、このままではどうしようもできずに200ドルが紙切れになってしまう。1つだけ携帯出力のチケットでも売れるサイトを見つけたが、ここはアクセスがどうにも少なく、売れる気配すらない。ここからどうしたか、それはちょっと言えないが、エライ目に遭った。何とかして米国の銀行口座だけでも持っておきたいと切に思った日々であった。しかし、米国住所のクレジットカードだったり、銀行口座がある分には、このGO MOBILEというシステムほど便利なものはないとも言っておこう。何せ自分のチケットをセンターに預けるだけで、余計な手続きは何もしなくていいのだから。値段は自由に決められるし、売れたら金額がそのまま入って来る。ただ、外国人には利用するのは難しい。むしろ、日本でもこのシステムをやってほしいと思ったくらいだ。何でチケットリセールが買った値段でしか売れないのか、買った方は手数料だってかかっているというのにさ。結局、日本では興行主さえ損をしなければ、ユーザーのことなど知ったこっちゃないのである。

 部屋からセンチュリー・リンクフィールドへのアクセスは抜群だった。2002年にできたスタジアムだけあって新しい。それまではシアトル・シーホークスは、キングドームというシアトル・マリナーズとの共用球場だったが、今、マリナーズは隣にあるセーフコ・フィールドを使っているので、フットボール専用の球場である。でも、何でドームにしなかったんだろうね。選手も見る方もつらいよ。かつてあったキングドームの屋根崩落事件(1994年)が尾を引いていたのだろうか。シアトルは高緯度だけど、雪はほとんど降らないみたいだからいいけど、やはり寒い。野球とフットボールのスタジアムが隣同士にあって、これにバスケットのアリーナがあれば立地として最高なのだが、シアトルにはNBAのチームはないんだな。
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 センチュリー・リンクフィールドは約7万人入る球場だが、 それほどのデカさは感じなかった。空が開けているからかな。3階席ではあったが、1列目で遮るものがないので、本当に見やすい席であった。実は自分たちの席の下の通路には、枠線だけが引かれた立見席というのがあって、そこはビューとしては確かに見やすいのだが、でも立見だからね。それでもここですら200ドルくらいで売られていたのだ。こわいなと思った。
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