University of Oregon Ducks @ USC Trojans 2010/10/30(NCAAカレッジフットボール、南カリフォルニア大学)

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 2日目。カレッジフットボールと言えばやはりここに来なくてはならない。University of South California、USCこと南カリフォルニア大学である。数々の有名選手を輩出してきた名門であり、聖地といってもいい。
 
 フットボールに関して言えば、USCはこのところ必ずしも調子は良くない。ライバル校がかなりレベルアップしているのと、レジー・ブッシュの違法献金問題で奨学金枠も減らされるという状況で、数年は低迷してしまう危機感もあるのだ。
 
 この日の対戦相手はオレゴン大学ダックス、シーズン半ばのこの時期、いまだに無敗を続けている最強校である。今年は、昨年敗れたPAC10カンファレンスの覇者、スタンフォード大カーディナルに勝ち、乗りに乗っている。一方のUSCはここまでワシントン大ハスキーズとスタンフォード大に敗れて、すでに2敗。ただ、ここでオレゴン大を負かせば、PAC10カンファレンスの優勝争いは混沌としたものになるかもしれない重要な試合である。
 
 USCのホームは大学構内にある、L.A. Memorial Coliseum。実はここ。多くの人々が見たことのある有名な場所なのである。なぜかというと、1984年のロサンゼルス・オリンピックが行われた会場でもあるからだ。中にはオリンピックに出場した全選手の名が刻まれている碑などもある。近くには、かつてNBAロサンゼルス・クリッパーズのホームだったりしたLos Angeles Memorial Sports Arena(USC Trojansのバスケットの試合などはここで行われる)もあり、気分はやたらと盛り上がってくる。
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 カレッジフットボールを生で観るのは、今回で2回目なのだが、実際のUSCの雰囲気はハンパなかった。前回見たスタンフォードとは、応援の規模も熱狂さも全然ちがう。マーチングバンドなんか3倍くらい人がいるし。まさに圧倒される感じ。スタンフォードがおとなしすぎるのか、USCが特別すぎるのか…。それにしてもスタンフォードはよくこんなUSCに勝てたもんだと思った。フットボールは傑出したスーパースターやコーチがいれば変わってくるもんなんですなぁ。結局、昨年から大躍進したスタンフォードのコーチ、ジム・ハーボーはNFLのコーチ(49ers)になってしまったし。
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 試合の方は、優勢とされていたオレゴン大が前半は緊張しているように見えた(アウェイでUSCに勝つというのは大変なことなんだと思う)。ペナルティだったり、ファンブルだったり、リターンでロングゲインを許したりで一進一退の攻防が続く。ただUSCのミスもひどかった。結局、オレゴンの強力なパスラッシュだったり、QB Darron Thomas、RB LaMichael James、WR Jeff Maehlによるハイパーオフェンスがやたらと目立ち、力の差は明らかなように見えた。前半を終わってオレゴン29対USC17.
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 後半中盤になって、オレゴンはとにかくJamesのランで押しまくるようになる。それが止められずに効いてくると、Thomasのパスも確実に決まるようになってくる。一方のUSCのQB Matt Barkleyのパスは決まらない。投げるだけ無駄という感じだった。終わってみれば、53-32と21点の差を付けてオレゴンが勝利。パスだけをみると、距離はオレゴンのThomasが288ヤード、USCのBarkleyが264ヤードだが、TDパスはThomasが4、Barkleyは1。最長パスはThomasが57ヤードなのに対し、Barkleyは25ヤード。レシーバーで見ると、オレゴンはMaehlが145ヤード(3TD)、USCはJohnsonが65ヤードと、いかにUSCの攻撃が低調だったかがわかる。Barkleyにしろ、いずれNFLでドラフトされる逸材だとは思うが、Thomasとの実力差は、目で見て明らかだった。
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 一方、ランはオレゴンのJamesが239ヤード、USCのTylerは69ヤードと圧倒的な差だ。ちなみにQB Thomasはランでも42ヤード走っている。まさにJames様々の日であった。背は低いのだが、加速力があるダレン・スプロールズみたいな選手だと思う。
 
 そして、この年、オレゴン大はこの勝利を含めて、シーズン全勝でPAC10カンファレンス優勝、BCS Natinonal Championshipにまで進んだが、QB Cam Newtonを擁するAuburn大に惜敗した。ちなみにQB Darron Thomas、RB LaMichael Jamesともドラフトにはエントリーせず、今年も3年生としてチームに残っている。今年の結果次第では、ドラフトエントリーするのか? 同じ3年生のスタンフォード大のQB Andrew Luckは来年のドラフトエントリーを表明しているようだし。Thomasはどうなるのか? 果たして彼は第2のマイケル・ヴィックになれるのか?というのが、私の目下の関心事である。いずれにせよ、この世代が卒業すると、NCAAのPacificの勢力図はガラリと変わるであろう。
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 ここでも気付いたことを。このスタジアムの売店は試合が終わると、すべて閉店してしまう。そのため客は帰るだけしかなくなり、私はレンタカーをスタジアム近くのパーキングビルに止めていたのだが、そこから車を出すまでに1時間以上もかかってしまう羽目に遭ってしまった。試合が終わっても売店を少しでも開けておいてくれれば、もうちょっと観客の分散化もはかれるというものなのに。そこは何とかならんもんですかね…。
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