2012/10/29 Tennessee Titans vs Indianapolis Colts @LP Field (NFL football)

 最終日は、ついにLPフィールドである。NFLテネシータイタンズの本拠地。本日はインディアナポリス・ コルツを迎えてのゲームである。 今回はこれを見たくてここに来たようなものだ。コルツと言えば、 かつてスタンフォード大学での試合を見たアンドリュー・ ラックが今やエースとなっている。 当時はまさかドラフト全体1位で指名されるなんて考えもしなかっ た。彼にはおそらく全く縁がなかったはずのインディアナポリスの地で、 ペイトン・ マニングの後継者として、低迷していたチームを一年目から甦らせる 原動力となっているのだ。これだからフットボールはおもしろい。
イメージ 1
  今回、たまたまナッシュビルにて、 ラックのコルツでのゲームを観ることになったのだが、 そのタイタンズのQBはジェイク・ロッカーである。 彼はワシントン大学のQBで、 スタンフォード大のラックとは何度も直接対決をしてきた間柄であ る(自分は残念ながらその直接対決の試合を生で観たことはないのだが) 。そんな二人が今度はプロとなって、 なぜかナッシュビルという土地で、対決するというのだから、 フットボール観戦はやめられない。
 
 そして、 大学時代にラックを指揮していたスタンフォードのヘッドコーチだったジム ・ハーボーは、今やサンフランシスコ・ 49ersNFLヘッドコーチにまでなった。そんな スタンフォード大のライバル、 オレゴン大のヘッドコーチだったチップ・ ケリーも今やフィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチだ。 そして、同時期に戦ってきたラックやロッカーのライバル、アリゾナ大のQB、ニック・フォールズもUSCのマット・バークリーも、今、イーグルスに在籍しているのだからおもしろいし、わからない。話は飛んでしまったが、QBだけみてもこんな感じだから、他のポジションまでいれると書ききれない。いかにPAC12カンファレンスのレベルが高いかということだろ う。
 
 残念ながらジェイク・ロッカーはケガの影響で、この週も出場しないことがわかった。ラックとロッカーの対決は見れないのは残念だが、仕方ない。タイタンズのQBは八ッセルベック。ハッセルベックは以前見たかなと思いつつ、LPフィールドを歩く。
イメージ 7
  LPフィールドはナッシュビルダウンタウンの西、川を渡った対岸にあるのか、思いっきり郊外にあるスタジアムではないのに、敷地も広く感じた。客層は実に様々だった。意外とコルツのジャージを着ている人も多く見かけたのに驚いた。今回は奮発して、下の方のチケットを買ったのだが、それでも120ドルもしなかったのだから、さすが田舎である。タイタンズが強くないチームだからかもしれないが。
イメージ 2
  この試合を見て、あらためてラックがいかにもっている人間かということに驚かされた。ラックという名前はほんとにだてじゃない。常にタイタンズの優勢で進められた試合。ラックの調子は決して良くなかったと思う。相手ディフェンスの奮起もあったのか、パスがなかなか決まらない。コルツのディフェンスも良く、タイタンズの攻撃を最小の失点で防いでいたのだが、第2クォーター終盤のハッセルベックにTDパスを許してしまい、10-3とリードを許してしまう。しかし、ラックは前年、2勝しかできなかったチームを、豊富な戦力では決してない中でいくつかの逆転劇で、ルーキーながらここまで3勝3敗と勝率5割をおさめてきた。この試合もそんな場面がみられるかと当然期待する。
イメージ 3
  第2クォーター終了間際、サックを受けファンブルするも味方がリカバーして切り抜け、約20ヤードのパスを3回通して、フィールドゴール圏内に迫った。しかし、ヴィナティエリのフィールドゴールは無残にもブロックされてしまう。今日はダメかという嫌なムードとなるのだが、この時にブロックされたボールをタイタンズのBabineauxがリカバーし、何と42ヤードもリターンされてしまい、あわやという場面で、第2クォーターが終了して助かったことを思えば、やはりコルツには運があったのかもしれない。
 
 後半になってラックは奮起し、ショートパスを通し、フィールドゴールで10-6に迫るが、次の攻撃でブラウンのランで稼いだものの、次のラックのパスはエンドゾーンインターセプトされてしまう。この時こそ、今日はダメかと思ってしまった。勢いに乗ったタイタンズはハッセルベックがショートパスを次々と通し、フィールドゴールで13-6と突き放す。後から思えばここでフィールドゴールにおさえたことが幸運であった。
イメージ 6
  第4クォーター残り10分、コルツはラックのショートパスとブラウンのランをノーハドルだったり、かと思えばめいっぱい時間を使いながら、7分のドライブをかけ、最後はカーターのランでついに13-13の同点に追いつく。この日のタイタンズRB、クリス・ジョンソンはトータル99ヤード走ったものも、爆発的な走りがみられることはなく、試合はオーバータイムへと突入することになった。この日の展開からして、まさかオーバータイムまでいくとは思わなかったから、驚きであった。
イメージ 4
  オーバータイムの攻撃権は先にコルツがとった。コルツは最初にブラウンの19ヤードのランが決まり、ここで一転してブラウンのランばかり仕掛けてくる。満を持したところで、ラックのレジー・ウエィンへの20ヤードのパスが通り、敵陣16ヤードまで迫る。ここで自分の隣の観客のトークの話題にも出てくるのだが、現在NFLではオーバータイムでフィールドゴールを決めただけでは勝てない(昔はそこで試合終了だった)。もう一度相手に攻撃権が移り、その結果を待たなくてはいけないのだ。ラックはここで、ヴィック・バラードにショートパスを投げ、バラードは一気にエンドゾーン目指して駆け上がる。タイタンズディフェンスがタックルをして、バラードをサイドラインから押し出そうとして、バラードは最後にダイブを試みた。結果はタッチダウンが認められ、コルツが19-13の逆転勝利となった。
イメージ 8
  スタジアムの観客たちは、何が起こったのかわからず呆然とした状態だった。スクリーンにリプレイが映し出される。バラードはエンドゾーンにダイブしようとしたが、タックルをうけて、体があおむけの状態になってしまうも、エンドゾーンに届かせようとボールを持った両手を前へと伸ばす、そして倒れこんだバラードのヘルメットがエンドゾーンのポールにしっかり当っていた。まぎれもないタッチダウンである。。タッチダウンが決まれば、オーバータイムでもそこで試合終了。リプレイを見て、タイタンズファンの観客もバラードの技ありのダイブを讃えて帰って行った。タイタンズファンにしてみれば、いつの間にか負けてしまったというような感じである。まさにラックがもっていると知らされた瞬間であった。この瞬間が見れて良かったと思わせる試合だった。
イメージ 5
  それからもラックは粘りと逆転の演出で知られることになる。そしてパガーノヘッドコーチの病いとその復帰という劇的な状況も味方して、なんと1年目からプレイオフまで導くことになってしまった。実際、肩が決して強くないと言われながらも、チームの新人獲得パスヤード記録も塗り替えたし、いかにラックがもっている男だということかが、完全に証明されたわけだ。残念ながら、新人王はRGⅢにとられてしまったが。ラックは2年目ももっていることを証明できるか、今季はOLなどが補強されてもいるので、今から楽しみである。
 
 なんだろう。せっかくの旅行記もこんな時期にアップしてたら意味がないね。ほとんど忘れてしまってることもあるし、何でもっとちゃんとできないのかなと情けなくなる。