2020/01/04 University of Maryland Terrapins vs. Indiana University Hoosiers @ Xfinity Center (NCAA Basketball①)

明けて1月4日、この日は先述したようにワシントン・ウィザーズは、デンバーナゲッツとホームでの連戦を控えているのだが、あくまでも夜なので、それまでに別の予定を入れていた。それはメリーランド大学に行くことであった。この日はNCAA大学バスケットのメリーランド大学対インディアナ大学の試合があり、そのチケットを買っていて見に行くつもりだった。
 
これまで私はインディアナ大学には少なからぬ思い入れがあり、昨シーズンもバスケットボールのゲームを見に行った時の記述をしているのにもさかのぼれるかと思う。今シーズンは、この休みのスケジュールでは、残念ながらインディアナ大学バスケットボールチームはロードに出ており、インディアナ州に行くことはかなわなかったが、それがたまたま今回メリーランド大学とのロードの試合日にぶつかったので、これは行かないわけにはいかないだろうと考えたわけなのだ。
 
インディアナ大学は言わずと知れたバスケットボールの名門校。その愛称はフージャーズ(これはバスケに限らずインディアナ大学のスポーツチームは、みなこの愛称である)という。そりゃデューク大学ノースカロライナ大学にはかなわないが、数多くの名選手を輩出している。インディアナは、ノースカロライナと同じくバスケットボールが盛んな地で(他に何もウリがないというのもあるが)、ファンもとにかく熱い。
 
私はまだ幼かりし頃、初めてNBAを見てファンになり追いかけるようになったのが、バッド・ボーイズと呼ばれたデトロイト・ピストンズであり、そのチームを率いていたのがアイザイア・トーマス(現役で活躍しているプレイヤーとは、同姓同名ではあるが全くの別人で血縁関係もないので、お間違えなく)。彼はシカゴ出身なのだが、インディアナ大学で3年間プレイし優勝を経験して、ドラフト全体2位でピストンズに指名された。そんな彼の大学までさかのぼって調べるようになると、インディアナ大学がボブ・ナイトという名将に率いられて名を馳せたチームで、過去5回優勝したチャンピオンになっており、数々の選手をプロに送り込んでいることがわかると、おもしろくなってきたのだ。
 
NBAを見ていると、毎年ドラフトでルーキーが入って来て、主にその大学とともに紹介される。すると、彼と彼はチームメイトだったとか、何度も名勝負を繰り広げた間柄なのかとわかるようになると、いつの間にか現在の大学バスケットまで見るようになった。大学時代のプレイを見た選手たちを、その後プロでも見て活躍するのを見ることほど楽しいものはない。
 
インディアナ大学は1987年以降優勝してはいないが、それでもNCAAトーナメントに出場している常連の強豪校であることには違いない(ここ3シーズンは出場を逃しているが)。今、NBAにいる主な現役選手は、エリック・ゴードン(ヒューストン・ロケッツ)、ヴィクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)、コーディー・ゼラー(シャーロット・ホーネッツ)、OG・アヌノビー(トロントラプターズ)、トーマス・ブライアント(ワシントン・ウィザーズ)などなど。
 
昨シーズンは、インディアナ大学のホームアリーナでゲームを見た。当時1年生のロメオ・ラングフォードが活躍していたが、彼は1年ですぐにNBAドラフトにアーリーエントリーして、ボストン・セルティックスに1巡目14番目で指名される。同じく去年までプレイしていたジュワン・モーガンという選手は、4年間大学に通い、NBAドラフトには指名されなかったが、現在ユタ・ジャズと契約しプレイをしている。高校時代から注目された有名選手が多いから、大学はプロ選手養成の場で、実力を示せればすぐにプロに行こうとする選手が多い中、インディアナ大学はちゃんと大学に通って人間を形成しようと思う者もまだいるところである。かつて名門デューク大学にも4年間いなければプロに行かせないみたいな不文律もあったようだが、そんなものは跡形もなくなってしまった。だから私は、いくら優秀な人間が多くても、大学が腰掛けとしてしか存在していないケンタッキー大学が大嫌いである。
 
今シーズンのインディアナ・フージャーズであるが、昨年も話題にしたが、大型ルーキーのトレイス・ジャクソン・デイビスが入り、すでに1年目からスターターとして活躍しているということで、彼を見ないわけにはいかないと思ったわけである。身長2m6cm、111kg、2000年2月生まれの20歳。背番号4。得点力はもちろん、リバウンドも取れるし、長い腕を生かしたブロックも得意。しかも、地元のインディアナ州出身で、高校時代から活躍し、全米の高校生から24人しか選ばれないマクドナルド・オールアメリカンゲームに選出、さらに毎年1人しか選ばれないインディアナ州ミスターバスケットボールにもなった。ちなみにその1年前にマクドナルド・オールアメリカンに選ばれ、インディアナ・ミスター・バスケットボールに選出されたのが、ロメオ・ラングフォードだった。つまり同じグレードの人間が連続してインディアナ大学に入学したことになる。

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トレイス・ジャクソン・デイビスの映像を見た時は、これはまだ背も伸びるだろうし、ヤニス・アデトクンポみたいになるんじゃないのと思ったものだ。実は名前だけでは気づかない方もいるだろうが、彼の父親は、デイル・デイビス。かつてNBAインディアナペイサーズの黄金時代を築いたパワー・フォワード。ゴール下でリバウンドを取りまくり、得点を稼ぎ、ペイサーズ唯一の2000年のファイナル進出に貢献したメンバーである。なんとその2000年に、トレイス・ジャクソン・デイビスは、インディアナで生まれているのである。

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ただ、彼は父親のデイル・デイビスとはちゃんと暮らしてはいなかったらしく、そのため継父の姓を足して、ジャクソン・デイビスというややこしい名前を名乗っているわけだ。父親にきちんとバスケットボールの技術や心得を習っていないだろうにもかかわらず、これだけの実力を発揮しているのだから、その才能は相当なものと思っていいだろう。これは彼を見ておかなければならないと考えるのもわかるであろう
 
もちろんメリーランド大学にも興味を持っていた。1856年設立というから結構古い大学で、ワシントンDCに近いこともあり、アカデミックな評価もトップクラスのようだ。スポーツで言えば、アメリカンフットボールでもバスケットでも名選手を輩出しており、ミシガン大学インディアナ大学ら北中部の大学で形成されるビッグ・テン・カンファレンスに2015年に再編されて加入したので、インディアナ大学とは毎年必ず対戦カードが組まれるのだ。
 
メリーランド大学のバスケットボールチームは、最近というか、それが唯一なのであるが2002年シーズンに全米優勝している。その時に在籍していたメンバーは、フアン・ディクソン(ガード、ワシントン・ウィザーズなど)、ティーヴ・ブレイク(ガード、ポートランドトレイルブレイザーズなど)クリス・ウィルコックス(フォワード、シアトル・スーパーソニックスなど)など。OBで何といっても一番有名な選手は、1999年にヒューストン・ロケッツに指名され、大活躍することになるスティーブ・フランシスであろう。もう少しさかのぼれば、マイケル・ジョーダンに匹敵する選手と言われ。1986年のドラフト全体2位で指名されながらNBAで1試合もプレイすることなく亡くなってしまったレン・バイアスもいる。

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現役のNBA選手では、アレックス・レン(センター、サクラメント・キングス)、ジェイク・レイマンフォワード、ミネソタ・ティンバーウルヴス)、ケヴィン・ハーター(ガード、アトランタ・ホークス)などのような選手がいる。スーパースターではないが、仕事はきっちりこなす的な人物というところだろうか。だが、私の中でメリーランド大学の印象を強烈に残すことになった人物は、まるでウソのような名前のダイヤモンド・ストーンというセンターの選手だった。ちょうど私がインディアナ大学の動向を追っていた時のトーマス・ブライアントと同じ年齢で、2015年に対戦した時のメリーランドのセンターが彼だった。高校時代に大活躍し鳴り物入りで入学した超高校級選手で、脅威ではあったが、結局対戦はトーマス・ブライアントが退けてインディアナ大学に軍配が上がったのだったが、その名前がインパクトがありすぎて、本名ならすごいなとおぼえていたのだ。

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ダイヤモンド・ストーンは結局1年しか大学には行かず、アーリーエントリーを宣言、チームはその年、NCAAトーナメント16強でカンザス大に敗退した(インディアナもこの年は16強まで進んだが、ノースカロライナ大に敗れる)。最初からスターターとして起用されるも、シーズン平均12.5点、5,4リバウンド、1.5ブロックと決してものすごい数字を残したわけでもなかったので、それが響いたのか、ドラフト2巡目、40番目のピックでニューオリンズペリカンズに指名され、その日のうちにロサンゼルス・クリッパーズにトレードされた。ウィキペディアによると、彼はクリッパーズでは24分しかプレイせず、当時の下部のDリーグへ。その後、アトランタホークスやシカゴ・ブルズと契約したりするが、NBAでプレイすることなく、いまだ下部のGリーグでチームを代えながらくすぶっている感じである。だから、人の運命はわからない。同じ年齢のインディアナ大学のトーマス・ブライアントも1年からスターターとして活躍したが、彼は2年間大学でプレイした後NBAに入り、今季ケガで離脱もしたが、移籍したワシントン・ウィザーズでスターターになったのとは対照的だ。高校時代の評価は、はるかにダイヤモンド・ストーンの方が上だった。もう1年大学にいて活躍していたらまた違う現在になっていたかもしれないが、彼には彼なりの事情があったのだろう。超高校級の選手が必ず成功するとは限らないという見本になってしまったかのようだ。

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ずいぶん話が逸れたが、メリーランド大学である。ワシントンDCの近郊には、バスケットの名門と言える大学がいくつかある。最も有名なのは、ジョージタウン大学であろう。言わずと知れたパトリック・ユーイングやアロンゾ・モーニング、アレン・アイバーソンの母校である。郊外ではあるが、すぐ近くなので、できれば行ってみたかったが、自分のスケジュールではちょうど試合がなかった。なので、メリーランド大学に行くことにした。ワシントンDCのダウンタウンから車で30分くらいで行ける距離でこちらも結構近い。市内から地下鉄がここまで通っているのだが、大学構内を散策したいという思いもあって、車で行くことにした。この大学のきちんとしているところは、学校のオフィシャルホームページで、パーキングパスを販売していて、簡単に買うことができて、しかも安いということだ。ならば車で行くしかないだろう。
 
メリーランド大学のある街はカレッジパークと呼ばれ、その名の通り、何もなかったところに作られた大学街ということなのだろう。この日は雨から雪が降り始めたり、運転にはとにかく視界が悪かった。アメリカの郊外は基本何もないただの森が続く場所が多く、ようやく開けた場所は結構な田舎で、ほんとにこんな所に大学があるのと思ったくらい。2時間前に着くように出たはずであるが、とにかく車の窓がすぐ曇るので、エアコンを調整したり、窓開けたりしてもなかなか改善されず、ドライブインに止まってどうすればいいのと悩んでいる中で、大学に着いても駐車場の場所がわからず、ぐるぐる回る中で、ようやく見つけ車をとめて降りると、もうすでに試合開始まで1時間ちょっとしかなくて、大学を散策するどころか、すぐにアリーナに向かうしかなかった。
 
駐車場は、フットボールのスタジアム、キャピタル・ワン・フィールドに隣接しているパーキングだけのビルであった。まあ、しかしアメリカの大学は広い、そこからバスケットボールアリーナのXfinityセンターに行くまでも遠い遠い。途中で川渡ったりするし。これは帰る道を覚えておかないとえらい目に遭うぞと思い、行路も写真に撮っておく。Xfinityセンターは、現在の場所にあった前アリーナが建て替えられる形で、2002年にオープンしたアリーナで割と新しめと言っていいだろう。2014年まではコムキャスト・センターと言っていて、同じIT系通信会社の名前が変わっただけである。窮屈しなくて広くとても見やすいアリーナである。

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 この日のチケットは、チケット販売交換サイトStubhubで買った。オフィシャルのホームページでもチケットは買えるようになっているのだが、インディアナ大学戦はやはり人気カードなのか、すでに買えないようになっていた。自分が買ったのは数か月前だったが、Stubhubでも相当な高値になっていたのだが、背に腹は変えられない。2階席みたいな上から見てもおもしろくないので、期間を置いて安くなっているところがないかチェックしていたが、やはり1階席のセンターブロックでは200ドル近くになってしまった。

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メリーランド大学のスポーツチームの愛称は、テラピンズ(Terrapins)という。Terpsと略されることが多いのだが。テラピンとはキスイガメのことで、この地域に生息する動物ということのようだ。確かにこの辺の森にはたくさんいそうだ。なので、マスコットも亀になっている。スポーツチームには強さを象徴する動物の愛称がよく使われるので、スピードもなく特別強いわけでもないカメが使われているのは、かなり珍しい。このキスイガメも特別、どう猛な動物かというと全然そんなことはなく、かつては食用にもなっていたらしく、何でという疑問しかない。
 

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テラピンズはチームカラーに、黒、金、赤、白と4色もの色が使われているのも珍しい。これはメリーランド州の州旗に使われている色ということだがかつてはテラピンズは黒と金の2色しか使っていなかったが、フットボールチームがスタンフォード大学からコーチを招聘し、そのコーチがスタンフォードのカラーである赤と白もユニフォームに使うようになり、結局、4色が使われるようになったという逸話がある。
 
さらにここに来て知った事実は、メリーランド大学のスポーツチームは、おそらく全てアンダーアーマーを採用していることだ。そう、NBAではゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーが契約しており、日本ではなぜか読売巨人軍が採用しているあのメーカーである(設立は1996年)。 それは、アンダーアーマー創始者である、ケビン・プランクという人物が、この大学の卒業生でフットボール選手だったということに由来するアスリート時代の経験から、汗でむれるコットンシャツに代わる素材を作れないかと研究したのが始まりなのであった。ナイキがオレゴン大学で生まれたのに対し、アンダーアーマーメリーランド大学。これだけでも、この大学には色々なストーリーがあることが実感できるというものである。

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インディアナ大学のバスケットチームの試合を見たいがために訪れようとしたメリーランド大学であったが、色々調べると様々な興味深いことが浮かんでくるのであった。これまでの私の記述から想像すれば、インディアナ大学の方が強いチームだろうと思うかもしれないが、前評判から言えば、圧倒的にメリーランド大学の方が高くて勝利を期待されていた。この日の時点でメリーランド大学は、全米ランキング15位であり、インディアナ大学は圏外だ。
 
それはメリーランド大学に、あるスーパースターがいることが大きく、実際、試合を見て、その選手に大いに驚かされることになる。名前はジェイレン・スミス、背番号25。2m8cm、102kg、2000年3月生まれのパワーフォワード/センターで、今年2年生。フラットトップな髪形になぜかゴーグルを付けていて(いつから付けているのかわからないが)、それが彼のトレードマークになっている。いわゆるセンターやパワーフォワードに見られる屈強な体つきの選手とはちょっと違い、脚などはむしろ細い、のだがとにかくスピードが速い、そしてボールにからむ場所に必ずいれる嗅覚がある。そんな彼こそ、地元メリーランド出身のこれまた超高校級の選手なのであった。2018年のマクドナルド・オール・アメリカンに選ばれ、メリーランド州のプレイヤー・オブ・ザ・イヤーに2年連続で選ばれる。全米の高校生ベスト25に入る5つ星級の高校生。大学では、チャンピオンにもなったビラノバ大学やヴァージニア大学からも勧誘があったが、彼は常勝校ではなかったが地元のメリーランド大学を選んだようだ。 

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先述したインディアナ大学のトレイス・ジャクソン・デイビスは同じ年齢だが、ジェイレン・スミスは1年早く大学に入っている。実はジャクソン・デイビスは、5つ星までの評価ではなかった。そのことを考えると、彼らの違いはどんなものなのかと知りたくなる。実際、その凄さは、1年大学に入ったのが違うだけで、こんなに変わるものかという驚くべきものであった。それでは試合を見て行こう。
 

2020/01/03 Washington Wizards vs. Portland Trail Blazers @ Capital One Arena (NBA Basketball) ②

2020年の正月明けの休みに訪れたワシントンDC。この日はキャピタル・ワン・アリーナでNBAバスケットボール、ワシントン・ウィザーズポートランド・トレイルブレイザーズの試合が行われる。ケガをして以来、治療に専念していた八村塁は、この日久しぶりにホームコートに姿を見せた。それだけでも日本人としては興奮するものであったが、彼が試合に出ていればという残念さは否定できない。

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そんなこんなで試合が始まった。この日2Way契約選手だがウィザーズのスターターとして起用されたフォワードのジョナサン・ウィリアムズのシュートで先制(彼はゴンザガ大学で八村のチームメイトだったようだ)、その後、ブレイザーズのガード、CJ・マッカラム、ウィザーズのガード、アイザイア・トーマス、ブレイザーズのセンター、ハッサン・ホワイトサイドがそれぞれ得点を決め、4-4となった試合開始1分半に大事件が起きた。

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ウィザーズのガード、アイザイア・トーマスが3ポイントラインの外側で、ブレイザーズのガード、デイミアン・リラードとフォワード、カーメロ・アンソニーに捕まり、外へ押し出されるような形になった時に、審判を押しのけたとされて、テクニカルファウルを取られ、そのまま一発退場になってしまったのだ。自分の席から見えるところではアイザイア・トーマスの背中しか見れず、死角になっていて、その場では何が起こったのか、全くわからなかった。場内は騒然となり、トーマスは抗議するが、結局ビデオレビューが行われた後でも、退場のコールは覆らず。

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ただでさえ人数が少ないのに、さらに人が減ってしまって、ロスターが11人になってしまうという愚行。スターターとしてアピールできるチャンスだったのに、わずか1分半で全てをフイにする男。結局、ウィザーズでの彼はそんな感じで、オールスター前には放出されてしまった。しかし、この直後、彼の代わりに入ったポイントガードのイシュ・スミスがなかなかの活躍を見せて、その後の数試合も盛り上げることになるのだから、世の中何が起こるか本当にわからないもんだ。


ポートランドは、ホワイトサイドカーメロ・アンソニーのリバウンドとディフェンス面の貢献が大きい。ワシントンは、相手エースのリラードとマッカラムの3ポイントシュートにやられないようにするためにはそこに力を割けない、仕方のない面があるのだが、対抗できる術がない。そんな中、トーマスの代わりに入ったイシュ・スミスの素晴らしい動きが光り、キックアウトにアシストと3ポイントで、11-11の同点に追いつく。この前のマイアミ・ヒートとの試合での活躍もそうだが、ウィザーズはトーマスではなく、イシュ・スミスこそきちんと重用すべきだった。

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しかし、ブレイザーズは、ホワイトサイドとCJマッカラムが得点を決めて、15-11と引き離す。ウィザーズはたまらずタイムアウトを取るが、その後もカーメロ・アンソニーの独特のフェイドアウェイシュート、切り込んでのレイアップが決まり、19-11と突き放す。ウィザーズはアウトサイドから活路を見出そうとするが、なかなか決まらない。結局、ここでも3ポイントにレイアップと巻き返しの起点になったのは、イシュ・スミスだった。フォワードのジョーダン・マクレーの得点と合わせて19-18まで追い上げる。しかし、ブレイザーズは焦らない。リラードの得点に、またもカーメロ・アンソニーだ。ダンクは阻まれたものの、レイアップを悠々と決めて23-18に。

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ここでタイムアウトが取られ、双方それぞれセカンドユニットが登場、得点を取り合う展開となり27-22に。第1クォーター残り1分半、ここでも光ったのは、イシュ・スミスだった。ディフェンスリバウンドを取った後、そのままドライブしてレイアップ。次のプレイでもディフェンスリバウンドを取り、トップの位置で2way契約選手のギャリソン・マシューズに渡し、そのまま3ポイントを撃たせて27-27の同点に。

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ブレイザーズは、CJマッカラムがずっと出ずっぱりではあるが、シュートが決まらないし、スリーポイントも撃てていない。ウィザーズは、ジョーダン・マクレーがファウルをもらいフリースローを2本とも決めて、ついに27-29と逆転。残り30秒を切って、最後のプレイ。イシュ・スミスは、キックアウトでジョーダン・マクレーに3ポイントを撃たせるが決まらず、だがゴール下にいたラトビアのビッグマン、アンジェス・パセチニクスがリバウンドをプットバックを決めて27-31。まさかのウィザーズリードで第1クォーターが終了。ホワイトサイドがコートにいるのといないのとでは、ウィザーズの動きはこうも違うのかという印象。


第2クォーターもほぼ引き続きのセカンドユニットで始まる。注目すべきは、開始1分20秒で、CJマッカラムがこの日初めての3ポイントを決めたことだろう、32-33の1点差となった。しかし、そのすぐ後で、ギャリソン・マシューズの3ポイントシュートに対して、ファウルをしてしまい、4点を与えてしまう結果に、32-37。やっぱり本調子ではないようだ。その後、かつてはオーランド・マジックの中心選手だったマリオ・ヘゾニヤが、ファウルをもらいながらレイアップを沈め、3点プレイで35-37、さらにその後にはスピンムーブからのショットで37-37で、ブレイザーズは同点とする。


それぞれが得点を入れ、残り8分となり、ブレイザーズは、デイミアン・リラードが戻り、いきなり切り込んで41-39と逆転。この後ファウルを取られ、フリースローで同点に追いつかれるが、ブレイザーズはケント・ベイズモアがスリーを決めて44-41と再びリード。ウィザーズはタイムアウトを取るが、明けて双方のディフェンスの攻防が続く。ウィザーズはセンター、イアン・マイーミのレイアップとジョーダン・マクレーのジャンプショット、ブレイザーズフリースローをもらった得点のみで、47-45となって、残り5分半。


ここでウィザーズのギャリソン・マシューズが、また3ポイントを決めて47-48と逆転。3ポイント3本中3本成功と完全にこの日のラッキーボーイとなった。しかし、ブレイザーズはデイミアン・リラードがお返しの3ポイント成功で50-48と再逆転し譲らない。お互いフリースローの得点を加えて52-50となり、残り4分半を切ったところで、またしてもギャリソン・マシューズが4本目の3ポイントを決め52-53と再逆転。ブレイザーズは、カーメロ・アンソニーフリースロー1本を決めて53-53の同点。残り3分半、再びギャリソン・マシューズがスリーを放つが、ここはブロックされて失敗、タイムアウト

 

タイムアウトになると、毎度のことだが自分の席はウィザーズのベンチのすぐ近くなので、選手たちが集まってくる。これだけでももうけもんではある。とは言っても声までは聞こえないのだが。八村やビール、トーマス・ブライアントなど、怪我で出られないメンバーもちゃんと集まって参加している感じがほほえましい。

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タイムアウト明け。ウィザーズのヘッドコーチのスコット・ブルックスが、テクニカルファウルを取られ、フリースロー献上。その後、すぐにリラードがジャンプショットを決め、次のプレイではレイアップは外すが、ホワイトサイドがこぼれ玉を拾って得点を重ね、さらにファウルでフリースローももらう。やはりホワイトサイドがいる時は、ウィザーズは沈黙するばかり。59-53と、すぐに6点差に広がってしまう、バスケットはこわい。

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ウィザーズは、またもジョーダン・マクレーの3ポイントがブロックされるが、イシュ・スミスのパスをコーナーで受けたゲーリー・ペイトン2世が、3ポイントをフェイクした後、すぐにドライブで切り込んでダンクシュートを決め、59-55に。しかし、ブレイザーズは中へ走り込んだリラードにカーメロ・アンソニーがパスを入れ、リラードがダンクをお返しし、すぐに61-55と引き離す。

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双方がフリースローを1本ずつ決めて62-56となり、残り40秒を切ったところで、カーメロ・アンソニーがボールも持つと、じわじわとペイントエリアに侵入、シュートを決めて64-56に。ウィザーズは、イシュ・スミスがすぐに切り込んでレイアップで返し64-58。すると、またもカーメロ・アンソニーがミドルのジャンプショットを決めて66-58と突き放す。イシュ・スミスは、最後に3ポイントを放つも外れて、前半終了。人数が少ない中、健闘を続けるウィザーズに、5連敗中と調子が悪い中、ブレイザーズはしっかり応戦しているという印象だった。

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後半開始、リラードは最初から3ポイントを撃ってくるが決まらず。やはり調子は決して良くない。かといってウィザーズに付け入る隙があるかといえばないのだ。CJマッカラムにフリースローを与えて68-58と10点差。イシュ・スミスは1人頑張るが、ショットは決まらない。しかし、CJマッカラムもスリーを外す。そんな中、ウィザーズはトロイ・ブラウンJr.とジョナサン・ウィリアムズが積極的にフローターを連続で決め、さらにイシュ・スミスの外したシュートのリバウンドをジョナサン・ウィリアムズが拾って、68-64と追い上げるが、すぐさまポートランドはCJマッカラムがジャンプショットで返し、70-64に。

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以降、お互いディフェンスが踏ん張り、隙を作らない時間帯が続く。双方3ポイントシュートが決まらない中で、残り7分45秒、ついにCJマッカラムのスリーが決まり、73-64となってタイムアウト。しかし、その後もウィザーズはオープンでも3ポイントを決められない。逆にブレイザーズは、ホワイトサイドがリバウンドからのプットバックを決めて75-64と11点差に、さらに中に切り込んだリラードから渡されたボールをシュートをして、77-64と13点差にまで広げる。しかし、ここでのホワイトサイドのふるまいがテクニカルファウルを取られ、ウィザーズはフリースローを1本もらって77-65としたが、全くかなわない。イシュ・スミスは、何とか活路を見出そうとするが、連係がかみ合わない。その後、リラードにフリースローを与えてしまって、79-65と14点差になってしまう。

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残り5分半、ここで飛び出したのが、またもギャリソン・マシューズの3ポイントで、79-68と追い上げる。すると、ここからまた得点の入らないディフェンスの攻防が続く。ホワイトサイドを中心としたブレイザーズの守りは強固だが、ウィザーズも負けてはいない。スティールにブロックとハッスルプレイが続く。


残り3分半、そんな流れを変えたのはリラードだった。ドライブからのレイアップで81-68に。さらにファウルをもらいフリースロー2本を追加、83-68の15点差に。ウィザーズは、ジョーダン・マクレーフリースローをもらって83-70と2点返すのが精一杯。すると、今度はCJマッカラムがジャンプショットを決めて85-70と突き放す。さらにマリオ・ヘゾニヤもフリースローを1本入れて86-70に。

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残り2分を切って、ウィザーズはまたもこの男、ジョーダン・マクレーがドライブでペイントに入りレイアップを撃つが、外したリバウンドをそのまま取って放り込み2点を返し、86-72。しかし、ブレイザーズはCJマッカラムがすかさずフローターで返し、88-72。双方フリースローを1本ずつ追加し、89-73となった後、残り40秒、ジョーダン・マクレーがペイントエリアでジャンプショットを決め、89-75に、さらに残り8秒でトップから3ポイントを沈め、89-78と11点差まで追い上げた。しかし、ブレイザーズの2年目のガード、アンファニー・サイモンズにドライブで切り込まれて91-78の13点差となる。サイモンズは、ポートランドの期待のガードというが、この日の見せ場はこれくらいだったね。マクレーは、最後に3ポイントを放つが外れて、第3クォーター終了。


第4クォーター、ジョーダン・マクレーは好調をそのまま維持し、すぐにトップからの3ポイントを沈めて91-81の10点差まで戻す。他の人間はなかなかシュートが決まらないが、ギャリソン・マシューズが難しいフローターを決めて91-83と8点差に。しかし、ブレイザーズはすぐさまヘゾニヤがダンクショットを押し込んで93-83と押し戻す。すると、負けじとマクレーもダンクショットを叩きこんで93-85に。


やはり最終クォーターで輝くのがエースなのか。ブレイザーズのCJマッカラムは、トップでボールを持つと、ドライブしながらフローターを撃つ、そのショットは外れるが、飛び込んだウィザーズのディフェンスはリバウンドを取れず、そのままボールはスッとCJの手に戻って来た、それを入れ込んで、再び95-85の10点差。ウィザーズはラトビア人のセンター、アンジェス・パセチニクスが、ペイントでもらったボールを入れ込んで、95-87となって、ポートランドタイムアウト

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双方2点ずつ加えた後、残り8分を切ったところで、今度はリラードがレイアップを沈めて99-89に。ウィザーズは1本フリースローを加えるが、さらにリラードはドライブからのフックショットで101-90と突き放したところで、ワシントンがタイムアウトを取る。タイムアウト後、ウィザーズはパス回しを続ける中で、やはり好調のジョーダン・マクレーがまたまた3ポイントを決めて、101-93に。すると、ブレイザーズは次のプレイで、CJマッカラムの外したシュートをカーメロ・アンソニーがプットバックダンクで押し込んで、103-93に。すると、ウィザーズはもうこの人しかいない。ジョーダン・マクレーがまたも3ポイントを押し込んで103-96の7点差に。

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ここで頼りになるのはやはりエースのリラード。相手ディフェンスを引き付けた上でのフェイドアウェイを決めて、105-96に。さらにその後のプレイでは待ちかねたようにディープスリーを決めて、108-96と突き放す。ウィザーズは決め手を欠き、双方フリースローでの得点を追加する中で110-97となり、残り4分半を切ったところで、リラードはダブルチームでマークされる中、コーナーにいたカーメロ・アンソニーにパスを渡し、キャッチ&シュートで放った3ポイントはリングに当たり、うまいこと上にはねた後でゴールに吸い込まれた。これで113-97と再び16点差のゲームになった。

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またもゲームは膠着状態となり、ウィザーズはタイムアウトを取って出直すも、点が入らない。ビッグマンのイアン・マヒンミはフリースローをもらうも、2本とも外してしまう。残り3分を切ったところでは、リラードにフリースローを与えてしまい、115-97とさらに離されてしまう格好に。トロイ・ブラウンJr.がレイアップを沈めるが、もう焼け石に水の115-99。さらに、またリラードにフリースローを与えてしまい、117-99とこの日最大の18点差に。


ウィザーズはついにこの日好調だったマクレーをベンチに下げた。残り2分でイシュ・スミスがフローターを決めるが、もうどう見ても遅い117-101。ホワイトサイドは最後まで好調で、ジャンプショットを2本とフリースロー1本を決めた。ウィザーズは、アイザック・ボンガのリバウンドのプットバックショットだけ。最終スコアは122-103で試合終了。ポートランドは連敗脱出したが、ワシントンの未来は暗い。ここで同じチームの試合を、まだ数ゲーム見るのかと思うと、憂鬱になってきた。しかし、ウィザーズはここから奇跡というべきゲームを戦っていくことになるとは、この時は思いもしなかった。

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スコアは、ブレイザーズが、デイミアン・リラードが35得点、CJマッカラムが24点、6アシスト。ハッサン・ホワイトサイドが、23点、21リバウンド、5ブロック。カーメロ・アンソニーが16点、6リバウンド、2スティール。やはり驚くべきはホワイトサイドであろう。そして、なんとスターター全員が30分以上プレイしていた。

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ウィザーズは、ジョーダン・マクレーが35得点、5リバウンド、4アシスト、3ポイントは9本中7本成功である。ギャリソン・マシューズが18得点(3ポイントが7本中5本成功)。イシュ・スミスが16得点、5アシスト。3人ともスターターでない選手というところがおもしろい。スターターで特筆すべきは、トロイ・ブラウンJr.が10点、7リバウンド、ジョナサン・ウィリアムズが8得点、8リバウンドくらいか。まさにチーム再編成の途上。誰が活躍するかもわからない状況である。しかし、NBAでプレイするくらいの選手は、ちょっとのきっかけがあれば大躍進することが可能なくらいの実力は持っているんだということを再認識させてくれた。

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チームで比較すると、ポートランドフィールドゴール成功率が51.1%とかなり高い(ワシントンは42.1%)。だが3ポイントは、25本中6本、24%しか決められていない。リラードとCJに得意の3ポイントを決めさせなかったのはよかったが、普通にフィールドゴールを入れられてしまったら、意味がない。一方、ウィザーズもマクレーとマシューズは3ポイントを決めていたが、チーム全体の成功率は33.3%で、他の選手が外しすぎていた。リバウンドは、ポートランドが30本(うちオフェンスリバウンド11本)、ワシントンは27本(うちオフェンスリバウンド14本)と、ワシントンが意外にもリバウンドが取れていたかのような数字だが、ホワイトサイドがコートにいる時といない時の数字がまるで違う。怪我人がいなければと違うかもしれないいうのはあるが、そこがどうしようもないのであれば、やはり勝星は増えていかないだろう。

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キャピタル・ワン・アリーナのショップは、八村が試合に出なくなって、グッズの入荷を減らしているのか、売り切れのものまで出ていた。いくつかあるものは買ったが、このまま在庫補充がないとなると日本人ファンとしては悲しいところだ。ウィザーズはこのまま明日も、デンバー・ナゲッツを迎えての連戦である。できるなら5連敗中のポートランドには勝てるものなら勝っておきたかったところだが、仕方ない。着いた初日に見た試合としては、個人的にはおもしろかったが、それだけに明日からが不安。初日でさすがに眠いので、すぐにホテルに帰って寝ることに。

 

やはり、今まで現地で見た試合は、ハイライト映像と自分の撮った写真とスタッツのデータでしか振り返ることができなかったが、NBA楽天の試合のフル映像でもう一度見返すことができれば、その当時見えなかったものも見えてきて、実におもしろいと感じたのであった。望むべくは、現地で試合を見たすぐ直後に、この作業ができればなと思ったのである。なんとか海外にいる時も、見れるようにできないもんですかね?

 

2020/01/03 Washington Wizards vs. Portland Trail Blazers @ Capital One Arena (NBA Basketball) ①

2019年はこれまでで初めてなのだが、翌2020年の正月明けに休みを取った。実はある計画があったからだ。それはワシントンDCに行くことだった。ワシントンと言えば、NBAウィザーズの八村塁である。もちろん彼の試合を見に行くことが目的の1つではあるが、ただそんなことだけのために計画はしない。

 
すでに夏頃から交渉を続けていたのだが、ワシントン・ウィザーズのシーズンチケットを購入することを考えていたのだ。八村が入団したこともあり、日本人も押し寄せるはずだと確信した私は、ここでシーズンチケットを購入すれば、自分が行けるのは数試合だとしても、必ずそのチケットは売れるはずだと思った。シーズンチケットが買えれば、ホームの42試合分のチケット(プレイオフに出られればそのチケットも)が手に入る。もちろん買うからには、アリーナ1階席センターブロックで、10列目以内の良席を狙う。計算してみると、1ゲーム100ドル以下で購入することができるのだ。しかし、何度か担当者とメールをやりとりして交渉をしたのだが、結局、シーズンチケットは、ワシントンDCかメリーランド州ヴァージニア州の在住証明がなければ買えない原則は変えられないと言われて断念することに。その代わりと言ってはなんだが、パーシャルプランという5ゲーム、10ゲーム単位で、チケットを買うプランを勧められた。
 
シーズンチケットに比べると、明らかに1枚分のレートは高くて、1ゲームにすると200ドル近くになってしまう。これでは普通に旅行に行って観るのと変わらない。他の都市でも人気のカードはもう少し高くなるが、もっと安いゲームのチケットもいくつもある。ただ、10ゲーム購入すると、1ゲームはタダで付けてくれるというので、パーシャルプランで11ゲームのチケットを購入することにした。先ほども言ったように自分が行けない試合のチケットだって、確実に売れるだろうと思っていたからだ。
 
八村が加入したと言っても、元々ウィザーズは決して強いチームではないので、用心をして、できるならシーズン始まって序盤の、レイオフの当落がまだ見えない時期の方がいいだろうと考えた。八村効果で日本人も多数訪れるにちがいない。ただ、八村が加わっても、ウィザーズがそんな急に勝てるわけはないだろう。これまでプレイオフにすら出られないシーズンの方がはるかに多かったのだから。後半戦になって、負けがこんでくれば試合に行く人間も少なくなるし、チケットは売れなくなるだろう。
 
ウィザーズのチケット担当者は、普通のNBAのゲームであれば、かなり高価になるど真ん中のセクションの特等席を選んでくれた。中には最前A列のチケットもあった。これならば、自分が行けない日のチケットでも売れるだろうし、損をすることはないと思った。しかし、まだこの時、私はワシントン・ウィザーズのファンを甘くみていたのだ。ウィザーズは負けが先行する弱いチームのイメージがあるが、全くプレイオフに出られないチームというわけではない。直近では2017-18シーズンには出ているのだけど、1回戦を勝てたことはないし、とにかく勝てるビジョンが見えないチームなのだ。エースのジョン・ウォールは必ず定期的にケガをする。ファンはウィザーズにそもそも期待していないし、レギュラーシーズンのゲームなんてそもそも見に行かないのだ。
 
とにかくこんなにチケットが売れないものかと愕然とすることになった。自分が行けないであろうとあきらめた日程のチケットを売り出したのだが、全くもって売れないのだ。他の都市では、普通にゲームを見ようと思えば、確実に買う特等席とも言えるチケットなのだが。チケットマスターのサイトはわかりやすくて、大体これくらいの値段で売れているとかもおしえてくれるので、そんなに高い値段を付けているわけじゃない。ましてやペアでしか買えないように設定しているわけでもないし、1人でもちょっと行ってみようかと思う人間はたくさんいるものだと思っていた。しかし、これが売れないのだ。
 
ワシントン・ウィザーズのホームゲーム、キャピタル・ワン・アリーナの試合映像を見ていると、かなりの空席が目に付くと思う。これはチケットが売れていないわけではない。ほぼすべての席はシーズンチケットや自分のようなパーシャルプランの購入者の買った席ですでに売れているものなのだ。でも、シーズンチケットのホルダーたちは、よっぽどの試合でなければ自分では見に行かず、チケットを常に売り出している。そこには結構ないい席も驚くほど安く売っていたりするので、そんな席と競合されれば、なかなか自分の持っているチケットが売れることなんてないというわけだ。もちろん二束三文みたいな値段にすれば、売れはするだろうが、そこまでして売ることにさすがに意味はない。ワシントンのファンにとっては、ウィザーズは日常的にあえて見に行くチームではない。それを証拠に、チャンピオンになったNHLアイスホッケーのワシントン・キャピタルズのホームゲームは空席なんてほとんど見られなかった。キャピタルズは昨シーズンも優勝候補だったし、今シーズンも調子がいいからね。思えば、アリーナ前にもダフ屋らしき人物をほとんど見かけなかったんだよね。いずれにしても自分のチケットはeチケットなので、紙に出力して売ることはできなかったのだが。
 
そんな中、ちょうど私がワシントンDCに行く直前に、さらに追い打ちをかける事態が起こる。なんと期待の日本人ルーキー、八村塁がケガで離脱することになったのだ。それまでNBA楽天でゲームの中継映像を見ると、日本人らしき観客もチラホラ見かけたりしていたので希望はあったのだが、一気に見通しは暗くなった。八村は一時はすぐに戻ってくるだろうと言われていたが、結局20ゲーム以上出ないことになり、自分の渡航日には復帰しないことが確実となった。これでは日本人すらも、だいぶ前から予定を入れてチケットを買っている人間じゃなきゃ、あえてワシントンDCに行かないだろう。本当にロクなもんじゃなかった。私は、このウィザーズのチケット購入で、自分史上最大の損失を被ってしまうことになった。
 
自分が購入したのは、あくまでも自分が調整して行けるかなと考えた日程で、11/20のサンアントニオ・スパーズ戦からだった。前述した通り、購入したチケットのサイトからそのままそのチケットを金額を決めて売りに出せる便利なサイトではあるのだが、なんせチケットが売れないので、NBAが開幕してうれしい反面、どんどん青ざめていく感触を味わう。 直前まで価格を調整して売り出してみるが、芳しい結果にならず、損失は増えるばかり。 せめて八村みたいな日本人選手があと1人でもいてくれたらだいぶ違うんだろうが仕方ない。こんなにケガ人ばかり出てるんだから、意外と知られていないが、ワシントンDCの中心部にあるジョージ・ワシントン大学に4年間も通っていたほぼ地元の選手である渡邊雄太と契約すればいいのにさ。メンフィス・グリズリーズだとなかなか上に上げてもらえないのに。残念至極である。
 
ワシントンDCは、これまで自分は何度か乗り換えや通り過ぎたりしたことはあるのだが、実際に泊まって観光するのは初めてなのであった。日本から直行便のある都市なのだが、あまり観光客が行っているという印象はない。昼前発の便で現地時間の午前中に着くという飛行機。正月休み中であるので、事前座席指定もできなかったので、満席なのかと思いきや、自分の隣の席は空いていたりして、他にもちらほら空席が。そして、この飛行機はなぜかスター・ウォーズ仕様であったのだが、これは映画の宣伝なのか、何なのか、映画の告知があるわけでもなくて、よくわからない。CAのエプロンがそれ仕様で、さらに座席の枕カバーだったり、ドリンクのナプキンもスター・ウォーズデザインになっていたりして、記念のカードはもらったのだが、だからって何??? 機内の映画でも、最新作は無理だとしても、旧作すら見られなかったんだけど、何のためのスター・ウォーズ? しかもBB-8 JETだったので、いまいちつまんなかったんだな。R2D2がよかったよ。まあ飛行機のデザインは、中に乗っている人間にとっては、何の意味もないので。
 
ワシントンには、ニューヨークみたいに国際空港が3つあって、自分が利用したのはダレス空港で、一番町から遠くにあって一番デカイ空港だ。ダレスは元国務長官のジョン・フォスター・ダレスに由来している。入国審査のところには、Welcome to Virginiaと書かれていた。そう、ここはワシントンDCではなくて、ヴァージニア州なのだ。外国から来る人間にとっては、何だかな~という感じである。内装デザインにしても田舎の空港感が丸出しなんだ。
 
日本からの便なので、日本人も多くいて、NBAの試合を見に行こうとしている話をしている者も、入管待ちの前の列にはいた。残念だね、八村が出れなくなってさ。しかし、入国審査の待ちが長い。ニューヨークみたいな感覚を気取っているのかもしれないが、どうにもずれているんだよな、ワシントンDC。
 
空港を出たのは11時前くらいだった。ワシントンには地下鉄も通っていて、街のはずれまで大体のところには行けるようにつながっているのだが(でもこのダレス空港までは通っていないらしい)、いつものごとくレンタカーを借りることにした。去年と同じく、GPSが借りれて、ハーツよりも安いアラモレンタカーを予約していた。ダレス空港のレンタカーカウンターは、空港からもだいぶ離れていて、シャトルバスでだいぶ乗ったなという印象。
 
今回、レンタカーで驚いたのは、この記号のところに車があるよと案内されて行った場所で、どの車だよ?と思って聞いたら、「ここにあるどの車でも好きなやつを選んでいい」と言われたことだ。もちろんみんな同じ価格クラスの車ではあるのだが、これまではずっと営業所で勝手に指定されていただけに、これはうれしいシステムだなと思った。これが、アメリカのどこでも適用されるようになったのか、ワシントンだけなのかは、今回ここでしか車を借りていないのでわからなかったが。とはいいながら、結局、何台かある中で、自分が選んだのは、一番よく乗っている日産VERSAの赤だったというところが情けない。後でナンバープレートを見るとフロリダ州の車で、この車、大丈夫なのかと思ったが、アクセルやブレーキの感覚など何も心配することはなく、快適だった。今回、ワシントンならではの話だが「トールフリーパスはいるか」と言われて、申し込んでしまったのだが(もちろん有料)、東海岸地域ではいくつかの州境がまたがっている部分に多い有料道路を、現金を払わずにそのまま通り抜けられるという日本のETCカードみたいなものであった。うーん、今回そんなに遠くまでは行かない予定だったので、無駄な出費であった。しかも、結果、一度たりとも有料道路を通らなかったし。最悪だ。

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ワシントンDCのダウンタウンまでは1時間もかからないで着く予定で、見事にその通りだった。道も混むこともなく、この辺はニューヨークとちがって本当にうれしい。今回、泊まるホテルは初めての、PODという新興のホテルチェーンにした。ここは普通にエクスペディアなどのネットで取れるホテルでは、NBAバスケットの行われる会場、キャピタル・ワン・アリーナから一番近い所だった。何といってもワンブロック先であった。スタジアムやアリーナの駐車場はイベント料金で高いので、できるなら歩いて行ける場所にしようと自分の中で決めているからである。英語でPODというとカプセルホテルみたいな意味になるようだが、実際は日本のようなカプセルホテルではなくて(発想自体はそこからきているのかもしれないが)、アメリカ人が本物のカプセルホテルに自国内で好き好んで泊まるわけはないので。ただほんとに小さいこじんまりしたホテルであるが、かなり清潔でおしゃれなところだった。このPODのチェーンは東海岸にしかないようだが、逆に東海岸だからこそ、こういう小さいホテルでも十分というもので、西海岸ではこれでは商売は難しいだろうと思うほどだ。このPODの発想は、欧米人によるものなのか、アジア系なのか、いずれにしても日本のホテルを知っている人間によるものだなと思った。ホテルにはアーリーチェックインの予約を入れていたので、無事に入れたのだが、問題は駐車場だった。

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ホテルから事前に送られたメールの中に駐車場の案内があった。予想はしていたが、ホテルの敷地内に駐車場はない。1ブロック先にある駐車場を紹介されていたので、そこのパーキングパスをオンラインで申し込もうとするが、なかなか進まない。予約できていないのは明白だった。このメールは出発の数日前に届いており、その時に作業を進めていればよかったのだが、結局、出発当日になって、スマホからアクセスしたのだが、全然予約ができないのだ。自分は1人での移動なので、ホテル前に車を一時停車して聞きに行くわけにもいかず(結構車の通行量が多い通りなので)、示されたパーキングビルに先に車を入れるしかないと思った。自動のゲートで開くパーキングだったので、チケットを受け取って入る。この1回分はムダになるんだろうなと思いながら、ホテルにチェックインして、駐車場について聞くが、学生のバイトのような担当者はよくわからない様子。結局、パーキングは別経営で、パスはネットでしか買えないようで、部屋に入って、PCを接続してパーキングのサイトにアクセスすると、すんなり購入できることに気付く。やはり携帯からでは無理だったというだけのようだった。
 
さっきのチケットで入った分は時間制だったりするので、1日止めてしまうと50ドル以上になってしまうので、一度精算した方がいい。なんせパーキングパスであれば、1日止めても30ドルもしないのだ。購入したパーキングパスをフロントでプリントアウトしてもらって、1回車を出して、そのQRコードを駐車場で読み込ませようとするが、なかなか読んでくれない。どういうことだよと思いながら、なんとか係の人に通話して開けてもらう。後でわかったことだが、携帯画面のQRコードをまんまかざせば、そのまま読んでくれるのであった。このように最初に入った約20ドルの駐車場代のようなムダな出費がとにかくかかるのが、旅のさだめなのである。
 
車を止め直して、部屋に戻る。ホテルのすぐ隣の場所にドラッグストアのwalgreensがあったので日用品の買い物をして小腹を満たし、試合開始にはまだまだ時間があるので、アリーナ近辺を散策してみることに。ワシントンDCは計画的に作られた街だから、道も広々として、狭苦しい印象はない。キャピタル・ワン・アリーナは、NBAワシントン・ウィザーズ、NHLアイスホッケーのワシントン・キャピタルズWNBAのワシントン・ミスティックスの本拠地である。建物の周りには、有名選手のバナーが掲げられており、もちろん八村選手のもある。だが、ワシントンと言えば、やはり2018年に優勝したNHLアイスホッケーのキャピタルズの街である。一番いい場所にエースである、ロシアの天才アレックス・オベチキンのバナーが掲げられている。キャピタルズはかつて1998年にファイナル進出したものの、以降は低迷。2004年にオベチキンが加入したが、なかなかそれだけでは浮上しなかったものの、2016年からディビジョン首位が指定席の強豪チームに。そして2018年にチーム初の優勝を成し遂げたのだ。2019年のシーズンはディビジョン首位を獲ったものの、レイオフのファーストラウンドで敗退、それでも2020シーズンも優勝候補であることには変わりがない。キャピタル・ワン・アリーナは、かつてMCIセンターという名前であり、ヴェリゾン・センターだった場所。私としてはそちらの方がなじみ深かったのであるが、キャピタル・ワンというまた金融系、銀行の名前の入ったアリーナになってしまった。

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ワシントンDCの路上でよく見かけたのは電動スクーター。他の都市で見たシェアバイク(自転車)はほとんどない。なんせ道も広くてちょうど使い勝手が良いのだろう。でも地元の人間は、そうそう乗るわけではなく、あくまで観光客用という感じ。ここワシントンDCで圧倒的シェアを誇っているのが、地元の企業らしいSkipというメーカー。水色の車体だ。昨年、インディアナポリスで見たBIRDやLIMEも見かけはするが、特にLIMEは数が少ない。電動スクーターなので、実際に乗るには法律的にヘルメットが必要なのだが、今年はせっかくだから乗ってみようと思っている。
 
話を戻してウィザーズである。3日のこの日の対戦相手は、ポートランドトレイルブレイザーズ戦であった。昨年はカンファレンス・ファイナルまで進み、ゴールデンステート・ウォリアーズに敗れるものの、エースのデイミアン・リラードとCJ・マッカラムのバックコートコンビが強烈な印象を残したチーム。今シーズンはさらにマイアミ・ヒートで活躍したセンターのハッサン・ホワイトサイドロサンゼルス・レイカーズなどで優勝を経験したトレバー・アリーザが加わり、なんとニューヨーク・ニックスで活躍したカーメロ・アンソニーが電撃復帰した。昨シーズン以上の成績が期待されるも、今シーズンはこれまで14勝21敗とウエスタン・カンファレンス9位と借金生活。この日まで5連敗中と決して順調ではない。 

 

一方のウィザーズはここまで10勝23敗、イースタンカンファレンス12位とさらに分が悪い。ポイントガードのジョン・ウォールがずっと怪我で出ていないのはお約束みたいなものだが、八村塁をはじめ、復帰したはずのエースのブラッドリー・ビールもこの日は欠場、さらにラトヴィア人の3ポイントの名手、ダーヴィス・ベルターンズ、インディアナ大出身のセンターのトーマス・ブライアント、ミシガン大出身のドイツ人のモリッツ・ワグナー、ガードのC.J.マイルズと次から次へとケガで離脱、そもそもロスターは大丈夫なのかと心配されるほどの状態。なんせビッグマンに怪我人続出なので、リバウンドが取れず、相手にセカンドチャンス得点を許してしまうことが特に多いウィザーズの現状である。

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ブレイザーズがデイミアン・リラード、CJ・マッカラムの両エースが健在で、センターのホワイトサイドカーメロ・アンソニー、ケント・ベイズモアというスターターに対して、ウィザーズは、ガードにアイザイア・トーマス、ゲイリー・ペイトン2世、フォワードにトロイ・ブラウンJr.、ジョナサン・ウィリアムズ、センターはイアン・マヒンミというどこかのチームのセカンドユニットよりもさびしいんじゃないかという、この間まで2Way契約だったような選手が入るスターター。これはもう勝利はないだろうと確信してしまうほどのメンツだ。特にアイザイア・トーマスはかつてのセルティックス時代の輝きはとうに失せていて、体型も太ったようで、ここ最近のウィザーズの試合を見ていて、全然フィットしていないなと思っていた。ただでさえディフェンスが得意ではない選手で、とにかくリバウンドが取れないディフェンスが穴のウィザーズでどうなるんやと思っていたが、ここに来て怪我人続出する中で、スターターとして起用されると来たもんだ。見通しは暗いね。
 
この日のチケットは、ちょうどウィザーズベンチ側のすぐ上のセクションのD列だった。D列というと前から4列目ということなのだが、それはあくまでスタンドの4列目ということで、NBAのコートにはさらにアリーナのフロアにもっとチケットの高いセレブや関係者たちが座る特別席の列が5列分くらいあり(ここの席は高低差がないのだが)、実質的には10列目くらいの場所ということになる。それでもかなり近くて見やすい場所には違いない。それでも周りに空席は目立ち、試合直前になっても一向に埋まる気配はないのだ。

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これまでは自分がアメリカで生観戦した試合は、NBA.COMのハイライト映像で見るくらいしかできなかったのだが、今シーズンからNBA楽天に入ったので、後で試合の映像を全て見返すことができるようになった。するとカメラが一番引いた画像では、ちゃんと自分が映っているのを確認することができた。それくらいの位置といえばわかりやすいだろうか。なんかあらためて映像を見ると変な感じである。つまり、選手のベンチ側を撮るカメラで映り込むくらい、言わばそれくらいの価値の席であるはずなのだが、ここの席にしてもサイトで売ろうとしたとしても、おそらくなかなか売れなかったであろう。しかし、このNBA楽天だが、問題は、アメリカにいる間は一切見れないということだ。日本で契約しているからといっても、きちんと料金は払っているのに、アメリカにいると見れないというのは、どこか割り切れない思いがある。これはNBA楽天に限らず、HuluやNetflixのサブスクでも同様である。せめて登録している1台のPCからだけなら見れるみたいなシステムにはしてもらえないものなのか。アメリカにいる時は、テレビ番組は正直見るものがないから、いつもESPNやMTVをつけているだけになっているんだよね。 

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ちょうどここに見える範囲に自分の姿を確認できる

私は試合の1時間半前にはアリーナに着いていて、全体を周って観察していた。決してそんなに大きくはないアリーナである。1997年からこの場所にあるようだが、何度も改装しているようで、古さは感じない。今回の旅行では、このアリーナにあと3回は来る予定になっているので、気になった店の食事をチェックしといて、飽きないように満喫しなければならない。アリーナ内には、他のアリーナと同じく、ワシントン・ウィザーズのチームの過去のユニフォームなどが展示されている。かつてシカゴにありパッカーズという名前だったチームは、ボルチモアに移ってブレッツという名前になり、ワシントンDCに移転する。ブレッツ(弾丸)という名前が物騒だからというので、ウィザーズ(魔法使い)に変わったのだが、そもそもこの名前が全く威厳がないよね、勝てる気がしない。NBAの歴史の中でもなかなかに紆余曲折のあるチームであるが、それでも1977-78シーズンにエルヴィン・ヘイズ、ウェス・アンセルドを擁して一度優勝しているのだから、大したものだ。いまだ優勝すらできていないチームもまだ数多くあるからね。

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アリーナのショップには八村塁関連のグッズは揃っているが、彼が出場していなければ、もうあまり意味はない。やはり日本人らしき客はちらほら見かけるが、目立つほどではない。むしろ、ここワシントンで驚いたのは、やはりニューヨークに近いからか、カーメロ・アンソニーニューヨーク・ニックス時代のジャージを着たファンをよく見かけたことだ。日本のファンからすれば、ニックス時代に怪我もあってチームから見限られただけの選手かと思いがちだが、ニューヨークのファンからすれば、今も地元出身のスーパースターで、シラキュース大学出身だし、今も圧倒的な人気を誇っているのだなと実感。
 
試合が始まるまでの間に、この日一番大きな収穫があった。これまで負傷してから、治療に専念していたのか、チームの試合に帯同していなかった八村塁が、この日、初めてホームコートに姿を見せたのである。黒のジャケット姿で、後でわかったが、自分の名前の「八」の字のネックレスをしていたということだった。これが彼らしいのかどうかわからないが、特にファンに向かって手を振るなどの仕草はなかった。私の席の近くには日本人らしきファンはいなかったが、それでも白人の親子で、八村のジャージを着ていて、鉢巻をしている親子の熱狂的なファンもいたのだが、特に大きな歓声を上げるわけでもなく、そんなもんなのかという感じだった。とにかくこの日のチケットが、ウィザーズベンチのすぐ近くでよかったというものだ。それだけでも価値があったというものだ。まだ自分にも運があるかもしれないと思った。ちなみにセンターのトーマス・ブライアントも一緒で、八村は特にガードのイシュ・スミスとウイングのアイザック・ボンガとよく会話をしていたね。 

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日本人としてはこれだけでも興奮するものであったが、彼が試合に出ていればもっと良かったのにとは切に思う。そんなこんなで試合が始まった。ウィザーズは、スターターだが2Way契約の選手、ジョナサン・ウィリアムズのシュートで先制し(彼はゴンザガ大学で八村のチームメイトだったようだ)、ブレイザーズのCJ・マッカラム、ウィザーズのアイザイア・トーマス、ブレイザーズホワイトサイドがそれぞれ得点を決め、4-4となった試合開始1分半に、大事件は起きた。

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2018/11/20 Indiana University Hoosiers vs. UTA Mavericks @ Assembly Hall (NCAA Basketball②)

 以前も記したが、同じバスケットでも大学のNCAAと、 NBAは少しルールが違う。 最も大きいのはNBAは12分の4クォーター制だが、 NCAAは前半と後半の20分ずつだということ。 その他にもショットクロックNBAが24秒で、NCAAは30秒。3ポイントラインの距離も短かったりして、 NCAAのバスケは、ペースが遅く、入る得点もかなり少ないのだ。 試合が始まった。インディアナはもちろんロメオ・ ラングフォード(背番号0)は先発。 現在のチームのエースはフォワードのジュワン・モーガン(背番号13)という4年生で、 ほぼ毎試合スコアリングリーダーとなって、 チームを引っ張っている。4年間戦っているので、 インディアナの選手の歴代ランキングにも名前を連ねるほどだ。 こういう選手がいるからこそ、頼もしい。 かつてはこういう選手こそがプロに行っていたはずだが、 残念だが今はプロに行く人間は早々と大学を去り、 学年を経て残る人間はプロに行けない人間かのように思われてしま っているのは、悲しいことだ。
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 この日も最初からジュワン・モーガンが仕掛けたがシュートは失敗、さらにディフェンスでファウルをもらってしまった。最初の得点は、インディアナの2年生ガード、アルジャミ・ダーハムのファストブレイクによる得点だった。しかしいきなり彼は負傷してしまった感じ。何とか大丈夫なようで、ファウルをもらったフリースローで3点(後でわかったことだが、ここで負傷退場選手を出してしまうと、インディアナは相当の痛手だったのだ)。その後、ジュワン・モーガンはディフェンスでブロックをしたかと思うと、オフェンスでも積極的にリバウンドも取り、その流れで得点も決めた。さらにロメオ・ラングフォードもリバウンドが取れるプレイヤーだとわかる、相手のテキサス大アーリントンが小さい選手が多いということもあるが。しかし、最初の3ポイントシュートは失敗。インディアナは、2年生フォワード、ジャスティン・スミスがレイアップを決め、1年生ガード、ロブ・ファイニーズがジャンプショットで得点。テキサス大アーリントン校は、3ポイントを1本決めただけ、9-3となったところでタイムアウト
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 さらにインディアナフリースローなどで確実に得点をあげていく。開始4分過ぎに、この日初めてのロメオ・ラングフォードの得点が入る。フリースローももらって3点。さらに、ここからジュワン・モーガンが躍動し、連続得点を決める。開始10分になろうとする時、ロメオの2点とアルジャミ・ダーハムの3点シュートで、24-14の10点差に(結局ダーハムの負傷はきびしかったようで、後半は出場しなかった)。前半残り7分で、ロメオがこの日初のダンクを決めた。テキサス大アーリントンは何とか点差を縮めようと奮闘するが、点差は離れることはない。残り4分を切って、またジュワン・モーガンがブロックを決めて、リバウンドから速攻で得点。32-20と差を広げる。残り2分となって、今度はロメオ・ラングフォードが連続得点。常にマークをされている中、スピードで振り切って得点を取り、さらにファウルももらうのがうまい。
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 39-22で前半終了。インディアナは、最初のシュートが外れた後のセカンドポイントが11点。相手のミスに乗じた速攻の得点、ファストブレイクポイントが25点と、攻守で圧倒。アーリントンは、アウトサイドからの攻撃を仕掛けるチームなのだが、そのシュートが入らないからどうしようもない。
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 ハーフタイムになって、ロビーにあるインディアナ大学のメモリアル展示を見に行く。トロフィーがあるのはもちろんだが、銅像もいくつかあって、アイザイア・トーマスのものも。アイザイア・トーマスはシカゴ育ちで、大学からインディアナに進んだのだが、そんなことはもう関係ない。ただ、ユニフォームやシューズの類の展示はないようだった。おもしろいのは、インディアナ大学出身の名選手をクリックして、当時の画像などを見れるシステムもあったこと。大学らしい学業でも優秀な成績を収めたアカデミックの名誉選手の表示もあったこと。なんとコディ・ゼラーは、2年に渡ってBIG TENカンファレンスとオールアメリカンのアカデミックでも表彰されている選手だった。どんだけ優秀なんだよ。ちなみにヴィクター・オラディポも、BIG TENカンファレンスのアカデミック表彰をされていた。彼もほんとに頭いいんだね。
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 後半になっても、インディアナ大学フージャーズの猛攻は続く。ジャスティン・スミス、ロメオ・ラングフォード、ジュワン・モーガンの得点で、46-26と点差は20点にまで広がった。もう楽勝なのかと思ったが、後半開始3分からテキサス大アーリントン校の反撃が始まる。4年生のエドリック・デニスが得意の3ポイントを連続でヒット。さらに3年生のブライアン・ウォーレンも3ポイントを決めて、49-37と12点差に。さらにアーリントンは3ポイントを撃ち続け、オフェンスリバウンドを取って押し込み、一気に49-39と10点差に。
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 インディアナはたまらずジュワン・モーガンやロメオ・ラングフォードが応戦するが、アーリントンは、3年生のセンター、ジャバリ・ナルシスが3ポイントを決め、アウトサイドを警戒される中で、3年生のラドシャド・デイビスがジャンプショットで2点追加。インディアナはロブ・ファイニーズが2点を返すが、今度はそのラドシャド・デイビスが3ポイントを決めて55-47と、ついに8点差に。ジュワン・モーガンがジャンプショットを決めて57-47と必死で突き放す中、アーリントンが3ポイントをミスしたところで、インディアナタイムアウト
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 後半は10分を過ぎ、インディアナはファウルをもらってフリースローで加点するが、まだ流れはアーリントンにあった。ブライアン・ウォーレンのジャンプショット、そしてエドリック・デニスの3ポイント、さらにレイアップ、すかさずブライアン・ウォーレンが3ポイントシュートを入れて、60-57とついに3点差に。この間、インディアナはショットは入らず、フリースローの加点のみで、そのフリースローもミスする始末。互いの攻防が続き、フリースローの点のみが追加される中で、デニス・エドリックがジャンプショットを決めて、ついに61-60の1点差に。まさかの展開に、観客もゲームに集中せざるを得ない状況に。まさか負けることはないよねという心配が会場を包む。
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 残り6分半、ここでインディアナに火が付いた。ジャスティン・スミスの連続得点、ジュワン・モーガンのレイアップが炸裂。アーリントンは、この間ブライアン・ウォーレンの2得点のみ。さらに1年生フォワード、ダメジ・アンダーソンの速攻の得点で69-62に。なんとこの間のプレイで、ロメオ・ラングフォードが頭突きを受ける感じで負傷。遠くからよく見えはしなかったが、鼻血を流してベンチを引き上げる事態に。場内は騒然となった。ロメオ・ラングフォードは試合中での初めての負傷みたいなことを場内で言っていた。深刻な状態ではないようだったが、結局この日、彼はこのまま出場しなかった。思えば、この中断がインディアナには功を奏したのかもしれない。アーリントンにとっては、将来を期待されるロメオ・ラングフォードを負傷させてしまったことで、動揺もあったかもしれない。

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 インディアナは、そこからダメジ・アンダーソンが3ポイントも決めて、72-62と再び10点差まで開いた。残り3分半、そこからは双方フリースローなどで加点するだけで、アーリントンの3ポイントは決まらず、もう劇的なことは起こらなかった。最後の得点は、ダメジ・アンダーソンのジャンプショットで、78-64で試合終了。
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 スタッツを見ると、インディアナはわずか7人しかゲームには出ていなかった。ジュワン・モーガンが23得点、10リバウンド、4アシスト、3ブロック、2スティール。ロメオ・ラングフォードは16点、8リバウンド、ブロックとスティールが1ずつあったが、ターンオーバーも4つ記録。ジャスティン・スミスは13得点、5リバウンドだったが、ターンオーバーが6つもあった。テキサス大アーリントン校は、エドリック・デニスが19点(うち3ポイント3つ)、ブライアン・ウォーレンが14得点(うち3ポイント3つ)、ラドシャド・デイビスが12得点6リバウンドといった具合だった。後でわかったことだが、ブライアン・ウォーレンインディアナポリス出身のようだ。180cmもないガードとなると、いかに高校生の時に優秀でもいい大学に行けないということだろうか。短大を経由して、彼はテキサス大アーリントン校に入った苦労人のようだ。
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 フィールドゴール%は、インディアナが54.5%(3ポイントは16.7%)、アーリントンは42.9%(3ポイントは27.6%)。リバウンドは、インディアナが33、アーリントンが25。アシストは、インディアナ17、アーリントンは7。スティールはインディアナが7、アーリントンが9。ターンオーバーは双方ともに18だった。インディアナが勝っているとはいえ、驚いたのは3ポイントの確率である。アーリントンは前半こそ、1/12の8.3%だったが、後半は7/17の41.18%という脅威の落差である。本当にバスケットボールというのは怖い。一つ間違えばどうにでも転がってしまうスポーツだということを思い知らされた。そして、インディアナの3ポイントのお粗末さ。このチームにはシューターがいないのか?と思っていたが、後で調べてみると負傷者が続出していたという事態を知ったのである。
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 結局インディアナ大学フージャーズは、今シーズン19勝16敗で、NCAAトーナメントにすら進めなかった。2018年中はまだ調子が良かったのだが、1月になってミシガン大学に敗れてから7連敗。2月最終週になってウィスコンシン大学に延長で勝って、ミシガン州立、イリノイ大などにも勝利、意地をみせるが、BIG TENトーナメントで、オハイオ州立大に負けてジ・エンド。今年のNCAAトーナメントで活躍したミシガン州立大には2連勝しているのに。よくわからない。ということで、ロメオ・ラングフォードは、明らかに評価を落としたであろう。かといって、来年も残ってくれるわけではないのが、きびしいところだ。本人にしてみれば、やっぱりケンタッキー大やルイビル大に行っていた方がもっとアピールできて良かったんじゃないのか。
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 しかしインディアナ大学フージャーズには、来シーズンも明るい話題ができた。ロメオ・ラングフォードが抜けるのは仕方ないが、また超高校生の新人が入団したのだ。トレイス・ジャクソン・デイビス。2m6cmのセンターだが、まだ身長は伸びるであろう。彼もマクドナルド・オール・アメリカンに選ばれ、インディアナ・ミスター・バスケットボールに選出された逸材である。そして、なんと彼はあのインディアナ・ペイサーズなどで活躍したパワー・フォワードの名選手、デイル・デイビスの息子なのであった。とはいいながら、彼は父親とはほとんど暮らしたことはない家庭であるらしい。それでもバスケットボールでこれだけ有名になるのだから、素質としてはものすごいものがあるのだろう。出身はインディアナポリス近郊のグリーンウッドという町だから、生粋のインディアナ育ちと言える。さらにシューティング・ガードにも、アーマーン・フランクリンというインディアナポリス出身の有望な高校生が入団した模様。彼らがどれだけ活躍し、そして、いつまでインディアナ大学に在籍してくれるのか、またここに来る楽しみができたよ。
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 アリーナからの帰りに、インディアナ大学の中にある、ジョン・メレンキャンプ・スポーツ・パビリオンの写真を撮る。彼が数億円の寄付をして作られた屋内のスポーツ練習場である。サッカーチームの練習などに使われているという話だったので、明るいうちに来て見学できるならと思っていたが、結局、外観の写真を撮るしかできなかった。数年ぶりのブルーミントン訪問は目ぼしいものはなかったかなと。
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 翌日11月21日(水)は帰国日。先述のように、朝8:30のインディアナポリス空港出発なので、7:30までにレンタカー返却を完了していないとまずいと考え、6時にホテルを出る。いやー、もう真っ暗だ、本当にこの時間で合っているのかも不安になる。車には、前日夜寒かったせいもあって、霜がびっしり貼りついている。レンタカーのトランクには霜取り用のブラシがあって、それでガラスを掃除する。これが本当に霜取り用ブラシなのか確信はないが、多分そうだろう。初めて使ったけど。ニューヨークじゃないから、道路もすいている。1時間もかからないかと思ったが、ずっと周囲に明かりも見えない暗闇のハイウェイを進み続けるだけ、7時になっても明るくならないから、気が滅入る。前も言ったが、インディアナ州東部標準時でニューヨークと同じ時間帯。そちらの方が行政的には便利なのだろうが、でも地理的には、1時間違う中部標準時を採用しているシカゴのあるイリノイ州と隣接しているのだから、本来ならこの時間帯であるべき土地なのだ。7時でもまだ真っ暗というのは、勘弁してほしい。ニューヨークならもう明るくなっているだろうが、こちらは6時でもおかしくない地域だ。レンタカーを返して、 7時半ころにようやく周りが明るくなってきた。 今回は飛行機には何の問題もなかった。一応、カナダから入ったので、再びカナダを経由して帰らなければならなかったが。カナダの入管でI-94Wのビザを返す。これは忘れてはいけないので記録。そのまま水曜日の夜に帰国、やっぱりバンクーバーは羽田便があるから便利だね。

2018/11/20 Indiana University Hoosiers vs. UTA Mavericks @ Assembly Hall (NCAA Basketball①)

 11月20日月曜日、この日もようやく初めての経験をする。インディアナ州の郊外、ブルーミントンに移動し、インディアナ大学でバスケットのゲームを観戦するのだ。インディアナ大学のアスレチックチームの愛称は、フージャーズ(Hoosiers、インディアナの人々の愛称であるらしい)という。競技が何であろうとインディアナ大学(ブルーミントン校)のチームは、みなフージャーズなのである。アメリカの大学はこういうところがいい。日本の大学だと競技によって、全然違うチーム名を名乗ったりしていると、本当に興ざめする。同じ学校なのに、何で統一しないんだと。

 これまでインディアナ大学ではフットボールのゲームは見たことがあるが、実はバスケットは初めてなのであった。インディアナ州といえばバスケットボール、そう言われるのも、インディアナ大学フージャーズが超名門であるがゆえの部分もある。NCAAトーナメント進出39回、うち優勝5回、中でも自分にとって身近なのは、1971年から2000年までチームを率いた名将ボビー・ナイトの元で育ち、後にデトロイト・ピストンズを優勝に導いたレジェンド、アイザイア・トーマスの出身校であるところだろう。トーマスは、1981年にNCAAトーナメントでフージャーズを優勝に導き、そのままNBAドラフトにエントリーした。ボビー・ナイトに率いられたフージャーズは、1987年にもNCAA優勝を果たし、90年代初頭には、カルバート・チェイニーとアラン・ヘンダーソンのエースを擁し、Big Tenカンファレンスの最右翼の強豪チームとなった。ナイトが退任した後はしばらく低迷をするが、近年はオール・アメリカンの高校生が必ず入学するようになり、また強豪ぶりを発揮しているのだ。

 そんな近年NBAに進んだインディアナ大の有名選手というと、エリック・ゴードン(2008年1巡目7位、現ヒューストン・ロケッツ)、ヴィクター・オラディポ(2013年1巡目2位、現インディアナ・ペイサーズ)、コディ・ゼラー(2013年1巡目4位、現シャーロット・ホーネッツ)、ノア・ボンリー(2014年1巡目9位、現ニューヨーク・ニックス)、ヨギ・フェレル(2016年ドラフト外、現サクラメント・キングス)、トロイ・ウィリアムス(2016年ドラフト外、現サクラメント・キングス)、O.G.アヌノビー(2017年1巡目23位、現トロント・ラプターズ)、トーマス・ブライアント(2017年2巡目42位、現ワシントン・ウィザーズ)と、デューク大学やケンタッキー大学などに比べると数は少ないが、驚きの名選手を輩出しているのだ。先日も記したように、ドラフト制度のため、彼らはなかなかインディアナやその近辺の州のチームに在籍することはないのだが、ペイサーズのゲームに彼らが対戦チームの一員としてやってきたとしても、いいプレイをしたりすると、インディアナのファンは惜しみない拍手を送るところが、素敵なところである。

 本当は彼らが大学でプレイしているところを、一度でも見に来たかった。しかし、私がいつも休みを取れるのは11月初め頃で、まだカレッジバスケのシーズンは始まったばかり。その時にはチームは州外のミニトーナメント形式のイベントに参加していたり、シーズン当初は練習試合として格下校との試合を組むことが多く、それほど見るべきいいカードが組まれなかったために、他の見たいゲームを優先してしまったこともある。この日のインディアナ・フージャーズの対戦相手は、テキサス大学アーリントン校(University of Texas at ArlingtonでUTAである。ユタ州ではない)マーヴェリックス。やはり練習試合的な格下校との試合であり、それほど面白いゲームになるとも思えなかったのであるが、それでも今回は見に来たかった理由があった。そこで初めて、インディアナ大学バスケチームの試合会場を訪れることにしたのである。

 というのも2018年シーズン、インディアナ・フージャーズに期待の新人が入ったからである。ロメオ・ラングフォード。インディアナ州ニュー・オルバニー出身、全米で最も評価が高かった高校生の1人で、マクドナルド・オールアメリカン、そして毎年1人しか選ばれないインディアナ州のミスターバスケットボールに選ばれた逸材である。6フィート6インチのシューティングガードなのだが、シュート力はもちろんスピードが速く、リバウンドも取れるし、パスも得意という欠点のない選手だ。しかし、彼は1年ですぐにNBAドラフトのエントリー表明を予告しているらしく、見るなら今しかないというところでもあった。これまでのインディアナ大学の有名選手は、大学で少なくとも2年や3年実力を試してからドラフトにエントリーするのが常であった。いくら超高校級の選手でも、名門大学で活躍できるとは限らないし、大学でプレイしてもう周りに敵がいないと見えたところで、プロに行くのが普通であった。ちなみにカルバート・チェイニーやヨギ・フェレルなどの選手は、インディアナ大学に4年通って卒業した。1年で辞めたのは、エリック・ゴードンくらいだ(O.G.アヌノビーは1年ではなかったが、ケガで目立った成績を残さないまま辞めちゃった)。アーリーエントリーする選手は、家庭が貧しくて、家族を楽にさせたいという理由があるなら仕方のないことだが、初めから1年しか大学に行かないというのはどうなのか、それをインディアナ大学の方も認めてしまうっていうのは…。すでに名門デューク大学ですらそのような形になってしまっている時代であるが、インディアナ大学には、ケンタッキー大学に代表される腰掛け大学にはなってほしくないという思いがあるのは、私だけではないだろう。ロメオ・ラングフォードはなぜインディアナ大学だったのか、よくわからない。本人は勉強が好きで、数学が得意だという話もあるようだが、だったらなぜ? ていうか、彼の地元、ニュー・アルバニーインディアナ州ではあるがもう州境、ケンタッキー州ルイビルのすぐ近くだったりする。家の近くというわけでもないなら、勧誘が来ていたケンタッキー大学やルイビル大学に行けばよかっただろうにとも思う。もう観客席には、ロメオ・ラングフォードに向けた愛の告白的なプラカード(名前がロメオだけに)を持参しているファンもいて、もう相当の人気なのであった。
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 その辺の話は置いておいて、泊まっていたインディアナポリスのセレブな部屋を午前中にチェックアウトし、ブルーミントンに向かう。部屋のカギはそのまま玄関に置いておくシステムだったので、結局、部屋のオーナーにはメールをするだけで、会うことはなかった、もうAirbnbのやりとりなんて、こんなものなのである。簡単だから、みんなもどんどん利用した方がいいよ。インディアナポリスからブルーミントンに向かう道は、確か前の2013年に来た時は、途中片道1車線しかない道があったり、池を横目に見た牧歌的な風景をゆるゆると進みような道であったはずなのだが、今回はできたばかりのフリーウェイが通っていて(とはいえまだ工事中のところも多く)、ずいぶん風景も変わったなと思った次第である。フリーウェイだから、どこかに止まって景色を見るということもしづらく、かといって途中ドライブインなんかあったりしないので、休憩もできない退屈な道のりになってしまった感じ。

 それでも何だかんだと1時間、お昼にはブルーミントンに着く。前にも記したがブルーミントンという街は、隣のイリノイ州にもあって、街としてはそちらの方が大きいはずなのだが、インディアナ州のブルーミントンはインディアナ大学の学生街なので、こちらの方がはるかに知名度はあるのである。ブルーミントンの街自体は、この前来た時とそれほど変わっていないようだった。この日はインディアナ大学に歩いて行ける距離にあるホテルのデイズ・インに宿泊。以前も泊まったところで何となく覚えがある。ブルーミントンでもAirbnbを探してみたのだが、割と大学の近くにいい宿泊場所がなく、ホテルにした。ブルーミントンは1泊しかしないつもりなので、その方が良かったかと思う。

 バスケットのゲームは夜7時からだったので、今回は前回できなかったインディアナ大学内を探索しようと思った。まあ、しかし大学構内は広いので、車で行くしかない。とりあえずブックストアを目指して行こうとするが、構内はナビの地図もいいかげんだ。おまけにパブリックパーキングを探すが、よくわからない。さらに構内で工事もしてたりして、移動が面倒だった。近くの駐車場につけてみるが、これがパブリックパーキングなのか、学校関係者専用なのか、表示もないし、料金もかかるのかどうかわからない。ゲートみたいなものはなかったから締め出されることはないだろうと思いながら、おそるおそる車を止めて探索する。驚いたのは、平日なのに学生どころか人の姿もほとんど見ないことだった。何なの? 今日は休日なの? よくわからないが、ある建物の地下フロアにあったブックストアをとりあえず見てみる。とはいえ、客らしき人も1,2人くらいしかおらず。すぐ近くにカフェテリアらしき場所があったが営業していないようで、ここも人がいない。何か拍子抜けした感じで、そのまま駐車場に戻る。車は問題なく出せたが、ここに止めてよかったのか、それも結局わからなかった。
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 それから大学の敷地を出て、カレッジモールというショッピングモールに行き、そこで今日と明日の飲料水などの買い物をして、ホテルの部屋に戻ることに。モールの中にパネラ・ブレッドがあったので、結局ここでお昼をとって、明日の朝飯も買って、帰る。やっぱりパネラが一番便利だわ。部屋に戻って、計画を練る。この前全部回れなかった、ジョン・メレンキャンプのゆかりの地巡り、近郊のベルモントナッシュビルシーモアなどの小さい町へ、ライブを見た今回の旅だからこそ再び行こうかと考えた。色々調べて、彼のレコーディング・スタジオ、ベルモント・モール・スタジオや自宅の場所も特定できたのだが、ここで昨日必死こいて仕事をしたツケが回ってきた。いつの間にか机に突っ伏して寝てしまっていて、気が付いた時は、もう夜18時を回っていたのだ。なんという不覚。せっかくブルーミントンに来たのに、ほぼ寝てしまっていただけだ。明日はもう帰国日。朝8時半インディアナポリス空港出発なので、とても早朝に車で回って観光している余裕などない。
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  それでもまだ19時前に起きられただけでも運が良かったのだろう、あわててインディアナ大学まで歩いて向かう。すでに周りは暗くなっていたので、大学内を探索する余裕もなかった。バスケットが行われる会場は、Simon Skjodt Assembly Hallという。1971年にオープンしたバスケットボールのアリーナで、インディアナ大学の名選手は皆ここでプレイしたというまさに殿堂である。Simon Skjodt というのは人の名前だが、バスケットボールの選手や関係者の名前ではない。このホールを2015年にリノベーションした時に多額の寄付を行った資産家の名前のようだ。インディアナ・ペイサーズのオーナーと関わりがあるらしい方のようだが、確認できず。
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 改装しただけあって、ホールの入口やロビーは結構新しい。今回の座席は、Stubhubで買った。先述したように、今日の対戦相手はテキサス大学アーリントン校、格下校とのゲームなので安く買えるだろうと思っていたが、なかなかいい席がなかった。もっと直前になればいい席を変えたのかもしれないが、数か月前だったので、そもそも売りに出されている数が少なく、しかも1枚で買えるのは、かなり上方の2階42列目の席しかなかった。バスケットアリーナらしくかなり急勾配のアリーナで、コートを見渡すと、かなり古いホールだということもわかってくる。大学のアリーナなので、個別のシートなどはなく、長い列一枚物のステンレスベンチである。かなり上の方なので、選手が小さい~。ロメオ・ラングフォードは、髪を金色(ライトブラウン)にしているので、よくわかった。しかし、もう試合も始まるというのに、自分の隣の席などは、なかなか埋まらない。そんなにチケットは売られていなかったのに、もっとギリギリで買えばよかったのか、別ルートでいい席を手に入れる方法はなかったのかと悔やむ。まあ、今日の試合は、インディアナが負けることはない練習試合のようなもので、シーズンチケットを買っている人間は、わざわざ来るまでのことでもないと思っているのだろうか。 
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 インディアナ大学フージャーズは、この日が今シーズン6試合目、これまでの成績は4勝1敗、シーズン序盤は練習試合のような試合が組まれることが多いのだが、この日の2日前には強豪アーカンソー大学の試合があって、72-73と1点差で惜敗していた。負け試合を引きずらずに、立て直しを図ることができるのかで、今シーズンの行方が見えるところでもある。後でわかったことなのだが、インディアナ大学は、シーズン始まってわずか2週間で、すでに5人のエース候補の奨学金プレーヤーをケガで欠いていたのであった。まさしく試練のシーズンであった。実は楽勝の試合だと思っていたこの日のゲームは、そのような事情をあらためて考えると、結構なおもしろい展開になったのであった。
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2018/11/19 Indiana Pacers vs. Utah Jazz @ Bankers Life Fieldhouse (NBA Basketball)②

 試合が始まった。ジャンプボールはユタ・ジャズが取ったが、インディアナ・ペイサーズはSFボヤン・ボグダノビッチ(背番号44)がスティールして、Cマイルズ・ターナー(背番号33)が最初の得点を入れる。すかさずジャズは、PGリッキー・ルビオ(背番号3)が切り込んですぐに返す。この日ジャズは、ルビオが絶好調だった。さらにボグダノビッチがレイアップを決めて4-2とするが、そこからゲームは膠着。お互いシュートミスが続く、ジャズの脅威の3ポインター、SFジョー・イングルス(背番号2)の調子も今日は良くないようだ。それでもイングルスのフィンガーロール、PFデリック・フェイヴァーズ(背番号15)のジャンプショットで4-6とジャスがリード。さらにボクダノビッチがインサイドへドライブした時にボールをはたかれて、そのまま速攻に転じられ、Cルディ・ゴベール(背番号27)のダンクで4-8に。しかし、ジャズも波に乗れるわけではなく、エース、SGドノヴァン・ミッチェル(背番号45)は全くいいところがない。ペイサーズは、ボグダノビッチとPGダレン・コリソン(背番号2)の得点で8-8の同点に。両チームともディフェンスは好調で、ミスショットからジャズは、ルビオのアリウープパスからゴベールがダンクして8-10に。ペイサーズは、ターナーフリースローをもらうが1本外して9-10となる。
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 再び1分ほど膠着状態が続き、お互いディフェンスが利いて、シュートが入らない。ペイサーズは、SFタイリーク・エヴァンス(背番号12)がインサイドへ切り込むがはじき返され、ボールを外のボグダノビッチに渡すと、合わせたスリーポイントが決まって、12-10と逆転する。さらにペイサーズはコリソンがスティールし、再びボグダノビッチが3ポイントを撃つ。これは外れるが、コリソンがリバウンドを取り、ラインの外に出る直前にボグダノビッチにパス。ボグダノビッチは周りを見回しながら、コーナーに入ったコリソンにパス、スリーポイントシュートが決まる。これで15-10。たまらずジャズはタイムアウトを取る。
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 ペイサーズはそこから3ポイントが決まり始まる。セカンドユニットになったジャズは、SGアレック・バークス(背番号10)がジャンプショットを決めて15-12と2点を返すが、ペイサーズは、なんとCマイルズ・ターナーが3ポイントを決めて18-12。なんとセンターのターナーも、3ポイントを撃つようになったのだ、これには驚いた。PFドマンタス・サボニス(背番号11)のフリースローで1点を加え19-12となった後は、インサイドのサボニスが、外のタイリーク・エヴァンスにボールを渡し、エヴァンスが3ポイントを決める。これで22-12と10点差に。残り3分を切って、再びサボニスがフリースローをもらい今度は2本決めて、24-12とダブルスコアに。ジャスは、SFロイス・オニール(背番号23)がレイアップを決めて24-14にするのが精一杯。さらにトップにいるサボニスが、後ろのPGコーリー・ジョセフに渡し、サボニスがディフェンスのスクリーンとなり、ジョセフが3ポイントを決めて、27-14。結論から言うと、これでこの試合の流れはもう決まっていたかもしれない。
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 残り約1分半、ペイサーズは、サボニスのフックシュートで29-14と15点差に。ジャズは、ようやくドノヴァン・ミッチェルのこの日初めてのシュートが決まり、29-16。さらにSFジェイ・クラウダ―(背番号99)の3ポイントが決まり、29-19と10点差まで追い上げるが、ペイサーズはコーリー・ジョセフ(背番号6)のジャンプシュート(31-19)、ルーキーPG、アーロン・ホリディ(背番号3)のフリースローを加えて、32-19で第1クォーターが終了。割と接戦を期待していただけに、随分拍子抜けした感じである。
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 第2クォーター開始早々、サボニスが3ポイントを決めて35-19。ペイサーズの選手はみんな3ポイントを撃つのだからおもしろい。さらにアーロン・ホリディ、PFサディウス・ヤング(背番号21)のシュートで39-19と20点差に。ジャズはクラウダ―が3ポイントを返して39-22とするが、またもヤングがレイアップを決め、ジャズはフリースローで2点を返し、41-24に。ペイサーズは、SFダグ・マクダーモット(背番号20)がダンクを決めて、43-24と突き放す。この人は大学時代得点王にもなった選手だが、クレイトン大学という地味な大学出身で、卒業するまでプロにならなかったこともあり、なかなか評価されない人だ。
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 残り9分を切ったところで、ジャズでこの日、一人気を吐いているPGリッキー・ルビオが逆襲を始める。3ポイントを決めて43-27とすると、中に入ってレイアップを決めて、43-29。さらにフリースローで1点追加し、43-30となり、ペイサーズタイムアウト。そこからディフェンスの攻防が続き、ペイサーズは、ボクダノビッチがジャンプシュートで45-30
とすると、ルビオが再び3ポイントを決めて、45-33。さらにフリースローを2本沈めて、45-35にした。それでもペイサーズはジャズの追撃を許さず、ターナーの豪快なブロックでボールを奪うと、コリソンがドライブで切り込んで、47-35。そこからさらに1分半以上の攻防が続く中、またもルビオが3ポイントを決めて、47-38。ついに点差は10点を切った。さらにここでイングルスがこの日初めての3ポイントを成功させ、47-41に差を詰める。ここで再びインディアナタイムアウト
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 残り3分を切り、ここでペイサーズターナーが奮闘する。フローターを決めて49-41とすると、さらにジャンプショットを決めて51-41と、再び10点差に広げる。ジャズは、Cデリック・フェイヴァーズとミッチェルがフリースローを1本ずつ入れて、51-43に。残り1分半、タイリーク・エヴァンスが中に切り込んでレイアップを決めると(53-43)、ジャズはすかさず速攻でロイス・オニールが決め(53-45)、ペイサーズは、サボニスのジャンプショット(55-45)、ジャズはドノバン・ミッチェルのレイアップシュート(55-47)、それでもペイサーズは残り30秒で、サボニスがダンクを決め、57-47となって前半終了。結局10点差は縮まらず。
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 後半、第3クォーターになってからも、双方ディフェンスが良く、ミスショットが続く。最初の得点は、スティールからのトランジションで、走り込んだボグダノビッチに合わせたペイサーズだった(59-47)。しかし、ジャズはミッチェルがフローターで返し(59-49)、また膠着状態に。約2分間で点が入ったのは、ジャズのゴベールのフリースロー1本のみ(59-50)。そこから均衡を破ったのはペイサーズ、ペイントエリアから外へ走り抜けて、ボールを受けたボグダノビッチのステップバック3ポイントだった(62-50)。すると、負けずにジャズのルビオもスリーを沈め(62-53)、さらにターナーが応酬しレイアップを決めて追いつかせない(64-53)。
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 再び約1分得点の入らない状態が続く。ここでも均衡を破ったのは、ボクダノビッチだった。レイアップを決めて66-53。本当にこの人はマイペースだから頼もしい。チームの調子は関係なく、自分のリズムで決めてくれる。現フィラデルフィア・76ersのトバイアス・ハリスみたいな感じだ。すると、ここからペイサーズの猛攻が始まる。タイリーク・エヴァンスの3ポイント(69-53)、サディウス・ヤングのターンアラウンドフックシュートで71-53に。しかし、またもここで一人調子のいいルビオが立ちはだかる。インサイドへ入れないと思ったら、外へ抜けてステップバック3ポイント(71-56)、ゴベールのフリースローの1点をはさみ(71-57)、フェイクのミドルシュートを決めて71-59とする。ペイサーズは、またもボグダノビッチが2点シュートで返すが(73-59)、さらにルビオがジャンプシュートを決めて73-61に。ヨーロッパ人の二人の応酬はなかなかおもしろかった。 
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 第3クォーターは残り5分となり、サディウス・ヤングがゴール下を抜けて、リバースレイアップを決めると(75-61)、ジャズはゴベールがアリウープパスを受けてダンク、これで75-63に。ここから両者、一進一退の展開となる。ペイサーズはコリソンがルーズボールを取ってレイアップを沈め77-63。ジャズはルビオがフェイドアウェイを決め、77-65。ペイサーズはサボニスがレイアップを沈めて、79-65に。

 残り2分を切り、ジャズはアレック・バークスがフィンガーロールを決めて79-67。ここでペイサーズを救ったのは、ルーキーのアーロン・ホリディだった。トップからいきなりスリーを撃って決め(82-67)、ジャズのクラウダ―がスリーを返すと(82-70)、今度はジャンプショットを決めて突き放した(84-70)。この頃のホリディは、頼もしいルーキーといった感じだったが、シーズン通して見たら、結局オラディポがいなくなった後もプレイタイムが増えることはなく、不完全燃焼だったのであった。このクォーターの最後の見せ場は、サボニスから渡されたボールをダンクしたサディウス・ヤング、86-70で第3クォーター終了。まあ、ここでペイサーズファンは、今日は負けることはないと思っただろう。

 第4クォーターはジャズの得点から始まった。PGダンテ・エクサム(背番号11)のフィンガーロールで86-72。ペイサーズはそれに対抗して、ゴール下に走り込んだダグ・マクダーモットが、サボニスからパスを受けてレイアップ(88-72)、サボニスのディフェンスを交わしたレイアップショット(90-72)と続く。しかし、ジャズはクラウダ―が3ポイント(90-75)、フェイヴァーズのアリウープダンク(90-77)で追いすがる。ここでまたペイサーズのルーキー、アーロン・ホリディが救世主に。中に切り込んだマクダーモットがキックアウト、外で待つホリディが3ポイント(93-77)を決めた、さらにサディウス・ヤングのシュートで95-77と突き放す。
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 1分ほど点の入らない攻防が続く中、ジャズはゴベールのアリウープレイアップ(95-79)、ペイサーズはマクダーモットのジャンプショットしか決まらない(97-79)さらに1分半双方譲らない中で、残り7分、ようやく試合が動き出す。ペイサーズは、コーリー・ジョセフのレイアップ(99-79)、ジャズはルビオがゴベールに合わせたダンクショット(99-81)、そしてここでボグダノビッチのスリーが炸裂し102-81、再び点差が20点以上に開いた。ここで試合は決まったかという感じだった。
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 ジャズは隙が見出せず、PGラウル・ネト(背番号25)のレイアップが決まったぐらい(102-83)。ペイサーズはまたアーロン・ホリディが躍動し、ジャンプショットで104-83、さらにフリースローをマクダーモットが2本、ホリディが1本決めて、107-83とする。残り4分になって、ディフェンスを引っ掛けたサボニスが3ポイントを決めて、110-83とこの日最大の27点差が開いた。
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 ジャズは完全に試合を捨ててサブメンバーの状態に。SGグレイソン・アレン(背番号24)がスリーポイント(110-86)、エクペ・ウドー(背番号33)がアリウープダンクを決めて、110-88とするが、後が続かない。ペイサーズは、アーロン・ホリディが相手のスリーのミスショットリバウンドから一気に速攻でレイアップを決め、フリースローももらって113-88に。さらに次のプレイでは、インサイドに切り込んでダンクを決めて115-88。会場から歓声が上がる。ベンチで見ていたオラディポも立ち上がって熱狂する。この頃は有望なルーキーだったのにね。
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 ジャズは、グレイソン・アレンがダンクを決めるが(115-90)、ペイサーズはファウルをもらいマクダーモットがフリースローを2本決めた(117-90)、そして残り1分、ペイサーズもサブメンバーとなり、ジャズはウドーのダンクシュート(117-92)、ペイサーズはPF、T.J.リーフ(背番号22)のレイアップ(119-92)、ジャズはエクサムフリースロー2本(119-94)、最後はマクダーモットがレイアップを決めて121-94で試合終了。
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 何というか予想外のペイサーズの圧勝で、第2クォーターからずっとリードを保ったまま追いつかれることもなく、試合としてはどうもおもしろくはなかった感じである。ペイサーズはボグダノビッチが21点でトップ、ドマンタス・サボニスとアーロン・ホリディが19点で続いた。サボニスはリバウンドとアシストもともに9つでチームトップ、あわやトリプルダブルという活躍であった。
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 ジャズは、ゲームを見てわかる通り、リッキー・ルビオ1人が気を吐き、28得点、中でも3ポイントを6本中5本決めていた。続くのは、ジェイ・クラウダ―が14点、ルディ・ゴベールが12得点、11リバウンド。しかし、ドノバン・ミッチェルはわずか7得点、ジョー・イングルスは5点、5アシストという低調ぶりだった。

 チーム別に見ると、リバウンドが、ペイサーズ44、ジャズが36。うちオフェンスリバウンドが、ペイサーズ11に対して、ジャズは3といかに取れていないかがわかる。フィールドゴール%は、ペイサーズが52.7%、ジャズが48.6%とそれほど変わらないが、試投数がペイサーズ93、ジャズ74と、ユタがいかにシュートが打てていなかったかがわかる。3ポイントの%は、ペイサーズが48%、ジャズが44%で、ルビオのおかげであまり変わらない。アシスト数はペイサーズ35、ジャズ26。スティール数はペイサーズが13、ジャズが6。ブロックだけは、ペイサーズが3でジャズが10と多かったが、ほとんどにおいてペイサーズが圧倒していた。ターンオーバー数は、ペイサーズが9に対してジャズが18。ペイサーズの中と外を使い分けるオフェンスが有効で、リバウンドも取れたということになる。

 結局、オラディポは12月に復帰するも、1月に再びヒザを痛め、残りシーズン全休に。今年はオールスターにも出れず。ペイサーズはこのままではプレイオフに出れるのか?とも言われたが何とか乗り切り、プレイオフには出たものの、ヤニス・アデトクンポ率いるミルウォーキー・バックスには全く歯が立たずスイープ負け、早々とシーズンが終わった。オラディポがいなくなった後は、アーロン・ホリディでは務まらず、ポルジンギス絡みのトレードでニックスに入団しなかったウェズリー・マシューズが活躍できる場を求めてペイサーズに加入したものの、結局マシューズもオラディポの代わりとなるような爆発力は生まなかった。マイルズ・ターナーはリーグ有数のセンターになると言われながら、インパクトを残せず。元来、地味な選手が多いので、大舞台ではなかなか活躍ができない。ペイサーズは、オラディポを越えるくらいのスーパースターがもう一人いなければ浮上できないという弱点を露呈してしまった。そこそこの選手はいて、層は厚いから大負けすることのないチームだけに、結局それでいいんじゃないかとなってしまうのがペイサーズでもある。だから優勝もこれまでできなかった。ペイサーズは、これからオラディポをどのように扱っていくのか、ポール・ジョージのようなことがないようにと、それだけが気がかりだ。
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 オラディポを見れなかった分、会場のショップでTシャツを買って部屋に戻る。バンカーズフィールドハウスから歩いて1分の部屋。こんなところに住めたら、また別のおもしろい人生が待っているのになぁとも思う。シーズンチケット買えないかな?
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2018/11/19 Indiana Pacers vs. Utah Jazz @ Bankers Life Fieldhouse (NBA Basketball)①

 明けて11月19日月曜日、この日こそ待っていた日でもあった。インディアナポリスに来たからには、インディアナペイサーズを見なくてはならない。これまでインディアナポリスには何度か来たが、スケジュールが合わず、ペイサーズのゲームを見ることはできかったのだ。それが今回ようやく実現することになったのだ。
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 自分がNBAを見始めた頃は、レジー・ミラーの時代だった。稀代のクラッチシューターだったミラーは、数々の名勝負を演出してきた。リック・スミッツ、マーク・ジャクソン、オースティン・クロージャ―、ジャレン・ローズ、デイル・デイビスなどのチームメイトとともに、一度はファイナルにも進出した。地味ではあるが、堅実なチーム、決してドアマットチームにはなることはないが、その分、優勝できるほどのお金がなく、スター選手を引っ張ってこれず、地道に選手を育成していくしかないチームというところが、なんとなく好きだった。バンカーズライフ・フィールドハウスを訪れて、そのメモリアル展示を見ると、ついこのようなことを思い出してしまうのだ。
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 ペイサーズには、2004年にNBA黒歴史になっている乱闘事件をきっかけにして、悪名をとどろかせたロン・アーテスト(その名前を口にするのも嫌な、ペイサーズの選手だったことを認めたくない選手である)の呪いを受けるような形で低迷期が訪れる。それでもレジー・ミラーが引退した後、グッと地味になったが、新しいスターが生まれる。ダニー・グレンジャーである。特別、期待もされていなかった人物が、ペイサーズに来ると大成するのがおもしろかった。ロイ・ヒバート、ジョージ・ヒル、ランス・スティーブンソン、デビッド・ウエストや、さらに新たにスーパースターとなるポール・ジョージを加えて、ペイサーズは2年連続カンファレンスファイナルに進出し、再びリーグに旋風を起こすこととなった。そう、私が最初にバンカーズライフ・フィールドハウスを訪れたのは、彼らが活躍していた2013年のシーズンだったのだ。

 それでもペイサーズは優勝できることはなく、選手は皆インディアナを去ってしまう。2013-14年シーズンのメンバーでペイサーズに残っている者は誰もいない。彼らをちゃんと引き留めることができていれば、歴史は変わっていただろうが、できるほど金がないのもペイサーズなのである。一時代を築いたダニー・グレンジャーの首を切り、そのあまりの待遇のひどさを知って、ポール・ジョージもインディアナを出て行った。とにかくスーパースターを引き留められないチームなのだ。NBAに加入する前のABA時代にはチャンピオンになったことはあるが、それだけ。WNBAインディアナ・フィーヴァーが先に優勝してしまうという
のが悲しいところ。
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 ポール・ジョージがいなくなり、もうペイサーズはダメだろうとなった時に、再び救世主が現れる。それがビクター・オラディポである。インディアナ大学出身のスターで、不作と言われる2013年のドラフトで全体2位でオーランド・マジックに指名された人物。ルーキー時代からそれなりの活躍はしていたが、弱いチーム、マジックにいたため目立つことはなかった。その後、オクラホマ・サンダーにトレードされ、ポール・ジョージと引き換えに、ドマンタス・サボニスとともにインディアナ・ペイサーズに来ることになった。ふとしたきっかけで地元インディアナに戻った途端、彼は大活躍し、一躍ヒーローとなるのだからわからない。これからペイサーズは、彼とともに生きていく道をちゃんと選んでくれるのか、地元出身のスーパースターを、グレンジャーやポール・ジョージみたいに無為無策で放出するのだけはやめてもらいたい。
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 これまでインディアナ・ペイサーズのスーパースターには、インディアナの出身者はいなかった。どちらかというとカリフォルニア出身者ばかり。レジー・ミラーUCLA出身)にしても、ポール・ジョージ(フレズノ州立大出身)にしてもそうだ。インディアナは、バスケットボールの州と言われるが、インディアナ出身の有名選手は、結局のところドラフトで、違う州のチームに行ってしまう。ラリー・バードもゴードン・ヘイワードもエリック・ゴードンもコディ・ゼラーもコートニー・リーもジョシュ・マクロバーツもそうだ。ペイサーズは大負けすることがない堅実なチームだから、ドラフトの上位指名権が取れることはなかなかないのだ。そんな中でジョージ・ヒルは数少ないインディアナ出身でペイサーズにやってきた選手で(ドラフトで指名されたわけではないが)、大人気だったのだが、彼も去ってしまった。だからこそ、ビクター・オラディポにファンは熱狂するのだ。そして、ペイサーズには未だにカリフォルニア出身者も多い、ダレン・コリソン、T.J.リーフ、アーロン・ホリディ、Ike Anigboguは、なんとみんなUCLA出身だ。そう、レジー・ミラーUCLAインディアナだけど、チームカリフォルニアというわけのわからないチームでもある。

 話は逸れたが、そんなビクター・オラディポを筆頭に、現在のペイサーズは、ドマンタス・サボニス、マイルズ・ターナー、ボヤン・ボクダノビッチ、ダレン・コリソン、サディウス・ヤングなどが有望選手が揃って活躍し、またおもしろいチームが出来上がったのである。そして、今シーズンからは、サクラメント・キングスで活躍していたタイリーク・エヴァンスが加入、ルーキーには、ホリディ兄弟の三男、アーロン・ホリディが加入して楽しみになっていたシーズンなのであったが…
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 そんなペイサーズの救世主ビクター・オラディポを初めて見られると思っていたのだが、なんと彼は前の週のケガで離脱。この日も出場しないというから、自分の運はついていないのであった。大学時代の彼も見ることができず、ペイサーズに来ても見れないという始末。そして、ペイサーズは、エースのオラディポなしで、このまま好調を維持できるのか、失速してプレイオフにすら出れなくなるのではないかという話も出ていたほどだ。
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 自分の部屋から、ペイサーズのホームコート、バンカーズライフ・フィールドハウスへは歩いて約1分で行けるところにあるので、この日はインディアナポリスの市内を観光しようと思っていたのだが、結局、締め切り間近の仕事の書類をそのまま部屋で作成する羽目に。何のための休みなのかわからない。ようやく夕方、日が落ちる前に書類を仕上げて、やっとのことで街へ出かける。

 インディアナポリスの街で目立っていたのは、シェア電動スクーターであった。道端にやたらと止められているのだ。スクーターというよりも、いわゆるキックスケーターであるが、それが電動で動くようになっているのだ。目についたのは、色が緑だったこともある。そう、シアトルでお世話になったシェア自転車のライムバイクが、インディアナポリスでは電動スクーターで展開しているのだ。逆に言うと、ライムバイクの自転車はここには全くない。街によって色々仕掛けが違うんだなというのがおもしろい。もちろんシェア自転車と同じく、このシェア電動スクーターもどこでも乗り捨て自由で、料金も自転車と変わらない。ちなみにこの電動スクーターは、ライムバイクとは別にBIRDという会社のものもあって、こちらは黒でロゴとかもカッコイイ、そしてこちらの方が若干、数も多かった。料金もほぼ変わらないようで、電動スクーターではBIRDの方が優勢ということか。
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 電動スクーターもアプリ自体は共通で、普通にQRコードを読み取ればそのまま借りて使えるので、ぜひ乗ってみたいと思ったのだが、ライムバイクのホームぺージを見てみると、1つ問題があった。この電動スクーターは、バッテリーで動くので、原付と同じ扱いになり、ヘルメットを着用しなければ乗ってはいけないことになっているのである。ローカルの交通ルールに従ってくれとあるのだが、原付をヘルメットなしで乗れる州なんてない、インディアナもそうだ。電動スクーター自体には、ヘルメットが付いているわけではないので、自前のものを用意しなければならず、当然、自分はそんなものを持っているわけではない。

 この電動スクーターはものすごいスピードが出るわけではなく、使っている人は、確実にほぼみんなヘルメットなんか着用しないで乗っている。別に自分もヘルメットなしで乗っても大丈夫だろうと思ったが、外国人である自分が警察に止められたら厄介だし、罰金を払うとなったらもっと面倒くさいと思った。警察に止められなくても、ケガをして、車の運転に支障をきたすことになったら、旅行も元も子もないと考え、結局、利用するのはやめたのだが、悲しいかな、それを今も後悔している。

 インディアナポリスのショッピングモールを探索して、ここにもパネラ・ブレッドがあったので、小腹を満たして帰る。バンカーズライフ・フィールドハウスにはちょっと早めに行こうと思った。それにしてもすごい名前だ。前のカンセコ・フィールドハウスの方が名前からしてしっくりくるのだが。アメリカのスポーツのホームアリーナは、金融系の会社と航空会社の名前が本当に多い。やはりアリーナのネーミングを取ろうとするような金のある会社は、なかなか限られているということか。

 前述の通り、バンカーズライフ・フィールドハウスに来るのは2度目である。最初に来たのは、インディアナ・ペイサーズではなく、アイスホッケーのNHLではない、北米アイスホッケーリーグ(USHL)のインディアナ・アイスを見に来たのであった。それが確か2013年。その時はホッケーの試合はそっちのけで、インディアナ・ペイサーズのメモリアル展示に興味津々だった。グッズショップにもペイサーズの物をたくさん売っていたし、このホームアリーナに来れるだけで良かったのである。
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 当時はポール・ジョージのいたペイサーズの第2期黄金時代であって、ペイサーズの大ファンになっていた。その時とそれほど変わったかと言えば、変わっていない。見覚えはある。ただ、その時ペイサーズにいた選手は誰もいなくなってしまった…。そして、アイスホッケーチームのインディアナアイスもいつの間にかもう消滅していた。時の流れは速いものだ。
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 この日のペイサーズの対戦相手は、ユタ・ジャズ。前シーズンにブレイクしたドノヴァン・ミッチェル(背番号45)が見られるということで、この試合を見たくチケットを買ったということもある。この日までジャズは8勝8敗の五分、イマイチ調子に乗れていない。ドノヴァン・ミッチェルにしてみれば、エースとして輝き続けられるかという真価の問われるシーズンであるのだが。一方、ペイサーズはこれまで10勝6敗、しかし前述のように好調だったオラディポがケガで離脱。この日も試合には出ないというから心配なところである。ちなみにジャズは、アウェイゲーム5連戦でこのインディアナ戦が最後。疲れているだろうし、調子も良くないので、ペイサーズにしては叩くチャンスではある。
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 インディアナポリスは人口の多い街であるがやはり田舎なので、NBAのチケットも他の都市に比べると安い。真ん中のセクションの17列目の期待していた以上のいい席がとれた。シートには、なぜか自分の名前が書かれたカードが貼ってあり、グッズがもらえると書いてあった。これはラッキーなのか、何なのか、示されたブースに行ってみると、お姉さんが、ペイサーズのゴムマリをくれた。安いものであるだろうが、うれしい。どうやらシーズンチケット販売の勧誘のようだったが、こちらが外国人とわかってガッカリした模様。まあ、でもシーズンチケットを買っても、普通に日本人の自分が売買できるなら買ってもよかったんだけどな。

 バンカーズライフ・フィールドハウスは、本当にこじんまりとしたアリーナで、動きやすくて回りやすい。せっかくなので、他のアリーナでは見ないローカルなお店のピザを買って座席に付く。すでに両チームの練習が始まっている。ビクター・オラディポは試合には出ないが、チームと一緒に動いてはいて、私服姿がモニターに映し出されていた。さすがにジャケットを着ている。また彼が健在な時にここに見に来ようと誓う。それにしてもジャズのセンター、フランス人センターのルディ・ゴベールはひときわデカさを感じる、これに目の前に立たれたら、シュートが入ると思えないな。
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 選手紹介が始まった、ビクター・オラディポが出ない中、最後に紹介されるエースは誰なのかと思ったが…、タイリーク・エヴァンズであった。サクラメント時代の実績を評価してということなのだろうか、ペイサーズに加入したばかりの選手なんだけどね。そう思っていると、試合が始まる前に、ペイサーズ最年長のサディウス・ヤングがマイクを持って観客にあいさつを始めた。何ていうことのないあいさつだったが、これは何の意味があったのだろう。一種の配慮ってやつか? だったら最後にヤングを紹介してあげればいいのに。
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 試合が始まった。気付いたのは、この日のホームのペイサーズのユニフォームが白色ではなく、通常はアウェイで使われるはずのネイビーの色だったということだ。そのためアウェイのジャズのユニフォームが黄色になっている。両チームはカラーリングがよく似ているチームなのだが、黄色のイメージはどっちかというとペイサーズの方なので、あれ、こっちはジャズかとなって、一瞬どっちかわからなくなるくらい、ややこしい。これは選手だって間違うんじゃないかと思うほど。なんでわざわざネイビーの色にするかね。だったらアウェイのジャズのユニフォームは、たまに使われるグリーン系にしてもらえればよかったのにと思う。
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