2018/11/20 Indiana University Hoosiers vs. UTA Mavericks @ Assembly Hall (NCAA Basketball②)

 以前も記したが、同じバスケットでも大学のNCAAと、 NBAは少しルールが違う。 最も大きいのはNBAは12分の4クォーター制だが、 NCAAは前半と後半の20分ずつだということ。 その他にもショットクロックNBAが24秒で、NCAAは30秒。3ポイントラインの距離も短かったりして、 NCAAのバスケは、ペースが遅く、入る得点もかなり少ないのだ。 試合が始まった。インディアナはもちろんロメオ・ ラングフォード(背番号0)は先発。 現在のチームのエースはフォワードのジュワン・モーガン(背番号13)という4年生で、 ほぼ毎試合スコアリングリーダーとなって、 チームを引っ張っている。4年間戦っているので、 インディアナの選手の歴代ランキングにも名前を連ねるほどだ。 こういう選手がいるからこそ、頼もしい。 かつてはこういう選手こそがプロに行っていたはずだが、 残念だが今はプロに行く人間は早々と大学を去り、 学年を経て残る人間はプロに行けない人間かのように思われてしま っているのは、悲しいことだ。
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 この日も最初からジュワン・モーガンが仕掛けたがシュートは失敗、さらにディフェンスでファウルをもらってしまった。最初の得点は、インディアナの2年生ガード、アルジャミ・ダーハムのファストブレイクによる得点だった。しかしいきなり彼は負傷してしまった感じ。何とか大丈夫なようで、ファウルをもらったフリースローで3点(後でわかったことだが、ここで負傷退場選手を出してしまうと、インディアナは相当の痛手だったのだ)。その後、ジュワン・モーガンはディフェンスでブロックをしたかと思うと、オフェンスでも積極的にリバウンドも取り、その流れで得点も決めた。さらにロメオ・ラングフォードもリバウンドが取れるプレイヤーだとわかる、相手のテキサス大アーリントンが小さい選手が多いということもあるが。しかし、最初の3ポイントシュートは失敗。インディアナは、2年生フォワード、ジャスティン・スミスがレイアップを決め、1年生ガード、ロブ・ファイニーズがジャンプショットで得点。テキサス大アーリントン校は、3ポイントを1本決めただけ、9-3となったところでタイムアウト
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 さらにインディアナフリースローなどで確実に得点をあげていく。開始4分過ぎに、この日初めてのロメオ・ラングフォードの得点が入る。フリースローももらって3点。さらに、ここからジュワン・モーガンが躍動し、連続得点を決める。開始10分になろうとする時、ロメオの2点とアルジャミ・ダーハムの3点シュートで、24-14の10点差に(結局ダーハムの負傷はきびしかったようで、後半は出場しなかった)。前半残り7分で、ロメオがこの日初のダンクを決めた。テキサス大アーリントンは何とか点差を縮めようと奮闘するが、点差は離れることはない。残り4分を切って、またジュワン・モーガンがブロックを決めて、リバウンドから速攻で得点。32-20と差を広げる。残り2分となって、今度はロメオ・ラングフォードが連続得点。常にマークをされている中、スピードで振り切って得点を取り、さらにファウルももらうのがうまい。
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 39-22で前半終了。インディアナは、最初のシュートが外れた後のセカンドポイントが11点。相手のミスに乗じた速攻の得点、ファストブレイクポイントが25点と、攻守で圧倒。アーリントンは、アウトサイドからの攻撃を仕掛けるチームなのだが、そのシュートが入らないからどうしようもない。
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 ハーフタイムになって、ロビーにあるインディアナ大学のメモリアル展示を見に行く。トロフィーがあるのはもちろんだが、銅像もいくつかあって、アイザイア・トーマスのものも。アイザイア・トーマスはシカゴ育ちで、大学からインディアナに進んだのだが、そんなことはもう関係ない。ただ、ユニフォームやシューズの類の展示はないようだった。おもしろいのは、インディアナ大学出身の名選手をクリックして、当時の画像などを見れるシステムもあったこと。大学らしい学業でも優秀な成績を収めたアカデミックの名誉選手の表示もあったこと。なんとコディ・ゼラーは、2年に渡ってBIG TENカンファレンスとオールアメリカンのアカデミックでも表彰されている選手だった。どんだけ優秀なんだよ。ちなみにヴィクター・オラディポも、BIG TENカンファレンスのアカデミック表彰をされていた。彼もほんとに頭いいんだね。
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 後半になっても、インディアナ大学フージャーズの猛攻は続く。ジャスティン・スミス、ロメオ・ラングフォード、ジュワン・モーガンの得点で、46-26と点差は20点にまで広がった。もう楽勝なのかと思ったが、後半開始3分からテキサス大アーリントン校の反撃が始まる。4年生のエドリック・デニスが得意の3ポイントを連続でヒット。さらに3年生のブライアン・ウォーレンも3ポイントを決めて、49-37と12点差に。さらにアーリントンは3ポイントを撃ち続け、オフェンスリバウンドを取って押し込み、一気に49-39と10点差に。
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 インディアナはたまらずジュワン・モーガンやロメオ・ラングフォードが応戦するが、アーリントンは、3年生のセンター、ジャバリ・ナルシスが3ポイントを決め、アウトサイドを警戒される中で、3年生のラドシャド・デイビスがジャンプショットで2点追加。インディアナはロブ・ファイニーズが2点を返すが、今度はそのラドシャド・デイビスが3ポイントを決めて55-47と、ついに8点差に。ジュワン・モーガンがジャンプショットを決めて57-47と必死で突き放す中、アーリントンが3ポイントをミスしたところで、インディアナタイムアウト
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 後半は10分を過ぎ、インディアナはファウルをもらってフリースローで加点するが、まだ流れはアーリントンにあった。ブライアン・ウォーレンのジャンプショット、そしてエドリック・デニスの3ポイント、さらにレイアップ、すかさずブライアン・ウォーレンが3ポイントシュートを入れて、60-57とついに3点差に。この間、インディアナはショットは入らず、フリースローの加点のみで、そのフリースローもミスする始末。互いの攻防が続き、フリースローの点のみが追加される中で、デニス・エドリックがジャンプショットを決めて、ついに61-60の1点差に。まさかの展開に、観客もゲームに集中せざるを得ない状況に。まさか負けることはないよねという心配が会場を包む。
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 残り6分半、ここでインディアナに火が付いた。ジャスティン・スミスの連続得点、ジュワン・モーガンのレイアップが炸裂。アーリントンは、この間ブライアン・ウォーレンの2得点のみ。さらに1年生フォワード、ダメジ・アンダーソンの速攻の得点で69-62に。なんとこの間のプレイで、ロメオ・ラングフォードが頭突きを受ける感じで負傷。遠くからよく見えはしなかったが、鼻血を流してベンチを引き上げる事態に。場内は騒然となった。ロメオ・ラングフォードは試合中での初めての負傷みたいなことを場内で言っていた。深刻な状態ではないようだったが、結局この日、彼はこのまま出場しなかった。思えば、この中断がインディアナには功を奏したのかもしれない。アーリントンにとっては、将来を期待されるロメオ・ラングフォードを負傷させてしまったことで、動揺もあったかもしれない。

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 インディアナは、そこからダメジ・アンダーソンが3ポイントも決めて、72-62と再び10点差まで開いた。残り3分半、そこからは双方フリースローなどで加点するだけで、アーリントンの3ポイントは決まらず、もう劇的なことは起こらなかった。最後の得点は、ダメジ・アンダーソンのジャンプショットで、78-64で試合終了。
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 スタッツを見ると、インディアナはわずか7人しかゲームには出ていなかった。ジュワン・モーガンが23得点、10リバウンド、4アシスト、3ブロック、2スティール。ロメオ・ラングフォードは16点、8リバウンド、ブロックとスティールが1ずつあったが、ターンオーバーも4つ記録。ジャスティン・スミスは13得点、5リバウンドだったが、ターンオーバーが6つもあった。テキサス大アーリントン校は、エドリック・デニスが19点(うち3ポイント3つ)、ブライアン・ウォーレンが14得点(うち3ポイント3つ)、ラドシャド・デイビスが12得点6リバウンドといった具合だった。後でわかったことだが、ブライアン・ウォーレンインディアナポリス出身のようだ。180cmもないガードとなると、いかに高校生の時に優秀でもいい大学に行けないということだろうか。短大を経由して、彼はテキサス大アーリントン校に入った苦労人のようだ。
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 フィールドゴール%は、インディアナが54.5%(3ポイントは16.7%)、アーリントンは42.9%(3ポイントは27.6%)。リバウンドは、インディアナが33、アーリントンが25。アシストは、インディアナ17、アーリントンは7。スティールはインディアナが7、アーリントンが9。ターンオーバーは双方ともに18だった。インディアナが勝っているとはいえ、驚いたのは3ポイントの確率である。アーリントンは前半こそ、1/12の8.3%だったが、後半は7/17の41.18%という脅威の落差である。本当にバスケットボールというのは怖い。一つ間違えばどうにでも転がってしまうスポーツだということを思い知らされた。そして、インディアナの3ポイントのお粗末さ。このチームにはシューターがいないのか?と思っていたが、後で調べてみると負傷者が続出していたという事態を知ったのである。
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 結局インディアナ大学フージャーズは、今シーズン19勝16敗で、NCAAトーナメントにすら進めなかった。2018年中はまだ調子が良かったのだが、1月になってミシガン大学に敗れてから7連敗。2月最終週になってウィスコンシン大学に延長で勝って、ミシガン州立、イリノイ大などにも勝利、意地をみせるが、BIG TENトーナメントで、オハイオ州立大に負けてジ・エンド。今年のNCAAトーナメントで活躍したミシガン州立大には2連勝しているのに。よくわからない。ということで、ロメオ・ラングフォードは、明らかに評価を落としたであろう。かといって、来年も残ってくれるわけではないのが、きびしいところだ。本人にしてみれば、やっぱりケンタッキー大やルイビル大に行っていた方がもっとアピールできて良かったんじゃないのか。
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 しかしインディアナ大学フージャーズには、来シーズンも明るい話題ができた。ロメオ・ラングフォードが抜けるのは仕方ないが、また超高校生の新人が入団したのだ。トレイス・ジャクソン・デイビス。2m6cmのセンターだが、まだ身長は伸びるであろう。彼もマクドナルド・オール・アメリカンに選ばれ、インディアナ・ミスター・バスケットボールに選出された逸材である。そして、なんと彼はあのインディアナ・ペイサーズなどで活躍したパワー・フォワードの名選手、デイル・デイビスの息子なのであった。とはいいながら、彼は父親とはほとんど暮らしたことはない家庭であるらしい。それでもバスケットボールでこれだけ有名になるのだから、素質としてはものすごいものがあるのだろう。出身はインディアナポリス近郊のグリーンウッドという町だから、生粋のインディアナ育ちと言える。さらにシューティング・ガードにも、アーマーン・フランクリンというインディアナポリス出身の有望な高校生が入団した模様。彼らがどれだけ活躍し、そして、いつまでインディアナ大学に在籍してくれるのか、またここに来る楽しみができたよ。
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 アリーナからの帰りに、インディアナ大学の中にある、ジョン・メレンキャンプ・スポーツ・パビリオンの写真を撮る。彼が数億円の寄付をして作られた屋内のスポーツ練習場である。サッカーチームの練習などに使われているという話だったので、明るいうちに来て見学できるならと思っていたが、結局、外観の写真を撮るしかできなかった。数年ぶりのブルーミントン訪問は目ぼしいものはなかったかなと。
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 翌日11月21日(水)は帰国日。先述のように、朝8:30のインディアナポリス空港出発なので、7:30までにレンタカー返却を完了していないとまずいと考え、6時にホテルを出る。いやー、もう真っ暗だ、本当にこの時間で合っているのかも不安になる。車には、前日夜寒かったせいもあって、霜がびっしり貼りついている。レンタカーのトランクには霜取り用のブラシがあって、それでガラスを掃除する。これが本当に霜取り用ブラシなのか確信はないが、多分そうだろう。初めて使ったけど。ニューヨークじゃないから、道路もすいている。1時間もかからないかと思ったが、ずっと周囲に明かりも見えない暗闇のハイウェイを進み続けるだけ、7時になっても明るくならないから、気が滅入る。前も言ったが、インディアナ州東部標準時でニューヨークと同じ時間帯。そちらの方が行政的には便利なのだろうが、でも地理的には、1時間違う中部標準時を採用しているシカゴのあるイリノイ州と隣接しているのだから、本来ならこの時間帯であるべき土地なのだ。7時でもまだ真っ暗というのは、勘弁してほしい。ニューヨークならもう明るくなっているだろうが、こちらは6時でもおかしくない地域だ。レンタカーを返して、 7時半ころにようやく周りが明るくなってきた。 今回は飛行機には何の問題もなかった。一応、カナダから入ったので、再びカナダを経由して帰らなければならなかったが。カナダの入管でI-94Wのビザを返す。これは忘れてはいけないので記録。そのまま水曜日の夜に帰国、やっぱりバンクーバーは羽田便があるから便利だね。