Qさま、来日公演のライヴに行ってきた! Q-Tip, A Tribe Called Quest(ATCQ)


 せっかくチケット取っておきながら、あやうく忘れてしまうところだった。そう言えばいつだっけ?と思い出したのが、今日だった。これはラッキーなのか、アンラッキーなのか? まあ思い出しただけでもラッキーなのだろう。しかし残念ながら、今日は親知らずを抜くハメになり、ガンガン痛む中、駆けつけることになったのだけれども。

 結局、仕事を片付けるのが遅くなり、着いた時には何曲目かはわからないが、すでにだいぶ始まっていたように思う。会場のO-EASTがぎゅうぎゅうの満員だったことに安心した。かなり若い奴らもたくさんいて、Qさまには確実にファンがついていることを確信した。

 Qさまのソロライヴは予想通りのバンド編成だった。最近はyoutubeがあるので、大体のものは事前に見れてしまうわけで。見なきゃいいんだろうが、なかなかそういうわけにもいかず。でも楽しみがちょっと減ってしまうのは仕方ない。

 しかしバンド編成とはいいながら、DJだけを残して、QさまがMPCのプレイを見せてくれたりと、ヒップホップの醍醐味を忘れてはいないぞという演出もうまかった。

 今回のソロ『ルネッサンス』はほんとに名作だと思うが、これまた予想通りトライブ時代の名曲も存分に披露してくれたのがうれしかった。これぞまさに感涙ものであった! 思い出したものを挙げるだけでも、”Sucka nigga" ”Bonita Applebum” "Electric relaxation" "Scenario" ”Award tour”。もちろんフルコーラスやるわけではなく、盛り上がったところで切り換えていくやり方もこころえていたように思う。しかし何と言っても、Qさまが心底楽しんでやっていることがビシビシと伝わって来たのが、何よりもうれしかった。

 Qさまの衣裳は、黒のジャケットに下はデニム、白いハットがかぶっていたのが彼らしかった。途中でジャケットは脱いだのだが、その下の黒のTシャツがやけにへたっていたのは、どうしたんだろう?という感じだったが。後ろだったのでよく見えなかったが、特に意味のあるTシャツのようにも見えなかったが。

 10年以上も前のヒップホップに何をうかれているというかもしれないが、ヒップホップの楽しみというのはやっぱりこういう曲にあるものなのだ。リル・ウェインやT.I.では決して味わえないものだ。今回のソロ『ルネッサンス』にしても今の時代を見ていない、古くさい作品だという奴もいるが、Qさまが今の時代におもねってどうする? そんなことをしなくても、Qさまは自分一人でこれだけのグルーヴを作れるのだ。少なくともシーンに復帰する作品が、蟹江やT-painが参加していたものじゃ完全に見放されていたことだろう。

 しかし、ほんとに何度も言うが、なぜもっと前に再結成したトライブを観れなかったんだろうという疑問が沸き上がってくる。何でここにファイフやアリがいないのか? なぜ日本に呼べなかったのか? 誰も呼ぼうともしなかったのか? トライブ再結成の条件に、北米のみなんていう条項が付いていなければ、日本の呼び屋は、再結成トライブを呼べなかったことを後世に汚点として恥じなければいけないだろう。頼むから二度とこんな過ちは犯さないでくれ。

 今日のライヴを観て惜しむらくは、最後にQさまがみんなに合唱をさせながら、フェードアウトして終わってしまったことだろう。あそこはもう一回出てくるべきですぜ。正直、最後に”Can I Kick It?”を聴きたかったよ。明日のbayhallでやられるとちょっと悔しいな。

 ちなみに建物は完全に変わってしまったが、昔トライブを観たのが、今日の場所と同じOn Air Eastだったことも思い出した。終わってから抜いた歯がさらに痛くなってきた。