2015/11/15 Oakland Raiders vs. Minnesota Vikings @ O. Co Coliseum (NFL football)

 明けて日曜日、今日はオークランド・レイダースの試合である。オークランドのコロシアム、かつてはネットワーク・アソシエイツ・コロシアムという名前であり、そしてマカフィー・コロシアムになり、O. co. コロシアムになってから行くのは初めてであるが、基本、名前が変わっただけで、場所も内部も何も変わっていない。幸いサンフランシスコのダウンタウンに駐車場付きのホテルに泊まっていたので、オークランドには、駐車場代節約のためにBARTで行くことにする。スタジアムは駅から近いし、周りに特に何かあるわけでもないので、オークランドに車で行くことにあまり意味がないと感じた。
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 この日の対戦相手はミネソタ・バイキングス。エイドリアン・ピーターソンが復帰したということで怖いチームではあるが、上昇気配のレイダースには勝てない相手ではないと思っていた。久々のレイダースのゲームを見ることで、ホームのレイダース側のグラウンドに近い席のチケットを買ったのだが、終わってみれば、エイドリアン・ピーターソンに花を持たせただけのクソみたいな試合だった。まだまだレイダースには再び栄光の時代が訪れるには遠いと痛感したゲームとしか言いようがない。
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 オークランドに行くときには一時間くらい前にいって、スタジアム周りを一周してみる、レイダースの海賊のコスプレを着たファンたちが集まっていて、おもしろい風景が繰り広げられているからだ。周りの雰囲気を見ても、ここ数年と違って、ファンがチームに期待をしている感がひしひしと伝わってくる。しかし、そうやってもたもたしているのが悪かったのか、今シーズンから入場ゲートに金属探知機が取り付けられるようになって、スタジアムの中に入るまでにバカみたいに時間がかかった。行列が全く進まないのだ。さらにイライラするのは、バカなファンが待っている間にミニフットボールを投げたりして遊んでいたことだ。マジで自分のところに飛んできたら、変なところにはじいてやろうと心底思っていた。結局、中に入れたのは、国歌斉唱どころか、もう試合が始まった後だったという体たらく。運営には本当にもっとちゃんとしてくれよと思う。席に着いて歓声が上がったかと思ったら、ミネソタ・バイキングスのQBテディ・ブリッジウォーターがタッチダウンパスを決めて、いきなり先制されていたと来た。もうすでに今日のレイダースは、ダメな感じが見えてきた。
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 レイダースの新エースQBデレク・カーを生で見るのは初めてだった。これまでレイダースは他チームのQBが移籍し居座っていたエースQBの座を、カリフォルニア生まれのそして、地元も地元のフレスノ州立大のデレク・カーという生え抜きの人間が務めるというのは、実に頼もしい。それほどクイックネスがある選手ではないようだが、コントロールには特筆すべきものがある。ドラフトのいの一番で選ばれたものの、プロとしては大成しなかった兄のデヴィッド・カー(彼もフレスノ州立大出身だ)よりも、期待するべきものはあるかもしれないと思った。さらにレイダースは、元49ersのワイドレシーバーのマイケル・クラブツリーが加入し、新人アマリ・クーパーもいるし、ディフェンスではカリル・マックもいるし、実に楽しみなチームになってきている。
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 だが、この日のレイダースはランが全く機能していなかった。バイキングスはエイドリアン・ピーターソンやブリッジウォーターばかりが注目されるが、意外にすごいのはディフェンスだったりする。そうなると、レイダースの攻撃はパスに頼らざるを得なくなる。結局、レイダースの1回目の攻撃はすぐにパントで終わり、2回目の攻撃はカーのパスがインターセプトされ、それがそのままフィールドゴールにつなげられてしまう結果に。1stクォーターはレイダースは何もできないまま、10-0で終わる。
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 2ndクォーターになり、バイキングスはさらにフィールドゴールで13-0と引き離す。レイダースはようやくパスが決まり始まり、アマリ・クーパーやクラブツリーにパスが通り、最後はタイトエンドのウォルフォードがタッチダウンパスをキャッチして、13-7。さらにバイキングスの攻撃をパントに抑えた後、次の攻撃でもクーパーへの38ヤードパスが決まり、相手のペナルティーもあって前進。最後はWRホームズへ34ヤードのパスが通りタッチダウン。13-14と逆転した。しかし、この日のレイダースの見るべきところはここまでだった。
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 リードしたと思ったらレイダースは次のキックオフで、バイキングスのリターナー、パターソンを何をしてんたんだと思うほど、全く捕まえることができずに93ヤードのリターンタッチダウンを決められてしまう。アッという間に逆転されて、20-14。せっかくのリードはわずか30秒ほどだった。ここが今のレイダースの悲しいところだ。前半最後、バイキングスの53ヤードのフィールドゴールが外れたのが救いだった。20-14のまま、ワンポゼッション差で前半を終える。

 3rdクォーターになって、ゲームは膠着状態に。レイダースのディフェンスはエイドリアン・ピーターソンのランをかなり警戒していた。確かに前半は彼を走らせないことは成功していたが、その分、ブリッジウォーターのパスが決まるという結果にもなっていた。しかし、この3rdクォーターから、ブリッジウォーター自身も走り出し、バイキングスの作戦が成功し始める。
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 4thクォーターになり、バイキングスのオフェンスが完全に機能する。ランで時間をつぶす中で、ブリッジウォーターのパスも通り、さらにフィールドゴールを追加し、23-14。残り時間は約4分となり、ランをことごとく封じられていたレイダースは、時間が経過していく中で、パスを投げざるをならなくなり、敵陣まで攻め込みはするが次第に的を絞られ、またカーのパスがインターセプトされてしまう。インターセプトをしたのは、この日2本目のCBテレンス・ニューマン。残り約2分となり、逆転のメドがなくなったレイダースは力が抜けたように、バイキングスの直後のプレイで、エイドリアン・ピーターソンに80ヤードのタッチダウンを許してしまう。ディフェンスは何をしていたんだという穴の開けられっぷり。これで30--14。ここまでピーターソンのビッグゲインを何とか防いでいたが、ここで完璧にやられてしまった。そして、レイダースは最後の攻撃も、得点にはつながらず、30-14で試合終了。これが今のレイダースの限界なのかといったところだ。
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 結局、ピーターソンにはトータル203ヤードも走られてしまうという不甲斐ない試合になってしまった。バイキングスにはかなりパスを決められた印象があったが、QBブリッジウォーターのパスは140ヤードで1タッチダウンパスという結果だった。一方、レイダースはQBカーのパスは302ヤードで2タッチダウンパスを奪うが、要所での2インターセプトが響いた。何よりも、RBマレーのランはトータルでわずか48ヤードに封じられたのが痛かった。これではどうやっても勝てない。ディフェンスの踏ん張りの差と言えるだろうか。レイダースのディフェンスの収穫は8タックル、1サック、1ファンブルフォースのマリオ・エドワーズくらいか。
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 この日の夜に行くはずだったライブは、Desaparecidos (デスパレシードスと読む)だったが、行く前に中止となったことが判明。ネブラスカの吟遊詩人、ブライト・アイズコナー・オバーストが作ったエモ・パンクのバンドということで(彼がそもそも性格的にバンドというものができるのかということにも驚きだった、そして全然違うジャンルの音楽ということにも)、俄然興味を持って、音を聞いてもおもしろいと思っていたのだが、メンバーの病気ということで、実に残念だった。どうも出発前には、中止は明らかになっていたようだが、アメリカに着いて調べてみてわかった次第だったので、もったいない。音楽ライブのチケットはスポーツのものと違って安いものなのだが、STUBHUBで人から買ったチケットなので、こういう場合、払い戻しもできないというのが実につらい(そういうシステムもどうもなさそうだ)。一応、会場のグレート・アメリカン・ミュージック・ホール(名前は大層だが、そんなに大きな会場ではない)に行ってみたが、もう会場はすでに別のローカルバンドのロックのイベントが行われていた(別に入ろうとも思わない程度のもの、カントリーだった)。こんなことなら、同じ日にやっていたエイサップ・ロッキーのライブに行けばよかったと後悔する。ライブの中身が大体どんな感じかは想像もできたので、Desaparecidosの方を選んだわけだが、結果としてもったいなかった。エイサップ・ロッキーのライブ会場であるビル・グラハム・シビック・オーディトリアムには客がいっぱい集まっていて、そろそろ始まりそうな雰囲気だったが、ダフ屋はいなさそうで、ただいたとしてもそこでチケットを買うつもりにもなれなかったので、おとなしく帰ることにする。
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 すぐ向かいのサンフランシスコのシティ・ホールが、フランスの同時多発テロの犠牲者を悼んで、赤・青・白の三色のトリコロールに彩られていたのが美しかった。公的機関であるはずなのに、こういう粋な演出ができるのがアメリカらしくて実ににくい。そして、ビル・グラハム・シビック・オーディトリアムも3色に照明を作っていたことにも気づくのであった。