2015/11/14 Golden State Warriors vs. Brooklyn Nets @ Oracle Arena (NBA basketball)

 スタンフォードオレゴンの試合が白熱したものとなり、3時間をゆうに超えて、スタンフォードを出る頃にはもう20時30分になろうとしていた。次の予定として、オークランドに向かい、そこでウォリア-ズの試合を観ることにしていたのだが、すでに試合はとっくに始まっている時間である。オークランドまで普通に移動して1時間。着いた頃にはすでにゲームは終わっている可能性もあり、そこまでして行くべきかどうか一瞬迷った。だが、チケットは持っていることだし、移動することにした。毎度のことだが、チケットマスターで購入しても、行けなかった場合に補償される保険にはケチって入っていない。幸いにも道は混んではいなかった。おそらくスタンフォードの試合を見てからオークランドに移動する人間なんて、自分以外にはいないだろうと思いながら、オラクルアリーナに向かう。仮にいたとしても、早々に切り上げてオークランドに向かったはずだ。ただ、あのフットボールの試合はアメフト好きな人間なら抜け出すことはできないものだった。こういう移動の時に、ラジオとかで試合状況がわかればいいのだが、何せ一人で移動していて、そもそもラジオで放送しているのかどうかもわからず、日本の携帯しか持っていないためにネットに接続するわけにもいかないので、実にもどかしい。

 オラクルアリーナに行くのは数年ぶりだ。スタジアムの前は車がずらりと駐車されているが、実に閑散としていた! ということは、まだ試合は終わっていない証拠だ。試合が始まってだいぶ経過したこのような時間だと、すでに駐車場周りに係員は誰もいないし、そして何人かは帰ってしまっている人達もいるので、ポッカリと空いた駐車スペースが、スタジアム入口のかなり近いスペースにできたりしているから都合がいい。もちろんお金をとられることもないわけだ。できるだけ近くの空いたスペースに止めて、アリーナ入口まで急ぐ。

 この日は、ゴールデンステイト・ウォリアーズはブルックリン・ネッツを迎えての試合だった。スタンフォードの試合がいつ終わるかわからないだろうと考えて、チケットは3階席の一番上のできる限り安い席を買っていた。こんな時間になると、アリーナの数ある入り口もほとんどは係員がいなくて、閉まってしまっている。やっとのことで係員のいる入口に着いて、チケットを見せて入る。奥にちらっと見えるモニターでは、まだ試合をやっていることはわかった。係員からは、何で今頃来る?みたいな怪訝な顔をされながら。仕方ないでしょ、さっきまでスタンフォードにいたんだからとは言わなかったが。すぐに席には着かずに。ロビーの溜まり場になっているモニターで試合を見る。すでに試合は第4クォーターで、残り5分ほどだった。しかもウォリアーズは負けていた!
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 この日までウォリアーズは昨年の優勝メンバーがほとんど残り、開幕から10連勝負けなしの状態だった。それがなんと、今シーズン最初のウォリアーズの負け試合を見ることになるかもしれないと思うと、テンションが上がってきた。まあ、チケットはどうせ3階席のほぼ最上段だし、そこにこれから初めて席に着くのも恥ずかしいので、ロビーのモニターで見ていた方が近くていいかと思い、そのままそこで見ることにした。一応、売店で飲み物は買いながら。そして、モニター前には、ウォリアーズが負けると確実にわかったら、そのまますぐに帰ろうとしているファンたちが結構いて、そんな奴らと見ながら盛り上がることにする。
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 しかし、ここからがこのシーズンのウォリアーズのすごいところだった。カリーが3ポイントを決めて、1点差まで詰め寄り、さらにカリーがレイアップを決めて、逆転したのだ。そしてネッツは、ガードのジャレット・ジャックやセンターのブルック・ロペスがファウルをもらいフリースローを決めて、また逆転する。ウォリアーズはアンドレ・イグダラとドレイモンド・グリーンがシュートを決めてさらに逆転して突き放すと、そこからウォリアーズはファウルトラブルに会い、ジャレット・ジャックがフリースローを2本決めて再逆転され、さらにフォワードのサデス・ヤングもフリースローを2本決めて、3点差まで広げられる。残り9秒でウォリアーズはたまらずタイムアウト。ここで3ポイントを決めないと終わりというところで、残り5秒でイグダラが本当に3ポイントを決めた。97-97の同点。ネッツの残り1秒での最後のシュートは外れ、なんとオーバータイムに突入である。これぞ、まさに今のウォリアーズの勢いというのを見せてもらった。まさに会場は最高潮の盛り上がりである。
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 オーバータイムになったので、自分の席に着くことにする。モニターの前にいた人間も再び自分の席に戻ろうとする奴もいた。エスカレーター係のおじいさんはオーバータイムになったのというのに、エスカレーターを上りに戻してくれないので、階段で3階まで上がることに。確かに帰る人も何人かいるわけだが、そういう盛り上がりの空気を考えてほしいなと思う。自分の買ったチケットの席はかなり上の方だったので、帰ったとおぼしき人の席に座って見ることに。しかし、ここでオーバータイムに持ち込んだということは、もう完全に勢いはウォリアーズのものだった。オーバータイムでは、ネッツを圧倒し、10点リードするほど。終わってみれば、99-107というスコアだった。このシーズンを振り返れば、73勝という歴代最高勝率を生み出した原動力となったのは、ホームでずっとリードされている試合展開の中で、最後の最後で追いついて、オーバータイムに持ち込んで勝ったこの試合だったのではないかと思える。その記念すべき瞬間に立ち会えたのは、ラッキーだったというしかない。
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 実はこの試合はウォリアーズのフィールドゴールが決まらず、第1クォーターが終了した時点で、36-21と15点差も離されていた。第2クォーターで盛り返し、54-52の2点差まで詰め寄ったものの、第3クォーターで再び引き離され77-70と7点差がついていた試合だった。この日、カリーは34得点を稼いだが、3ポイントの成功率は5-16と決して高くない。クレイ・トンプソンは怪我で出場していなかった中、ドレイモンド・グリーンが、16得点、10リバウンド、12アシスト、4ブロックショットとトリプルダブルの獅子奮迅の活躍だったようだ。イグダラは38分出場して15得点(うち3ポイントで9点)、センターのアンドリュー・ボガットは10得点、18リバウンド、3ブロックショットだった。一方、ネッツはジャレット・ジャックが28点、9アシスト、サデス・ヤングは26点、10リバウンド、3スティール、ブルック・ロペスは18点、9リバウンド、3ブロックショット。いかにウォリアーズにとってきびしい試合だったかがわかる。
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 しかし、2014-2015シーズンそして2015-2016シーズンのウォリアーズを見ても、自分にはあのウォリアーズがファイナルに出場することなんて考えもしなかった。自分的にはウォリアーズと言えば、ランTMCの時代であり、バロン・デイビスのプレイオフの第8シードの番狂わせの時代であり、とはいえファイナルに出場するほどのチームになるなんて想像もできなかった。誰でもバスケを見て、一度は考えたことがあるはずだ。遠いところから決める3ポイントが決まり続ければ、試合には勝てるのではないかと。しかし、そうそう簡単に3ポイントは決まるものではないのが普通だ。しかし、ウォリアーズはそんな常識を打ち破った。3ポイントの成功率が50%に届くくらい決まるのだから、本当に3ポイントで勝利を手繰り寄せるチームとして成り立ったのである。バスケはわからない、だからおもしろいということを知らされたものだ。
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 せっかくオラクルアリーナまで来たので、ウォリアーズの優勝記念のグッズを色々と買って帰る。今しか買えないものだから、こんなことがまたあるかどうかもわからないものだし。サンフランシスコのダウンタウンに戻って来た頃には11時30分を過ぎていた。オラクルアリーナに行った時点で、もうあきらめていたのだが、この日行こうとしていた今回最もライヴを見たかったファンクバンド、Pimps of Joytimeのフィルモアでのライブは、会場に着いた頃には、客が外に出てきたところで、ちょうど終わったところだった。事前に調べていて、最高におもしろい、にぎやかでファンキーなバンドで、チケットも買っていたのだが、仕方ない。こんな時にいつもticketmasterで買う時にどうしようか迷う、行けなかったりした場合の保険、入っとっきゃよかったって思うのである。