2015/11/13 Columbia University Lions vs. Kean University Cougers @ Levien Gym (NCAA Basketball)

 2日目は朝からマンハッタンに移動する。まず行くのはコロムビア大学である。この日はコロムビア大学のバスケットチームのシーズン最初の試合があって、そのチケットを取った。なんとチケットは10ドル、安い。大学の試合にしても安すぎる。ただ、試合開始は朝11時である。平日のしかも朝11時。最初、目を疑ったが間違いではない。そんな時間にやって客が来るのかと思うが、実際、夜だと色々重なっていけなかったりするから、自分のような観光客にとってはいい時間である。なので、朝も早くにチェックアウトをして、ニュージャージーを出る。通勤ラッシュにはもうかかっていないのか、それほど混んではいない。橋の通行料を払ってマンハッタンに入る。

 大学構内近辺にはなかなか駐車場がなくて、グルグル回ったりして、2ブロック先当たりのヴァレット・パーキングに預ける。回ってる時に気になったのは、パーキングメーターの駐車場がたくさんあったことだ。バスケットの試合だとして約2時間。それくらいの時間ならパーキングメーターの場所に止められるのかと思ったが、一人なので、車を停めてリサーチするわけにもいかず。後でわかったことだが、パーキングメーターの場所も自分のような観光客でも普通に利用できると知って後悔する。結構、預けた駐車場が高かったのでね。

 コロムビア大学。ここも学生の時に訪れてみたことがあるし、一度近くで仕事もあり、中を散策したこともあったはずなのだが、物の見事に全くおぼえていない。マンハッタンの大学だけあって、実にこじんまりとしている。試合会場はLevien Gymというところで、最近改装したばかりのようにキレイであるが、文字通りの体育館といったところだ。他の有名大学のようにアリーナやスタジアム級のものではない。ここがやっぱりスポーツにそれほどお金をかけていないアイビーリーグの大学の財政的規模のちがいであろう。本当に体育館なので、観客用の入口みたいなものもなく、客も選手たちがいるフロアの横を歩いて、階段を上がって観客席につくのだ。
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 コロムビア大学のアスレチックチームの愛称はライオンズである。チームカラーはブルーとホワイト。ライオンのマークがブルーであることにちょっと違和感があるが、そこはスルーする。あとでわかったことだが、この体育館のデザインは、NBA2K16の高校のホームグラウンドとそっくりであった。見方を変えれば、高校のホームグラウンドと言っても有り得る規模だ。朝10時過ぎだから、観客もまばらである。とは言いながらも、ここでもやはり昔OBだったようなおじいちゃんたちが何人もいて、独自にスコアをつけようと試合時間を待ちかねている。この辺の大学スポーツ文化の成熟さは、さすがアメリカだ。ちなみにコートを隔てた反対側の席は生徒専用の席になっており、選手の知り合いなのか何なのか知らないが、試合など見に来たつもりもないかのように、ただはしゃいでいる感じ。
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 今日の相手はニュー・ジャージーにあるケイン大学(Kean University)。名前も聞いたことのない大学であり、アイビーリーグの大学バスケットのレベルは決して高いものではないが、それでもその中で有力校であるコロムビア大学にとっては、シーズン最初の試合、肩慣らし的なほんとにエキシビジョンゲームみたいな試合ということだ(つまりNCAAのディヴィジョンⅠのカテゴリーではない)。なので、朝11時開始なんて試合も、シーズンでは今日だけだったりもするのだ。ちなみにキーン大学のアスレチックチームの愛称はクーガーズ。なので、本日の試合はライオンズ対クーガーズということになる。

 試合まで時間があったので、コート裏まで出ると、ちゃんとした売店はなく、学生みたいな人間が仕入れたサンドイッチや飲み物を並べて売ろうとしていた。こういうところも実に素朴でいい。そして、ゲームのプログラムもタダでくれた。実にありがたい。
あらためてコロムビアのロースターを見てみると、地元出身の選手が半分もいないことがわかる。このようなアイビーリーグの大学であっても、各地からバスケットのうまい選手が奨学金をもらって入って来るのだ。もちろん頭が良くなくては入れないだろうし、スポーツ以外の目的もあって入って来ている人間もいるだろうが。ただ彼らにしてもプロに入れるかと言ったら、そういうレベルでは決してないのが現実なのだ。コロムビア大学と言えば、日本人でバスケットをやっていた松井啓十郎という選手がいたなと思って、探してみると、BASKETBALL RECORDSの中には名前はなかったものの、ALL-TIME LETTERWINNERS(優秀選手)の中に、Matsui, K.J.の名前を発見。こういうところで名前を見つけるとすごいな思う。

 試合が始まると、このコロムビア・ライオンズは実によくまとまって組織化されたチームだというのがよくわかる。プログラムのBASKETBALL RECORDS(大学記録)の中に、すでに名を連ねようとしている選手が、多数在籍しているのがわかった。3ポイントの名手であり、すでに大学歴代成功数と成功率のベスト3内に入っているガードのMaodo Lo(4年、ドイツ出身)、キャリア得点ランキングの上位に入るだろうフォワードのAlex Rosenburg(4年、ニュー・ジャージー出身)、歴代アシストランキングに名前が入りそうなガードのIssac Cohen(4年、フロリダ出身)、シーズンのフリースロー成功率に名を残すガードのGrant Mullins(4年、カナダ出身)。彼らは現在もスターターであるが、それこそ1年からプレイしていた間柄だろうから、コーチの指導も行き渡っているのもわかり、実に連携がしっかりしている。そして、一人がボールを持ちすぎることもなく、どこからでもバランスよく確実に得点が決められるので、ディフェンスも的をしぼることができない。相手のKeanとの実力差がありすぎたということもあるだろうが、まさに理想のバスケチームという印象に映った。
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 という風に、通常ならば、試合の経緯も含めて記していくのだが、何せバスケの名門大学の試合でもないので、サイトなどにプレイ・バイ・プレイの記述が残っていなくて、ハイライトの動画もないので、試合の具体的なプレイの一つ一つを、もう思い出すすべがないのだ。手元にあるのは、ボックススコアだけしかない。
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 試合はコロムビアが前半で48-29とすでに試合を決め、さらに後半も59-33とケインを圧倒。最終的に107-62というスコアだった。リバウンドでもコロムビア60本、相手は32本。Maodo Loは、4本のスリーポイントを決めるなど13点、Alex Rosenburgは10点、10リバウンド。Grant Mullinsは3本のスリーを決めるなど11点。スターティングのセンターのConor Voss(3年)は明らかにケガをおしてプレイしているようで、彼が万全であれば、もっと点差が開いていたかもしれないと思わせるものだった。中でもベンチから登場した1年生のCJ Davisはチームトップの19点を記録。同じくベンチスタートで15点を取った2年生ガードNate Hickmanとともに、翌シーズンの4年生たちが抜けた後でも、戦力的には落ちないのではないかと思うほどの活躍を見せた。
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 今日のこの試合を見る限り、アイビーリーグは、コロムビアが制して、NCAAトーナメントにも出てくるほどになるんじゃないかと思っていたが、他の試合を見てないからそんなことを思うわけで、フタを開けてみれば、このシーズンはエール大学の快進撃であった。今季の対戦対決をみても、コロムビアはエールに歯も立たなかったようだ。だから、バスケットはちゃんと見ないとわからない、だからおもしろいのだ。日本にいては、もちろんちゃんと見られないのだけれども。

 試合が終わり、コロムビア大学をちょっと散策。やっぱり何一つこの場所をおぼえていないことに気付く。この日はマンハッタンにホテルを取ったので、チェックインできそうな時間を見計らって移動。夜には、マディソン・スクエア・ガーデンでのニューヨーク・ニックスの試合がある。一番近いペンシルベニア・ホテルは取れなかったが、今回は車があるので、駐車場に近い、ガーデンにも歩いて行けるホテルを選んだ。マンハッタンのホテルは、激戦区であり、各旅行サイトでそれぞれ強みがあり、値段が全然ちがったりするので、色々なサイトをこまめに当たった方がいい。決してエクスペディアが安いわけではないのだ。今回はbooking.comで取った。駐車場は2ブロック先にあることも調べておいた。マンハッタンのホテルに関してはここまでする必要があると実感。