2015/11/12 Buffalo Bills vs. New York Jets @ MetLife Stadium (NFL Football)

 2015年の休みは、11月の第2週になった。いつもながらもうここしか休めないというピンポイントのところしか休めず、帰ったらすぐもう仕事に追いまくられるというスケジュールの中、なかなかビッグイベントには合わせられなかったのがつらいところであった。2015年はめずらしくロサンゼルスには行かないことにした。トランジットでもだ。まずニューヨークに入って、それからサンフランシスコに行って帰る手順である。ロサンゼルスと同じく、ニューヨークには何かしらイベントがある、逆に言うと、このタイミングでイベントを入れるスケジュールを作るには、ニューヨークに行くことしかなかったと言ってもいい。

 今回はすべてJAL便にしたので、ニューヨークに入るのはジョン・F・ケネディ空港である。成田を朝11時に出発し、朝10時過ぎに着く寸法。自分の大好きなニュー・アーク空港ではないが、仕方がない。ケネディ空港には何度か来たことがあるが、ここで自分でレンタカーを借りるのは初めてだ。

 ニューヨークにはあまりいい思い出がない。とにかくここは物事が確実に予定通りに行くということがなかなかない街である。入管では二人前の中南米系の人間がやたらと時間がかかり、自分の両隣の列ばかりが進んでいくという結果に。しょうがないなと思いながら、この日の予定は木曜日のフットボールナイトゲームを見るだけだったから、あわてる必要はなかったのが救いだった。レンタカーは空港内のエアトレインに乗って降りたところにカウンターがあり、そこで借りる。ゴールドメンバー用のところに行くと、係のおばさんがトヨタのカムリがあるからというので、それに決めることにした。何だ、アッという間だなと思ったら、その車にはナビが付いていなかった。どこを見てもない。車に内蔵されているわけでもない。どういうことやねんと思って、カウンターに戻ると、おばさんはあるはずなんだけどと言いながら、やはりその車にナビはなかったので、結局、日産のVERSAになった。今回は白のVERSAだ。始めからそれでよかったんだって。何だかんだで空港を出たのは昼を過ぎていただろうか? やっと出たという感じで急いでしまったことを後悔している。ここでちゃんと帰りのレンタカーの返却場所も戻り方も含めて、ちゃんと確認して覚えとくべきだった。
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 この日は木曜日に行われるNFLのゲーム、ニューヨーク・ジェッツバッファロー・ビルズの試合を見に行く予定であった。場所はメットライフ・スタジアム。かってはジャイアンツ・スタジアムという名前だったが、建て替えられて、名前が変わった。ニューヨークと言いながら、場所はニュージャージーなので、マンハッタンを越えて、ニュージャージーに入らなければならない。ジャイアンツ・スタジアムは一度行ったことがある。もう何年前だろうか、その時はマンハッタンからバスに乗って行った。帰りにスタジアムとダウンタウン直行のバスがもう終わっていて、普通の路線バスで帰る羽目になり、時間がかかりエライ目に遭ったのを覚えている。メットライフ・スタジアムになってからはもちろん初めてで、以前はジャイアンツのゲームだったから、ジェッツのホームゲームも初めてである。ホテルはいつもの通り、駐車場代を節約するためにスタジアムまで歩いていける場所を探した。さすがにニュージャージーだから、安いホテルもあるのだ。しかもホテルに駐車場があって、タダであるからこんな好条件はない。歩いてスタジアムまではグーグルマップで調べると400mくらいだから、まあ大丈夫だろうとそこに決めた。

 マンハッタンは運転するのに、とにかく面倒くさい。一つ筋を誤ると、すぐに渋滞にはまる。車線もそうだ。ある場所ではなかなか進まない車線があったりしてイライラする。それはそこに日常的に活動している人間しかわからないことで仕方がない。それよりも何も、曲がり角や道の入り方がとにかく複雑で、何回も何回も行き違いをしてしまう。ブルックリン橋を越えて、ニュージャージーに入ると本当に安心する。この日の試合時間は、午後8時半ごろで本当に遅いので、いつものごとく決まりの買い物をする。BEST BUYにて、今年度のmaddenとNBA2KとNHLなどのゲームソフトを買い(NCAA footballは今年も出ない…)、そしてホールフーズマーケットで、今日のスープをカップで買って食べて、夕方にホテルにチェックインする。メットライフ・スタジアムはもうすぐ近くに見えているから、正解だなと納得。ホテルの近くに、歩いて行ける範囲にはドラッグストアやスーパーマーケットがなかったので、再び出かけて、飲み物や明日の朝食などを買う、それだけするにしてもまだ十分に時間はあった。

 7時くらいにスタジアムに向かう。しかし、驚いたのはその行く道が基本的に車のための道路であり、歩道が特にあるわけでもなく、傾いた路肩を歩いていく感じなのである。しばらくして道の反対側にスタジアムが目の前に見えてくると、あることに気付く。これはどうやって向こう側に渡ればいいんだろうと。車道は片側だけで3,4車線はあって、しかも見渡してもしばらくは先に信号すらない、車の流れは幹線道路なのでほぼ途切れることはない。反対側に渡れそうにもない。そしてその広い道を仮に横切れたとしても、向かい側に見えているスタジアムの駐車場には人の背より高い網のフェンスが張り巡らされていて、歩いて入れるフェンスが途切れた場所があるのかどうかもわからなかった。そんなところに、しばらく先に金属で囲われた陸橋みたいなものがあった。これがスタジアム方面に歩いて渡る唯一の道なのではないかと悟った。100m以上歩いたと思う。やっと陸橋の下に来たのだが、どこにも上がる口がない。窓はないけど、声がしてスタジアムへ向かう人がたくさん歩いているのはわかる。そこで、この陸橋は、それまで歩いてきた途中にあったこちら側にもある駐車場の中の建物から入るんだということがわかる。そこで、また100m以上戻って、駐車場の建物に入って、ようやく陸橋に入ることができた。いや、何をやってるんだろう。ほんとにアメリカのスタジアムは歩いて会場に入る人のことを全く考えていない。結局スタジアムに入ったのは、試合開始の1時間をすでに切っていた。
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 メットライフ・スタジアムはデカイ。かつてのジャイアンツ・スタジアムの面影は何も感じない。こうやって作り直しても、ドーム球場にはしないところが興味深い。そして気候のせいもあるが、寒くはない。今回はジェッツにもビルズにも思い入れはないのだが、チケットが安かったので、一階席の端の方の上方を取った。チケットマスターのチケット・エクスチェンジで200ドル以下で買う。ニューヨーク州のチーム同士の対決でもこんなものだ。ただ、これがジャイアンツの試合になると数割増の値段になるの
 ゲームが始まったのだが、この試合はほんとにつまらなくてほとんど記憶にも残らないゲームだった。点は入らないは、ビッグプレイもないわとなると仕方がない。この日はアウェイのビルズも白系ではなくて、赤のユニフォームでちょっと違和感があった。緑と赤の戦い。ジェッツの緑は、芝の緑と同化するようで見にくいね。来てわかったことだが、この日のゲームはビルズのヘッドコーチになったレックス・ライアンが、古巣のジェッツと初対戦の日で、彼にとっては負けられない試合だった。確かジェッツのQB、フィッツパトリックもかつてビルズにもいたなとも思いつつ、二人の接点はなかったのかなと思ってみる。フィッツパトリックはあごひげが伸びに伸びて、完全にマスコットキャラクター化している。この人はどうしたいんだろうかと思う。
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 第1クォーターは、フィッツパトリックも、ビルズのQB、タイロッド・テイラーもことごとくパスが通らず、ジェッツのフィールドゴール3点で終わる。タイロッド・テイラーは、ビルズのQBでここ数年間で珍しくシーズン通して、ある程度の活躍ができた人なのだが、何しろプレイに面白味がないんだ、これが。そしてRB陣も、ジェッツはクリス・アイボリー、ビルズはルショーン・マッコイが見せ場を作ってくれるかと思いきや、これも対して走れない。

 第2クォーターになると、フィッツパトリックのパスをWRブランドン・マーシャルが捕れずにはじいたボールをインターセプトされ、それがビルズのフィールドゴールに結びつき、3-3の同点に。続くビルズのキックオフ、これをジェッツのリターナーファンブルし、それをビルズがリカバーし、そのままタッチダウン、3-9と逆転。何をしてるんだ、ほんとに。これが結果的に第2クォーターの見せ場になった。そしてビルズは、その後の攻撃でマッコイのランとテイラーのショートパスでフィールドゴールまで持っていき、12-3で前半が終了。
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 第3クォーターはビルズの攻撃から始まり、マッコイのランと、QBテイラーのRBカルロス・ウィリアムズへのタッチダウンパスが決まり、19-3とリードを広げる。続くジェッツの攻撃では、今度はクリス・アイボリーがファンブル、それをまたビルズにカバーされて、フィールドゴールを与えてしまう。ほんとに何をやってるんだろうか、これで22-3。今日のような試合の流れなら、もうこれで終わってしまいそうな雰囲気である。しかし、ここからフィッツパトリックが意地を見せてパスを通し始める。ブランドン・マーシャル、そしていい動きを見せていたのはWRエリック・デッカーである。この人はほんとに非凡な才能があると実感。最後はマーシャルにタッチダウンパスを通し、22-10に。それからフィッツパトリックは以前のチームでは決してやっていなかったはずの、決して速くないスクランブルを切り出していく。これが意外と有効なんだからおもしろい。
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 しかし第4クォーターをまたぎ、マーシャルへのパスは押し戻されて、4thダウンギャンブルに失敗。そうなるとおもしろいことに、ビルズの方も攻撃でファーストダウンを全く取れずパントという拙攻が続く。ジェッツのCBダリル・レビスは、ビルズのエースWRサミー・ワトキンスを完全にマークしており、全く仕事をさせていなかった。そこでジェッツは三度目の正直と言わんばかりに、フィッツパトリックはマーシャルへのパスが通らなくなると、エリック・デッカーにパスを投げて進み、最後はそんな真ん中に投げるかという31ヤードのパスが見事デッカーに通り、タッチダウンを奪う。これで22-17とタッチダウンで逆転できる点差に。残り時間はまだ7分ほどある。
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 するとジェッツのディフェンスがずっとプレッシャーをかけ続いていたのが実り、今度はビルズにミスが起きる。ビルズはパントに終わった攻撃で、まさかのパンターが投げられたボールをキャッチできずにファンブル。自軍がリカバーしたものの自軍13ヤード地点から、ジェッツが攻撃を始めるという絶体絶命の事態に。しかし、ここでも決定機に試合を決められないのがジェッツであり、フィッツパトリックである。アイボリーは走れず、ショートパスでも押し戻される。そして、4thダウンギャンブルでエンドゾーンに投げたパスは、連携ミスとしか思えないインコンプリートで終わる。ほんとに何をやっているんだ。

 その後のビルズの攻撃をタイムアウトを使いながらしのぎ、パントに終わらせたジェッツ。ただ次のジェッツの攻撃は自陣36ヤードからで残りは24秒。どうなるかという期待を少しくらいは持たせたのだが、フィッツパトリックは最初のパスですぐにインターセプトを食らって試合終了。スコアも22-17で終わる。ほんとに何だかなぁというゲームであった。
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 ビルズはテイラーが158ヤード、1タッチダウンパス。マッコイがラン112ヤード(そんなに走ってたっけという印象)、パスキャッチが47ヤード。レシーバー陣はチャールズ・クレイが5キャッチ52ヤードが最高。サミー・ワトキンスはたった3キャッチ14ヤードに終わった数字を見ると、CBレビスのすごさがわかるというものだ。ほんとにこれは勝ったチームの数字ではないよ。

 ジェッツはフィッツパトリックが193ヤード、2タッチダウンパス、2インターセプト。アイボリーがラン99ヤード、パスキャッチ36ヤード、レシーバー陣はデッカーの85ヤード、1タッチダウンが最高。マーシャルは3キャッチ、23ヤード、1タッチダウンというありえない低調ぶり。ディフェンスは確かに良かったのだろうが、拙攻やミスばかりが目立つ試合で、正直これがプロの試合なのかとすら思ってしまうほどであった。
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 ゲームが終わって、歩いてホテルまで帰る。確かに歩いては行けるけど、わざわざここに泊まるかというホテルであった。結局、ホテルの近くに店とかもないし、買い物に行くにも車で出かけなければならない。同じホテルの宿泊者でフットボールの観戦目当ての客を見なかったのだが、そういう人たちですらここには来ないのだろうかと思った。まあ、駐車場代が節約できただけでも良しとしよう。