今さらながら音楽雑誌の2012年ベストアルバムを記録しておく

いつもやっていたことだが、忘れていてこんな時期になってしまったので、事実だけ記録しておくことにする。
 
ミュージック・マガジン誌 『ベストアルバム2012』(2013年1月号)
ロック[アメリカ・カナダ]
1位 「エル・カミーノ」 ザ・ブラック・キーズ(ノンサッチ/ワーナー)
ロック[イギリス]
1位 「コエグジスト」 ザ・エックス・エックス(ヤング・タークス/ホステス
ロック[日本]
1位 「すとーりーず」 ザゼンボーイズマツリスタジオ
謡曲/Jポップ
1位 「Tomato n' Pine」 PS4U(ソニー
R&B/ソウル/ブルース
1位 「チャンネル・オレンジ」 フランク・オーシャン(デフジャム/ユニバーサル)
ラップ/ヒップホップ
1位 「Good Kid M.a.a.d City」 Kendrick Lamar(Aftermath)
ハウス/テクノ/ブレイクビーツ
1位 「ダ・マインド・オブ・トラックスマン」 トラックスマン(プラネット・ミュー/メルティング・ポット/インパートメント)
ラップ/ヒップホップ[日本]
1位 「B級映画のように2」 田我流(メリージョイ/ウルトラ・ヴァイヴ
イメージ 1
※1位だけ見ると、そうでもないようだが、ランキング全体を見ると、やはり偏っているこの雑誌。毎年、この雑誌を見てはじめて、「あの人たち、まだやってたんだ」と思うアーティストを多数見かける。そういう人たちの作品が平気でランキングに入るのだから変な雑誌である。
 なぜか、昨年に自分がここで、なぜこの雑誌がこのバンドをランキングに入れないのか不思議だと指摘したブラック・キーズの一年前の作品が、1位になっている不思議。日本では全くと言っていいほど人気がないバンドだが、昨年のグラミーでは最多を獲得するほどブレイクしたのだ。あえて一年前の作品だとわざわざことわってランキングに入れているのだが、だったら一年前のランキングに入れりゃいいんじゃないの!? どこかの雑誌みたいに日本盤がリリースされていない作品しかランキングに入れないとかないはずなんだから…。音楽雑誌のクセに、結局本国でブレイクしてからの恥ずかしい後追いにしか見えないんだよね。まさか評論家の人たちが、去年知らなかったわけはないだろうに…ね!
 
ロッキング・オン誌 『2012年ベストアルバム50枚!』(2013年2月号)
1位 「ザ・セカンド・ロウ」 ミューズ(ワーナー)
2位 「スウィング・ロー・マゼラン」 ダーティー・プロジェクターズ(ホステス)
3位 「ウノ!」「ドス!」「トレ!」 グリーン・デイ(ワーナー)
4位 「ブランダーバス」 ジャック・ホワイト(ソニー
5位 「レッキング・ボール」 ブルース・スプリングスティーンソニー
イメージ 2
※あいかわらず毎年毎年ほんとにつまらないランキングしか出さない雑誌である。クラシックなロックしか聴かない年配層にも配慮し、名前のあるアーティストの新作はどんなくだらないものだって、ちゃんとランキングに入る。3位のグリーン・デイは、3部作で三作まとめて3位って、ホントに意味がわからん。数出せばいいのか!? アルバム1作で評価するもんじゃないの!? 何作かに出演した俳優を合わせ技でノミネートする、くだらん日本アカデミー賞的発想だな… 
 ちなみにブラック勢でランキングしているのは、15位のフランク・オーシャンのみ。それもなんとも微妙な15位。海外の雑誌では軒並み上位に入っているから、でもウチの雑誌のカラーじゃないし、15位くらいにしとくかみたいなノリだろう、どうせ。
 ロックってカテゴリーなら、何を入れてもいい、何でもアリなはずなのに、邦楽は入らないし(ジャパンという別雑誌があるからという理屈だろう)、日本盤が出ていないアルバムは入らない(国内のレコード会社の潤うものしか誌面で紹介しないというズブズブな理屈)、今どき音楽を聴くのに、CDを買うという選択肢にどれだけの重要性があるのかもわからない時代にこれだ。そんなくだらない音楽雑誌だからこそ、ずっと生き残っているという構図。所詮、音楽雑誌なんて、こんなもんだ。
 
クロスビート誌 『年間ベストランキング2012』(2013年2月号)
1位 「チャンネル・オレンジ」 フランク・オーシャン(ユニバーサル)
2位 「シールズ」 グリズリー・ベア(ビート)
3位 「ローナイズム」 テーム・インパラ(パチンコ)
4位 「ブルーム」 ビーチ・ハウス(パチンコ)
5位 「スウィング・ロー・マゼラン」 ダーティー・プロジェクターズ(ホステス)
イメージ 3
 ※いわゆる真っ当な音楽雑誌のランキングとしては、こういうような感じになるものだろう。海外の動向もチェックし、自分の嗜好に合う合わずに数を聴いている地道なライターや評論家たちのランキングを集計したものを総合すれば、ある程度の数字の操作はあったにしても、納得はできる結果だ。それにしても、フランク・オーシャンを1位にもってくるあたりは勝負をかけた感じを見てとれる。しかし、なぜか、今年のこの号は雑誌のサイズが、ミュージック・マガジンの大きさになっていたかと思うと、今年の11月号で月刊最終号という事実上の休刊の発表となった。最後の最後まで迷走していたのだろうか。25年の歴史に終止符をうち、また音楽雑誌が一つ消えた…
 
ele-king誌 『BEST OF 2012 2012年ベスト!!』(vol.18)
1位 「4 Bombs」 Xinlisupreme (Virgin Babylon)
2位 「Mala In Cuba」 Mala (Brownswood Recordings/ビート)
3位 「Scent」 Madalyn Merkey (New Images Ltd)
4位 「Jake Bugg」 Jake Bugg (Mercury/ユニバーサル)
5位 「Music For The Quiet Hour / The Drawbar Organ EPs」 Shackleton (Woe To The Septic Heart!)
イメージ 4
 ※ここまで来ると見事としか言いようがない。普通にテレビやラジオでしか音楽を聴かない一般の人たちには全くわからないランキングだろう。ジェイク・バグが入っているのが、なぜか笑えるのだが、いわゆるワンマンな自由度の高い音楽雑誌でしかありえないものであるのだが、これにいちいちついていく気にもなれないのが感想でもある。