マイケル・ジャクソン THIS IS IT(特製ブックレット付き) [Blu-ray]

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 BDを予約して購入、ちなみに劇場では見ていません。

 この作品は、あくまでマイケルのコンサートの舞台裏を撮ったものであり、何十年も先の未来に何も知らない人がこれを見たら、このコンサートは実際に行われたもので、そのメイキングだとかんちがいするかもしれない。つまり直接的に彼の死が語られることはない。マイケル本人のために、このコンサートを存在したもののような形で残し、明るく彼を送り出してあげようという制作者の意図なのであろう。確かに劇場版ではそうあるべきものだったと思う。

 しかし、それはDVDやBDのソフトになっても変わらない。特典映像においても、直接的に彼が亡くなった話はされないし、誰も「死」という言葉は口にしない。監督やミュージシャンがわずかに涙をこらえるようなところがあるにはあるのだが…。できることならばせめて特典映像では、このコンサートに関わってきた人達が、彼の死をどのように受け止め、乗り越えていったのか、どのような思いと経緯があってこの作品が作られたかも語ってほしかった。言うならば、思いっきり涙を流すような場面があってもよかったと思うのだが…。だってそれでファンは泣けるんだし。でもそこは制作者の意図だと思うので尊重しよう。問題はそこではないからだ。

 これは音楽ソフトであるなのに、曲名のクレジットすらないどころか、チャプターも曲名で選べないのだ(曲名表示がない)。どういうつもりなのか理解に苦しむ。だって普通、曲で選んで見たりするでしょ。これを見て初めてマイケルにふれるという人もいるはずなのに、そのことを全く考えていない。その曲がどのアルバムに入ってて、どういう背景があってできた曲だとか、解説があってもいいもんでしょ。そりゃ、ウチらは知ってるけどさ。

 映画だというならば、デキはともかく、ベストヒットUSAみたく、曲の訳詞だってつけるべきだろう(ソフトだから見たくない人間は消せばいいんだし)。とにかくソフトとして見る人間を想定して作られたものでないのだ。どうせ売れるんだから、細部は気にしなくて出しちゃえってことなら、ソニーは最低だ。ソフト出すまでにけっこう時間はあったよ。

 あと、何人かも指摘しているが、スリラーのショートフィルムは、3D版もつけるべきだったと思う。これから先3Dが主流になった何年後かに、もう一度見てみようかという理由になるのに。

 マイケルの素晴らしさとひたむきさは十二分に伝わってくる作品。それだけにソフトを作る人の理解のなさが惜しい作品である。