2020/01/06 Washington Wizards vs. Boston Celtics @ Capital One Arena (NBA Basketball) ①その前に

明けて1月6日、月曜日。本日もキャピタル・ワン・アリーナに行く予定である。この日はワシントン・ウィザーズ対ボストン・セルティックス戦。同じアリーナに4日も行くなんてことは、ほんとにこれまでの旅ではなかったことだ。ただ、この日はナイトゲームなので、それまでの時間は観光して過ごすことにした。 

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ワシントンDCに来たら、私が行ってみたいなと思っていた博物館がある。「ニュージアム」という名前で、文字通り、ニュースとジャーナリズムの歴史を展示する博物館である。ベルリンの壁やワールドトレードセンターのアンテナ部分が展示されていたり、過去の世界的なニュースの一面記事、ピューリッツアー賞を取った写真などが、その背景とともに紹介されていたり、数々の歴史的な映像も振り返って見ることができる場所で、半日くらいは余裕でいられる場所と聞いていた。ワシントンDCには、ナショナルモールと呼ばれる地域があり、スミソニアン博物館などたくさんの博物館、美術館があり、ほとんどすべての入場料は無料なのだが、このニュージアムは珍しい入場料が有料の博物館なのだが、それでも見たいと思っていたのである。

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後で調べたら、財政難で閉館するような話がそれまでも出ていたようだが、エクスペディアでチケットは普通に買えたので、行こうと思っていたのである。しかも、ホテルからも歩いて行ける距離だったので、この日の午前中に出かけたのであるが、見事に閉館していた。2019年12月31日が最後の開館日だったようだ。ちょっと遅かった。まだ閉館して1週間も経っていないわけだが、エクスペディアも閉館することがわかっているなら、チケット売るなよ。すでに工事業者みたいな人たちが出入りしていて、所蔵品などはまだ残っていたのだろう。後でニュース記事を見ると、ジョンズ・ホプキンス大学に売却されたようである。 ていうか、いまだに旅行サイトなどでも普通にニュージアムの記事が紹介されたままになっているところが多い。ちゃんと閉館した事実を入れて更新してくれ。
 
ぽっかり予定が空いてしまったので、ワシントンDCに来て、楽しみたいものを満喫することにした。以前の記事でも書いたが、ワシントンDCは計画的に作られた街なので、道幅もほんとに広いので、道端にとにかく数多く置かれているのが、シェア電動スクーター(キックボード)である。2018年にインディアナポリスに行った時に、シェア自転車とは別に電動スクーターが流行していることを記したが、ワシントンDCはその比でなかった。むしろシェア自転車なんてほとんど見かけない、電動スクーターの街と言ってもいいだろう。以前記したようにLimeやBIRDの有名な会社のものもあるがワシントンDCでは圧倒的なシェアを誇るのがSkipという会社の車体だ。水色のマークの電動スクーターで、地元DCの会社のみたいだ。もし可能ならば、これに乗って市内観光を思ったのである。

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ニュージアムは閉館していたが、幸いにもフリーのWIFIの電波はまだ生きていて、屋外でインターネットにつなげることができたので、Skipに登録してみることにした。外国人なので、アメリカのドライバーライセンスはないので、パスポートの写真をスマホで撮って送ってみる。これで合っているのかも不安で、そんなすぐに対応してくれないだろうと疑っていたが、ものの5分くらいで審査が終わり、登録完了となった。びっくりである。あとは地図画面に表示されている車体から、バッテリーの残量などを確認しながら、好きなものを選んで乗るだけである。乗った時間分の料金を払うというのも、シェア自転車と同じシステムである。
 
これはそもそも2018年に調べてわかっていたことだが、シェア電動スクーターはホームページで記されてはいるが、原付と同じ扱いなので、ヘルメットを着用して乗らなければならないことになっている。ただ、実際にヘルメットを着けて乗っている人間は皆無と言っていい。2018年の時も乗りたかったが、自分は車も運転する身なのであきらめたが、すごく後悔したので、今回は乗ってみることにした。 

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何も操作に難しいものはなく、実に快適なものであった。ただ30分乗って8ドルちょっとだったので、シェア自転車に比べたらかなり割高であるが、疲れることがないので、観光客にとってこれほど便利なものはない。逆に地元の人間が普段使いで乗るようなものではないということだ。問題は、海外の携帯を持っていない自分のような身としては、2018年のシェア自転車の時のように、フリーのWIFIがつながるところでないと、終了させることができないということだ。普通にホテルの前に止めて、WIFIをつないで、終了させる分には何の問題もない。
 
せっかくなので、歩いては行きづらい場所まで、電動スクーターで行って、ご飯を食べようと思った。大したところがなければ、アメリカに行った時必ず行っていたお気に入りのイートイン可のパン屋チェーン、パネラブレッドの店をメモしておいて、そこに行けばいいやと考えた。そんな中、アメリカでも私的には食の革命が起こっていたのである。ホール・フーズ・マーケットのお店だ。大きくくくればスーパーマーケットではあるが、私がここを好きなのは、特にスープの種類が豊富で、おかずもおいしいものばかりで選ぶのも苦労するほどあるところだ。なんと、そのホール・フーズ・マーケットに、イート・イン・スペースができていたのである。

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私の記憶では、ホール・フーズ・マーケットはいわゆるスーパーであり、店内に食べる場所はなかった。そのため、これまでの旅では、いつもスープとパンとおかずを買って、車の中で食べていたのである。いやいや、ホール・フーズ・マーケットにイート・イン・スペースがあるなら最強でしょ。持ち帰りしかできなかったからこそ、自分はパネラブレッドを選んでいたのであり、あまり変わり映えしないメニューのパネラブレッドなんて、もう選ばないよ。確かにパネラブレッドに比べると、少し高いんだけどね。
 
結局、クラムチャウダーとパンとチキンの煮込みのおかずを買って店内で食べ、明日の朝ごはんのパンも買い、さらにドラッグストアで個人的な買い物も済ませ、ホテルに戻ったのであった。話は逸れたが、夜になり、キャピタル・ワン・アリーナに向かう、今回の旅の中では最後の4日目である。 

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この日はワシントン・ウィザーズ対ボストン・セルティックスのゲームであり、今回の旅のスケジュールを決めた時から一番見たい試合に設定していた。2017年、全体3位指名のジェイソン・テイタム、2016年全体3位指名のジェイレン・ブラウンを擁するイースタンカンファレンスの強豪、ボストン・セルティックス鳴り物入りで移籍したカイリー・アーヴィングがフィットしなかった問題はあったが、それでもプレイオフに進出して勝ち進む実力と未来を持っているチームだ。今季はベテランのポイントガード、ケンバ・ウォーカーが加入、さらに名シューター、ゴードン・ヘイワードがケガから復帰した万全のシーズンを送っている。ちなみにヘイワードは、インディアナ州インディアナポリス出身で、大学はインディアナポリスにあるバトラー大学、大学時代に彼を指導していたコーチが、現在ボストン・セルティックスのヘッドコーチであるブラッド・スティーブンスという、そこからのつながりがある。本来ならば、八村塁がテイタムとマッチアップをするはずだったのだが、ケガで欠場中なので、そこは悔やんでも仕方がない。
 
チケットは、前述したようにワシントン・ウィザーズのオフィシャル運営のパーシャルプランで購入したものの1つであるが、今日の座席はA列である。つまりスタンド席の最前列だということだ。嫌が上にも期待は高まるというものだろう。普通ならばこんな席はなかなかの値段でなければ手に入らないはずだが、そこはパーシャルプランならではのからくりがあって、セットで買うので、日程によってはいい席を割り当ててくれるので、自分はこのゲームで希望を出していたのだ。

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まあ、しかし表もあれば裏もある。以前、アメリカンフットボールインディアナポリスコルツ戦でもスタンド最前列の席を買った話を書いたが、最前列と言えども、最前ではないのだ。私が勝ったフットボールの最前席の場合は、自分の席の列のさらに前に簡易のスタンド席が別に置かれてあり、そこには当日のイベント出演者とそのスタッフたちが座る席があった。前のスタンド席とは段差もないので、視界は完全に開けているわけではないし、フットボールの場合は中継カメラのクレーンが常に行き来しているので、機材のせいで試合が見にくくなるタイミングも結構あった。
 
NBAバスケットの場合も似たものといえば似たものだった。確かに自分の席はスタンドの最前列ではあるが、そこからブロックを隔てて、さらに前には、良さげなパイプ椅子を使った席が5列分もあった。これがいわゆるコートサイド席というやつで、チケットの値段も一段高い別の枠の席があるのだ。しかもこの5列分と自分のいる最前列には段差がないので、前に人が座ると、結構見にくくなる。つまり、最前列とは言うが、実質6列目であり、むしろ段差がある分、自分のすぐ後ろのスタンド2列目や3列目の方が見やすいのではないかとも思うのであった。

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今回はセクション121であり、前回や前々回と違って、アウェイ側のボストン・セルティックスのベンチのすぐ後ろだった。こちら側にいると、ボストンの熱狂的なファンも多くいて、結構うるさい。ボストンとワシントンDCはそれほど遠くないので、熱狂的ファンは足を伸ばしてでも来るのであろう。なので、ワシントン・ウィザーズのベンチ側の様子は全くわからない。この日、八村が会場に姿を現したのかどうかもここでは見ることができなかった。でも、セルティックスの選手たちは本当に近いところにいて、作戦タイムの声も聴こえそうなほどであった、ボストンのヘッドコーチのブラッド・ティーブンスが試合中にサイドライン沿いをうろちょろしているのをこんなに近く見られるのは良かったのだが、何せ自分はそんなにボストン・セルティックスに思い入れはないのであった。今回は実質6列目ではあったが、それでも後でNBA楽天の中継映像を見ると、ひいたカメラでは自分の姿を常に確認することができた。どうも変な感じだ。

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試合の話に戻ると、2日前、ワシントン・ウィザーズはケガ人ばかりの状況でベンチメンバーだけで92得点をあげ、128-114と格上のデンバーナゲッツに勝利するという金星を上げたばかり。ここまで11勝24敗、ホームゲーム6連戦の最終戦であり、この日もひょっとしたらという期待が持てた。だが、ボストン・セルティックスはこの日まで3連勝中、ここまで25勝8敗でイースタン・カンファレンス2位、完全に格が違う。だが、ポイントガードのケンバ・ウォーカーはインフルエンザでここ2試合を休場しており(今考えればコロナと違って平和な時である)、この日の試合も出ないということだが、だからといってウィザーズが勝てるかというとそんなことは決してなく、ケンバがいなくてもボストンは体勢的には何の問題もないようだ。ちなみにボストン・セルティックスには、2018年にインディアナ大学に行った時に見た1年生のエース、ロミオ・ラングフォードがドラフト1巡目14位で指名され、ルーキーとして入団している。このように大学の試合を見た選手が、プロで活躍する姿を見られるのが大きな楽しみでもあるのだが、何と彼もケンバと同じくインフルエンザにかかって欠場するということ。残念だが仕方がない。

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この日のスターターは、ワシントン・ウィザーズが、アイザイア・トーマス(G、背番号4)、ゲイリー・ペイトン2世.(G、背番号20)、ジョーダン・マクレー(F、背番号52)、アイザック・ボンガ(F、背番号17)、イアン・マヒンミ(C、背番号28)。ボストン・セルティックスが、マーカス・スマート(G、背番号36)、ジェイレン・ブラウン(G、背番号7)、ゴードン・ヘイワード(F、背番号20)、ジェイソン・テイタム(F、背番号0)、ダニエル・タイス(C、背番号27)という布陣。ウィザーズは懲りもせず、ここ2試合全くいいところのないアイザイア・トーマスをまだスターターで使うようである。なんか失望とともに始まったこの日のゲームであった。

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